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持久走のような持久力トレーニングを行うことは、サッカーやスプリント・アジリティに悪影響のアトラクターを形成するのではないか?


1500m走や12分間走などの持久走的な持久力トレーニング(いわゆる「素走り」)は、生理学的な負荷がサッカーとは異なることから、サッカー選手には適していないトレーニング方法だと考えられるようになってきています。

サッカーのトレーニングの中でサッカーをするのに必要な持久力を向上させるという考えは今や目新しいものではなくなりました。
それだけでは不足がある場合にはRepeated Sprint Training(RST)のように「高強度運動を短時間の休息を挟んで反復するトレーニング」を補強として行うことで、生理学的にサッカー選手の持久力向上に適したトレーニング負荷をかけることができます。
そのため特別な理由がなければ積極的に持久走的なトレーニング手段を選択する必要はないとするのが現在のトレーニング科学の世界の見解と認識しています。

HIIT(High intensity interval training)として2分程度の高強度ラン(時速20km前後)を複数本繰り返す方法は、場合によっては選択肢に入ってくることもありますが、サッカーの練習に加えての補強トレーニングという位置づけであれば、やはり優先度はRSTが高いでしょう。

サッカー選手の持久系トレーニングとして優先順位の高いプログラム


エネルギー系の視点から見ると、

【ATP-CP系や解糖系をガンガン使い、乳酸が多量に生成する中でその乳酸を酸素と共にエネルギーとして再活用するようなトレーニング】

がサッカー選手の持久力トレーニングに適していると考えられます。

コーチのためのサッカー選手の持久系トレーニングの考え方



そのために一定の強度以上でのトレーニングが必要となります。
そうでなければ疲労したり、主観的に「きつい」と感じたりすることはできるもののトレーニング効果としてはサッカーに適していないトレーニングとなってしまうリスクがあります。

ラントレーニングの持久力とサッカーの持久力との違いを速度で比較し考える


ここまでは生理学的な視点での持久力トレーニングの話ですが、今回の主題は動作レベルでの持久力トレーニングの弊害に関してです。



持久走のような持久力トレーニングはスプリントやアジリティに悪影響なアトラクターを形成するのではないか?

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