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GPSデータの解釈とトレーニングへの活用方法

GPSデバイスを使用してサッカーの試合や練習時のデータを測定することは、今や珍しいことではなく、学生・アマチュアレベルでも導入されているところは多くなってきています。

現在日本で使用されている中で、有名どころとしてカタパルト、STATSports、Knowsなどがあげられます。


今回はこれらGPSを使用することで測定できるデータとデータの解釈、そのデータのトレーニングでの活用に関して書いていきます。


■GPSで測定できること

現場で使用されるGPSデバイスでは主に以下の数値を測定することができます。

①走行距離
②速度
③加速度

④心拍数


メーカーにもよりますが、具体的なものとしては以下の項目が一般的です。

①走行距離 
 ・総走行距離

 ・ある速度での走行距離
 ・ある心拍数での走行距離

②速度
 ・走行速度
  (最大スプリント速度)
 ・ある走行速度での移動回数
  (高強度ランニング、スプリントの回数)

③加速度
 ・加速、減速の大きさ
 ・加速、減速の回数

④心拍数(メーカーによって測定できないものもあり)
 ・最大心拍数
 ・平均心拍数
 ・ある心拍数での走行距離や時間

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特に以下の項目はトレーニングへ反映させるために重要度の高い項目であると考えています。

●スプリント
・最大スプリント速度
・スプリント走行距離、割合
・スプリント回数

●中~高強度ランニング
・中~高強度ランニング走行距離、割合

●加速・減速

・加速度の大きさ
・加速、減速の回数

●心拍数
・最大心拍数
・平均心拍数

上記はトレーニングや試合の負荷や強度に大きく関わる項目です。

上記の数値を中心にしながら、他の項目との関係性や実際に目で見た印象とを比べながら活用していくのが現在僕が使用している中での基本的なGPSの使い方です。



■GPSのトレーニングへの活用

GPSを使用するにあたって最も重要で最も難しいのが算出されたデータの解釈と活用方法です。

スプリント速度や高強度ランの割合が数値値として出されても、そのデータの基準値がわからなければ比較・検証ができませんし、そのデータが基準値よりもいい数値だとしてもサッカーの試合や人の体の反応(トレーニング効果)との関係性が掴めなければその意味を解釈することができません。

また最も重要なことはデータの意味を解釈した後にそのデータをもとにトレーニングプログラムを考え実行することですので、データをどのようにトレーニングに活用するか、というところまで必要になります。

つまりGPSを活用する際には、大きく分けて以下の1~3までのサイクルをセットにして初めて有効的な使い方になるということです。

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せっかくGPSを導入しても「1. データの収集」で終わってしまう場合も多いようで、走行距離やスプリント回数を測定しても

「今日はたくさん走れていた。スプリントも多くてよかった」

で終わってしまうともったいないですよね?


そうならないためにはGPSデータがどのようなことに活用できるのか、そのときにはどの数値を見ればいいのか、を知っておくことが重要です。

今回の記事では数値の詳細まで紹介することはしませんが、GPSデータを使ってできることとして以下の5つの使用方法を紹介します。

①試合と練習の数値を比較してトレーニングを検証する
②トレーニング負荷の波・種類を検証する
③同じトレーニングを異なる日で比較する
④異なるトレーニング間で比較する
⑤サッカー中のフィットネスデータを可視化して選手の成長を検証する



①試合と練習の数値を比較してトレーニングを検証する

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