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サッカー選手のスプリント速度の基準とスプリントトレーニングの設定 〜30mスプリントのタイムから考える〜

サッカー選手にスプリント能力が重要であることはPITTOCK ROOMでも何度も触れてきているテーマです。
「スプリント能力が高い」とは、スプリントを高回数繰り返すことができることを指す場合もあれば、スプリント速度が高いことを指す場合もあります。

サッカー選手が試合中にどれほどの速度のスプリントを実行するのか数値で示してみると、どうやら世界トップレベルの選手は34km/hを超える数値を出すことがあるようです。(記事の信憑性は疑問がありますが、最高値であればこれだけ出ていてもおかしくないので取り上げました。)

実際にGPSで試合中のスプリント速度を測定してみると、大学生以上の年代では、30〜31km/h代の数値を出す選手は珍しくありません。32km/hとなると限られてくる印象です。


・・・・追記 2020.7.29・・・・

今季のプレミアリーグではトラオレ選手が37.78km/hでスプリントしたようです。
5位までの選手は皆37km/h超え!

・・・・・・・・・・・・


では実際サッカー選手はどれほどの速度でスプリントする能力を持っているのでしょうか。

またその速度を引き出すためにはどのようなスプリントトレーニングの設定が必要でしょうか。



■サッカー選手の20mスプリントのタイム

サッカー選手のスプリント速度を知るためにまずは20mスプリントのタイムを見てみます。


①U18日本代表の20mスプリントのタイム

JFAのHPのフィジカルフィットネスプロジェクトのページでは、アスリートチェック結果としてU16〜U18の世代別代表の体格・身体素性のデータとパフォーマンステストの結果が載っています(ぜひもう少し数を増やしてもらいたいです!)

2019年のU18日本代表のスプリントタイムを見てみると以下の記録が記されています。

10mの平均タイム:1.84±0.08 (1.71~1.95)
20mの平均タイム:3.08±0.11 (2.93~3.28)

10m             
GK:1.78 
DF:1.78±0.06(1.71~1.86)
MF:1.89±0.07(1.80~1.95) 
FW:1.87±0.07(1.81~1.94)

20m
GK:3.10
DF:3.00±0.06(2.93~3.11)
MF:3.14±0.13(2.98~3.28)
FW:3.12±0.09(3.06~3.22)

※ ±は標準偏差 ( )は各対象者の記録の範囲

この結果からU18年代の日本トップレベルの選手の20mスプリントでは、速い選手は3秒を切り平均でも3.1秒前後の記録を出していると読み取れます。



②J1リーガー含む、小学生〜プロ選手の各年代の20mスプリントのタイム

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