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イスラエルのガザ侵攻は、慶大入試小論文にどのような影響を与えるか?(2024年7月)

世界に衝撃を与えたイスラエルのガザ侵攻。

これは確実に慶大の入試小論文にも影響を与えます

それは一体どのようなものか?

私が大学受験界(?)の先頭を切って、最速でお伝えしましょう。

受験生の皆さんは、ぜひ参考にして下さい!


イスラエルやガザが関係あるの? と思っている慶大志望者の皆さん。

2007年に慶大文学部の一般入試小論文で取り上げられているんですよ!

戦争や紛争にテーマ広げるなら、文だけでなく法学部でも出題あります。

総合政策学部の出題でも取りあげられています。


ただ、昨年にとりあげたロシアのウクライナ侵攻よりも

イスラエルのガザ侵攻は小論文への影響度は小さいです。

むしろ多大な影響あるのは入試世界史でしょう。

今年も〝イギリスの三枚舌外交〟が取り上げられるのは確実です。

(後で説明しますが、このテーマ小論文に使う際は要注意!)

でも小論文では扱いが難しくなるのは後ほど説明します。

しかも、ハマス軍事部門のトップが亡くなったとの報道もあり

個人的には停戦が近いんじゃないかと思ってます。


  <パレスチナ問題の基礎知識>

イスラエル:第二次世界大戦後、ユダヤ人が各国から集まり独立

中東戦争:イスラエル建国時から四度にわたるイスラエルvsアラブの戦争

パレスチナ:現在のイスラエルに長年住んでいたアラブ系民族または居住地

ヨルダン川西岸地区:中東戦争の後にパレスチナ人が居住している地区

ガザ地区:こちらもパレスチナ人が居住する地区で、ハマスが実効支配

ハマス:2007年からガザ地区を実効支配、社会奉仕部門と軍事部門がある。


・・・さて、なぜイスラエルがガザ地区に侵攻したのか、

メディア記事を時系列に追ってみてみましょう。



【ニューヨーク=佐藤璃子】国連の専門家チームは4日、イスラム組織ハマスが2023年10月のイスラエル奇襲時にレイプなどの性暴力に及んでいた可能性があると指摘する報告書を公表した。音楽祭があった会場などを含めた少なくとも3カ所で、性暴力の「信じるに足る合理的根拠」があったと記した。 国連の専門家チームは1月29日から2月14日にかけてイスラエルを訪問し、調査を実施した。報告...
・・・(以下略)・・・

日本経済新聞

発端はこのハマス側からのテロ攻撃です。

これは人道上も許されないことで、国際機関も非難してます。

イスラエルへの憎しみが募っていたのでしょうが、正当化はできません。



 【エルサレム=福島利之】イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は5日、エルサレムで開かれたホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の式典で演説し、「いかなる圧力も国際法廷の決定もイスラエルの自衛を止められない」と述べ、パレスチナ自治区ガザでの戦闘を続行する考えを示した
 ネタニヤフ氏は昨年10月のイスラム主義組織ハマスの奇襲を「ホロコーストでない」としながらも、「ハマスの人殺したちは全く同じことをするよう指示されている」と言及した。
・・・(中略)・・・
 ナチス・ドイツは第2次世界大戦が終わるまでに約600万人のユダヤ人を虐殺したとされる。ネタニヤフ氏の発言は、自衛を理由に戦闘継続を強調したものだが、ホロコーストをガザの戦闘に重ねるのは「歴史的な文脈が違う」との指摘が国内外から出ている

読売新聞

イスラエルとしては自衛戦争と称してます。

自衛戦争と言うには軍事力が圧倒的すぎて(イスラエル軍が10倍以上)

テロへの報復やハマス軍事部門の壊滅ねらってるように見えますが・・・



 イスラエルのエルダン国連大使は10日、国連総会の壇上でパレスチナの加盟を支持する決議案に反対する意思を示すため、小型のシュレッダーを使って国連憲章を細断した。国連の基本文書である国連憲章は、「国際の平和と安全を維持する」など設立の理念や加盟国の権利などを定めている。
 エルダン氏は決議案の投票に先駆けた演説で、各国の大使らに向かって「あなたたちは現代のナチズムに国連を開放した」「(イスラム組織)ハマスによる将来のテロ国家に特権を与えようとしている」などと批判した。最後に携帯用のシュレッダーを持ち出して国連憲章の表紙を切り刻むと、「恥を知れ」と吐き捨てるように言って壇上を後にした。
 国連のハク副報道官は同日、加盟国大使による個別の言動にはコメントしないとしつつ、「今も昔も加盟国による芝居がかったプレゼンテーションはあった」と言及。
・・・(中略)・・・
 国連総会は同日、パレスチナの国連加盟を支持し、安全保障理事会に再検討を求める決議案を採択した。日本を含む143カ国が賛成し、反対は米国やイスラエルなど9カ国にとどまった。【ニューヨーク八田浩輔】

毎日新聞

国連総会ではイスラエル大使も強硬です。

パレスチナの国連加盟決議に抗議の意をしめすため

国連憲章をシュレッダーにかけるという・・・



 パレスチナ自治区ガザ地区の保健当局は12日、イスラエル軍との戦闘による死者が3万5000人を超えたと発表した。ロイター通信などが報じた。ほかに、がれきに埋まったままの行方不明者も1万人以上に上るとされる。
・・・(中略)・・・
 保健当局の発表では、12日時点の死者数は少なくとも3万5034人で、うちおよそ4割にあたる約1万5000人が子供だという。負傷者は7万8755人。ガザ地区の人口約230万人のうち、およそ18人に1人が死傷したか、行方不明になった計算だ。
 人道危機も深刻化している。イスラエル軍は11日、ラファ東部と北部ジャバリア難民キャンプに対し、新たな退避勧告を出し、軍事作戦を拡大。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)によると、これまでに推計約30万人がラファから退避を強いられた。
 こうした中、イスラエル軍は12日、人道支援物資の搬入を増やすため、ガザ北部との境界で新たに検問所を開通させたと発表した。だが、エジプトとの境界にある南部のラファ検問所はイスラエル軍が制圧してから閉鎖が続いており、物資不足が解消する見通しは立っていない。【カイロ金子淳】

毎日新聞

イスラエル軍の攻撃は民間人ふくめ見境ありません。

徹底的にハマスの軍事部門に打撃をあたえようとしてます。

批判する国際世論もまったく意に介してません。



 【カイロ時事】パレスチナ自治区ガザで食料支援を行っていた国際NGO「ワールド・セントラル・キッチン(WCK)」の職員7人がイスラエル軍の空爆で死亡した事件について、ハレビ軍参謀総長は2日、「(対象を)誤認したことによる間違いだった。WCK職員への意図しない攻撃を申し訳なく思う」と述べ、謝罪した。
 ハレビ氏は動画を公開し、「人道支援に従事する人々を守るためにより多くのことがなされるよう、即座に行動を起こす」と再発防止を誓った。発生から間もない段階で誤爆を認め責任者が謝罪することで、国際的批判を和らげる狙いとみられる
 国連によると、昨年10月のガザでの衝突発生以降、今回を含め少なくとも196人の援助関係者が死亡。イスラム組織ハマスは、物資の配給場所を標的にしているとしてイスラエルを非難している。
 事件を受け、WCKはガザでの活動を中断すると発表。ガザでは既に北部を中心に食料難が深刻化しており、今後、同様の支援中止の動きが拡大すれば、人道状況の一層の悪化は避けられない。
 誤爆に対しては、国際社会から非難する声が相次いでいる。
・・・(中略)・・・
 グテレス国連事務総長も「常識外れ」の出来事だとし、「即座に人道的停戦を行う必要性を改めて示した」と強調した。

時事通信

現地で活動する国連機関やNGOにも犠牲者が出ています。

ちなみにこのセントラルキッチン、今年1月の能登の震災のとき

はるばるワシントンから真っ先にかけつけて下さったすばらしい組織です。



 【イスタンブール時事】サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は18日の記者会見で、イスラム組織ハマスの軍事部門「カッサム旅団」ナンバー2のマルワン・イーサ氏がイスラエルの軍事作戦で死亡したことを明らかにした。
 イーサ氏は昨年10月7日のハマスによるイスラエル奇襲を主導した一人とされる。ハマスとイスラエルの戦闘開始以降、イスラエルが殺害した最も高位のハマス幹部となる。
 イスラエル軍は今月9日から10日にかけて、パレスチナ自治区ガザの中部ヌセイラトにある難民キャンプの地下施設を空爆。イーサ氏が他のハマス司令官らと共に潜伏していたとみられ、イスラエル軍は同氏が死亡した可能性もあるとみて生死の確認を進めていた。

時事通信

イスラエル軍が無差別に近い攻撃をおこなう一因は、ハマス側の戦術です。

難民キャンプに司令官が潜伏しているというのはとんでもないことで、

一般市民を盾にして隠れていれば一般市民にも被害がでます。



 【イスタンブール時事】中東イスラム諸国の多くで11日、イスラム暦のラマダン(断食月)が始まった。
 イスラム教徒にとって預言者ムハンマドが神の啓示を受けた最も神聖な月で、信仰心が高まる。パレスチナ自治区ガザではイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘休止が実現せず、軍事作戦を続けるイスラエルや同国を支持する米国への反発から、中東各地で緊張が増す恐れがある
 ロイター通信によると、ガザ休戦交渉を仲介するエジプトは10日も協議再開を模索。ただ、イスラエルとハマスの隔たりは大きく、進展は得られていないもようだ。
・・・(中略)・・・
 中東の衛星テレビ局アルジャジーラによれば、ハマスの最高指導者ハニヤ氏は10日、「占領軍(イスラエル)が戦闘をやめるという確約がない。合意に達しない責任は敵側にある」とイスラエルを非難した。

時事通信

いっぽうイスラム諸国はガザ側に同情的です。

パレスチナ問題には、宗教対立の側面もあるのです。

パレスチナ自治政府はハマスも批判していますが、これは例外的です。

(ハマスはガザ地区を実効支配してきたが、パレスチナ人の代表ではない)



 パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘を巡り、ハマスは6日、提示されたイスラエルとの休戦案を受け入れると発表した。イスラエルは6日、ガザ地区最南部ラファで「限定的な範囲」の軍事作戦を行うとして住民の一部に退避勧告を出し、圧力を強めていた。今後はイスラエル側と早期に合意文書を締結できるかが焦点となる。
 声明によると、ハマス政治部門の指導者ハニヤ氏は6日、仲介国カタールのムハンマド首相兼外相やエジプトの情報機関トップと電話協議し、提示された休戦案を承諾すると伝えた。
・・・(中略)・・・
 交渉中の休戦案は、休戦期間中にハマスが人質を解放し、恒久的な停戦についても協議を始めるとの内容。これに対し、ハマスはイスラエルが休戦後に戦闘を再開しないよう、米国などが保証することを求めていたとされ、交渉は難航していた。イスラエルが6日、ラファの住民に退避勧告を出し、侵攻が現実味を帯びたことで、ハマスが態度を一転させた形だ。【カイロ金子淳】

毎日新聞

パレスチナ問題は本当に解決が難しい。

イスラエル側がこれだけ強硬な姿勢を崩さないのは、

けっきょく軍事的圧力でないと相手が妥協しないからでもあります。



 イスラエル軍のハガリ報道官は4日、パレスチナ自治区ガザ地区で人道支援などを実施する国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の職員450人以上がイスラム組織ハマスなどの戦闘員だったと述べた。軍の諜報(ちょうほう)情報などに基づく分析だという。
 軍は4日、新たにUNRWAが運営する小学校の教師とカウンセラーの2人について会話の録音を公開。録音によると、2人はハマスによる昨年10月7日のイスラエルへの攻撃に参加しており、教師はイスラエルで女性を1人拉致したことを明かし、女性を「奴隷」や「所有物」を意味するアラビア語で表現していた。
・・・(中略)・・・
 ハガリ氏は、国際社会が人道支援目的でUNRWAに拠出している資金は、「大量殺人者に渡っている」と改めて非難した。
 UNRWAはガザで人道支援のほか、教育や医療を提供しており、約1万3000人の職員を雇用している。10月7日の攻撃には、UNRWA職員十数人が関与したとされており、米国や日本などはUNRWAへの資金拠出を一時停止。現在、国連の特別チームがUNRWAの調査を実施している。【エルサレム三木幸治】

毎日新聞

今回、衝撃的だったのは国連機関やNGO職員のなかに

テロ攻撃を行ったハマスの支援者が大勢いたとされることです。

これはイスラエル側の発表なので割り引いて考える必要ありますが。

国連機関もNGOも現地でパレスチナ人を雇っているので

この疑惑はこれからもくすぶり続けるでしょうね・・



 【ニューヨーク時事】バイデン米政権は20日、パレスチナ自治区ガザでの「人道的な即時停戦」を求める国連安全保障理事会の決議案に拒否権を発動した。
 全15理事国のうち、反対したのは米国のみ。日本など13カ国は賛成し、英国は棄権した。ロシアのウクライナ侵攻開始から2年を迎えるのを前に、対ロシアで結束を呼び掛ける立場にありながら、ガザ情勢を巡る米国の孤立が鮮明となった
 イスラエルとイスラム組織ハマスが昨年10月に衝突して以来、安保理で米国が関連決議案に拒否権を行使したのは、修正案に対する発動を含めて4回目。イスラエル軍がガザ最南部ラファへ地上戦を準備する中での米の拒否権行使に、フランスやスイス、スロベニアなど欧州の理事国からも「遺憾」や「失望」の声が上がった
 中国の張軍国連大使は、米国が「虐殺の継続に青信号を出している」として「強い不満」を表明。ロシアのネベンジャ国連大使も米国が「安保理に新たな暗黒の歴史を刻んだ」と皮肉った。
 トーマスグリーンフィールド米国連大使は、現時点での決議案採択は、人質解放や戦闘休止に向けた外交交渉に「悪影響を及ぼす」と拒否権発動を正当化した。一方で「実現可能になり次第の一時的な停戦を支持」と明記した独自の決議案を各理事国に配布。採択を目指す意向を示した。
 米国はこれまで「停戦」という文言を含む決議案には一貫して反対してきたが、今回条件付きながらも自ら初めて盛り込んだ。
・・・(中略)・・・
 ある外交筋は「米国には相当なプレッシャーがかかっている」と話した。

時事通信

アメリカがイスラエル寄りなのは有名な話です。

国連で孤立してもイスラエルを庇っています。

ウクライナ侵攻のときとまるっきり逆ですね・・・



 米上院民主党トップのシューマー院内総務は14日、上院議場での演説で、パレスチナ自治区ガザ地区への対応に関してイスラエルのネタニヤフ首相を非難し、新たに総選挙を実施するよう呼び掛けた。ネタニヤフ政権を中東和平の「障害」と評するなど、事実上政権交代を求めたと受け止められる発言だ。共和党からは「明らかに間違っている」(ジョンソン下院議長)などと批判が上がった。
 シューマー氏は、民主党の上院議員らを束ねてバイデン政権を支える重鎮。ユダヤ系として最高位の議員で、イスラム組織ハマスが昨年10月にイスラエルに大規模な攻撃をした際は数日後に現地入りするなど、イスラエルを強く支持してきた。しかし、バイデン政権側には、ガザ地区での民間人被害を抑え、人道危機を回避するようネタニヤフ政権に繰り返し求めているにもかかわらず、一向に応じないことへの不満が高まっている。
 演説でシューマー氏は、ネタニヤフ氏について「イスラエルの最善の国益よりも自身の政治的な延命を優先させたことにより、道を踏み外した」と指摘。極右勢力と連立を組み、ガザでの民間人の大きな犠牲を受け入れたことで「イスラエルに対する国際社会の支持を歴史的な低さにした」などと強く批判した。
・・・(中略)・・・
 しかし、同盟国に対する内政干渉とも受け取れる発言に共和党側からは批判が上がった。共和党上院トップのマコネル院内総務は同じ議場で「民主的に選ばれたイスラエルの指導者に退陣を求めるのは、自国の民主主義に対する外国の干渉に過敏に反応する米国人としてはグロテスクで偽善的だ」と批判。複数の米メディアによると、ジョンソン氏も記者団に対し、新たに選挙を実施するよう求めることは「極めて不適切」などと語った。【ワシントン西田進一郎】

毎日新聞

とはいえアメリカ政界でもイスラエルの無差別攻撃に懸念が広がってます。

今回のガザ侵攻がいかに異例の事態であるかがわかります。



【ニューヨーク=清水石珠実】パレスチナ自治区ガザで攻撃を続けるイスラエルに対する抗議活動が全米に広がっている。18日には、米名門校コロンビア大学で抗議活動を実施していた学生ら100人以上が逮捕された。対イスラエルの姿勢を巡ってバイデン政権に対する不満も強まっており、11月の大統領選に影響を与える可能性がある。
 米メディアによると、米東部ニューヨーク市の警察が18日、コロンビア大学で抗議活動を繰り...
・・・(いか略)・・・

日本経済新聞

アメリカの大学ではイスラエルに対する抗議が広がっています。

ガザ地区での一般市民の被害が拡大して、義憤に駆られたのでしょう。



【エルサレム=共同】イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃に反対する全米各地の大学でのデモに、ガザ北部の子どもたちが学校から感謝を伝える動画が1日、SNS(交流サイト)に投稿された。子どもたちはカリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)やニューヨークのコロンビア大など大学名が書かれたプラカードを掲げ「シュクラン(ありがとう)」と声を上げた。 動画の冒頭、少女は「米国の学生が私たちと連帯してくれているのを見て、とてもうれしい」と語った。
・・・(以下略)・・・

日本経済新聞

今やSNS時代。ガザの子供たちはデモを行ってくれた

大学生たちアメリカの人々に感謝を伝えています。



【ニューヨーク=朝田賢治】米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は2日、米国各地の大学で反イスラエル抗議活動が激化している背景に、中国やロシアの情報機関による世論分断工作があるとの分析記事を掲載した。過激化するデモへの取り締まりを批判する投稿や動画をSNS(交流サイト)で拡散することで、大統領選を前に世論の対立を深める意図があるとしている。
 同紙が複数の米国内の研究機関の分析結果として報じた。中国...
・・・(以下略)・・・

日本経済新聞

ただ善意とばかり考えていられなないのが現実の国際社会。

ロシアや中国にはインターネットで世論工作を行う公的組織があります。

自国を有利にする、民主主義国を混乱させるなどの目的で

オンラインで工作活動を行っているとされ、油断も隙もありません・・



 [New門]は、旬のニュースを記者が解き明かすコーナーです。今回のテーマは「イスラエル・ロビー」。
 イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム主義組織ハマスとの戦闘で、米国はイスラエルを支持する立場を鮮明にしてきた。背後にはユダヤ系米国人らの「イスラエル・ロビー」の力が存在する。米国で少数派でありながらなぜ絶大な影響力を持つのか。

ハリウッドや投資会社、巨大ITも
 米国の非営利団体「米イスラエル協力事業」によると米国内のユダヤ人の人口は、イスラエル(ユダヤ人口約720万人)よりも多く世界最多だ。しかし、米国内の2%(約750万人)程度にすぎない
 米国へのユダヤ人移住が進んだのは19世紀後半からだ。欧州の一部でユダヤ人に対する迫害が起きたことがきっかけで、1920年代までに200万人が渡米した。
 30年代のナチス・ドイツの台頭を受け、ユダヤ人の渡米が加速した。相対性理論で知られる物理学者アルバート・アインシュタインや米国務長官を務めたヘンリー・キッシンジャーも含まれる。
 渡米したユダヤ人は、映画産業の核となるハリウッドや、ゴールドマン・サックスなどの金融・投資会社、NBCやCBSなどのテレビ局を設立し、米国の政治や経済、マスメディアへの影響力を拡大していった。グーグル、メタ(旧フェイスブック)など巨大IT企業の創業者もユダヤ系だ。

豊富な資金力と組織力 選挙を左右
 イスラエルのロビイストは、文字通り議会のロビーを歩き回り、議員に直接働きかけを行っている。豊かな資金力と全米にネットワークを張り巡らせた組織力で選挙情勢も左右する。各議員の活動をチェックし、イスラエルの利益に反する行動をとれば献金をやめると言われる。
 米国の政治学者ジョン・ミアシャイマー氏は「主要な報道機関にもロビーの影響は大きく、イスラエルにとって都合の悪い内容を排除し、イスラエルを支持する内容を掲載する傾向が強い」と指摘する。
 米国に多数あるイスラエル・ロビー団体の中で代表的な「イスラエル広報委員会(AIPAC、本部ワシントン)」は、財界有力者らの会員が300万人以上。17か所に地域事務所を置く。年間予算額は1億ドル(約150億円)以上で政界への影響力は全米ライフル協会を上回ると言われる。
・・・(中略)・・・
 2022年の米中間選挙では、親イスラエルでない候補者を落選させるため2600万ドル(約40億円)を費やしたとされる。 政界にユダヤ系議員も多く、上院議員の1割近くに上る。閣僚や高官にも多く登用されてきた。バイデン政権でもブリンケン国務長官やイエレン財務長官らがそうだ。

「第2の外務省」
 AIPACは、ユダヤ人によるヨルダン川西岸の占領地への入植活動やガザへの武力行使などイスラエルにとって有利な動きを促進するため、米連邦議会に強く働きかけることを任務としている。イスラエルの「第2の外務省」と言われる。
・・・(中略)・・・
 AIPACなどの働きかけで米国によるイスラエルへの援助額は年間40億ドル(約6000億円)近くに上り、対外援助国としては最大だ。
 ミアシャイマー氏は「AIPACは最も強力なロビー組織だ。政治家たちは、イスラエルに圧力をかければロビーによって落選など政治的代償を余儀なくされかねないことを十分理解している」と語った。

読売新聞

なぜアメリカはイスラエルびいきなのか。

その第一の理由として挙げられるのが〝イスラエル(ユダヤ)・ロビー〟。

政財界の要人にユダヤ系の人物が多く、献金額も大きい。

いくら大学生がデモをしてもこの構造はなかなか揺らぎません。



 【ニューヨーク=小林泰裕】米スターバックスが30日に発表した2024年1~3月期決算は、売上高が前年同期比2%減の85億6300万ドル(約1・4兆円)となり、20年10~12月期以来、約3年ぶりの減収となった。最終利益は15%減の7億7240万ドル(約1200億円)だった。中東地域で起きた不買運動や、主要市場の北米での節約志向の高まりが重荷となった。
 地域別では、海外地域の売上高が5%減となった。スターバックスはパレスチナ自治区ガザを巡る紛争でイスラエルを支援している企業と見なされ、中東地域で不買運動が広がっている。
 北米の売上高はほぼ横ばいだったが、既存店の売上高は3%減となった。米国では、米連邦準備制度理事会(FRB)が目標とする2%を上回る物価上昇率が続き、政策金利も5・25~5・50%と高い水準にある。
・・・(中略)・・・
 一方、米マクドナルドが30日発表した24年1~3月期決算は売上高が5%増の61億6900万ドル(約9700億円)、最終利益が7%増の19億2900万ドル(約3000億円)だった。ただ、スターバックス同様、不買運動が影響し、中東を含む地域の既存店売上高は0・2%減少した

読売新聞

他方、イスラエル寄りとみられているアメリカ企業はバッシングされます。

企業活動にも少なからず影響を与えているのです。



【ワシントン=飛田臨太郎】バイデン米大統領は7日、ユダヤ人の大虐殺(ホロコースト)の犠牲者を追悼する式典で演説した。「反ユダヤ主義や暴力の脅しの場は、米国のいかなるキャンパスにも、いかなる場所にも存在しない」と訴え、イスラエルに寄り添う姿勢を鮮明にした
 2023年10月7日のイスラム組織ハマスのイスラエルへの奇襲攻撃を巡り「テロリスト集団ハマスが、ホロコースト以来のユダヤ人大虐殺を引き起こした...
・・・(以下略)・・・

日本経済新聞

ただアメリカ政府のイスラエル寄りの立場は変わりません。

イスラエル批判を〝反ユダヤ主義〟として牽制しています。



 イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区の最南部ラファへの侵攻を巡り、事実上の同盟関係にある米国とイスラエルの亀裂が深まっている。バイデン米大統領が8日、兵器供与の停止に言及しながら侵攻断念を迫ったことに対し、イスラエル側は強く反発。ネタニヤフ首相は「単独でも戦う用意がある」と述べるなど、戦闘の先行きは見通せない。
・・・(中略)・・・
 イスラエル軍のハガリ報道官も「ラファでの作戦に必要な弾薬は確保できている」とし、米国の支援なしでも侵攻が可能だと強調した。
 米国とイスラエルは長年緊密な関係にある。1948年にイスラエルが建国を宣言すると、米国は11分後に世界で初めて承認した。冷戦期は、ソ連とアラブ諸国の接近に対抗するため、米国は民主主義を掲げるイスラエルへの支援を本格化。79年にイランがイスラム革命を機に反米姿勢になると、米国のイスラエルへの支援はさらに強化された。
 米国内では「イスラエル・ロビー」が活発に活動するほか、米国民の4分の1を占めるとされるキリスト教福音派も親イスラエルで、ユダヤ系の政治的な影響力は大きい。
 イスラエルにとっても米国は極めて重要な後ろ盾だ。ストックホルム国際平和研究所によると、イスラエルが2019~23年に外国から調達した武器の7割が米国製だった。米国は国連安全保障理事会でも、イスラエルの国際法違反を非難する決議案に常に拒否権を発動し、イスラエルを擁護してきた。
 ただラファへの侵攻を巡っては、両国とも簡単には妥協できない事情がある。米国内ではガザ地区の人道状況の悪化に伴い、批判の矛先はバイデン政権にも向いている。11月に大統領選を控えるバイデン氏にとっては、さらに多くの市民が犠牲になりかねないラファへの大規模侵攻は許容できず、ネタニヤフ氏の説得を再三試みてきた。
 イスラエルでは、ネタニヤフ氏率いる連立政権に極右政党が入っており、イスラム組織ハマスとの戦闘を継続しない限り、連立を離脱すると示唆している。昨年10月にハマスの越境攻撃を招いたことに対するネタニヤフ氏への批判も強く、戦闘を継続することで政権を維持している側面がある。
・・・(中略)・・・
 「イスラエルの安全保障からは手を引かないが、人口密集地で戦争を行う能力は断つ」。バイデン氏は8日のインタビューで、ラファに侵攻した際の対応についてこう明言した。米国の不満が頂点に達しつつある中、イスラエルの対応が今後の焦点となる。【ワシントン松井聡、エルサレム松岡大地】

毎日新聞

ただもちろん、あまりに民間人の犠牲が多すぎる。

アメリカ政府も兵器の供与停止をちらつかせてイスラエルを牽制してます。

ただし大人しく自制するイスラエルではないので・・

けっきょく第一次中東戦争の図式が変わっていないんですよね。



・・・(前略)・・・
パレスチナ統治に困難を覚えたイギリス政府は、1947年2月18日にパレスチナ統治問題を国際連合に依頼すると発表した。国連での討議においてアメリカ合衆国ソビエト連邦アラブ人とユダヤ人の分割統治を推したため、11月29日に国連決議181号としてパレスチナ分割決議が決議された。

これはパレスチナをアラブ人地域、ユダヤ人地域、国連統治地域(エルサレム周辺)に三分割するものであった。当時のパレスチナ地域には既にユダヤ人が相当数おり国連は地域ごとの人口比や土地の利用法など様々な考慮を行い配分した。しかし結果的には193万人の人口のうち1/3のユダヤ人に56%の土地を与えるという、面積的にみれば不公平な形となった。補足として1945年3月31日時点でのユダヤ人の占有地は6%であり、イギリスの管理地を双方に分け与えた形になったが、このユダヤ人の建国を認める決議にアラブ連盟国およびアラブ人は一斉に反発した

採択の翌日より、パレスチナは事実上内戦状態となった。決議に反発したアラブ人による襲撃・焼き討ちなどが行われ、ユダヤ人も応戦を余儀なくされた。イギリス軍はもはや治安維持能力が無く、内戦状態は放置された。
・・・(中略)・・・
1948年3月頃よりアラブ人部隊はエルサレムを包囲し、ユダヤ人の輸送トラックを襲撃するようになった。このためアラブ人部隊とユダヤ人部隊の衝突は続き、デイル・ヤシーン事件ハダサー医療従事者虐殺事件などの双方による虐殺事件も起きた。特にデイル・ヤシーン事件は当地在住のアラブ人に大きな恐怖感を与え、パレスチナからの脱出・難民の発生が始まった。

1948年5月15日の正式な戦争以前からすでにパレスチナは周囲のアラブ連盟の介入を招いており、パレスチナ内戦状態は5月15日を跨いでそのまま戦争へ突入した。またアラブ連盟各国は5月15日の侵攻に合わせて国境に兵士を配備するなど戦争準備を始めていった。
・・・(後略)・・・

Wikipedia

国際社会が介入して何とか停戦に持ち込もうとしても互いに妥協しない。

けっきょくは軍事的手段で決着つけることになるという悲しい歴史です。



慶大入試小論文、ガザ侵攻に関連する過去問の数々

慶大入試小論文では、ガザ侵攻に関連する過去問たくさんあります。

文学部:2007年に戦争と文学、2018年に自由と暴力について出題

法学部:2011年に戦争と外交、2022年に戦争と正義について出題

総合政策学部:2019年に国際紛争について取りあげている

環境情報学部:2014年に国家間の対立について取りあげている

経済学部:アジアの歴史問題について90年代後半に出題している


これら5学部、ガザ侵攻に関連する過去問あります。

なかでも文学部と法学部は分かりやすいでしょう。

受験者の皆さんは、どのような出題だったと思いますか?

どのような出題テーマと関連するか、分かりますか?

   ↓

   ↓ (さあ、考えてみよう)

   ↓

   ↓

   ↓ (解説はこの下に・・・)

   ↓

   ↓

   ↓

   ↓

   ↓

【答え】

文学部:パレスチナでの犠牲者にとって文学に価値はあるのか、との問い

 > 2007年に出題されている

法学部:古代ギリシャのアテナイ(アテネ)の覇権主義的行動を論じる

 > 2011年に出題されている

総合政策学部:難民問題や地域の不安定性について

 > 2019年に出題されている


ガザ問題関連が直接的に出題される可能性あるのはこの三学部です。

経済学部もこうした問題を出題に絡めて出してくる可能性あります。

環境情報の場合は最新技術の軍事転用に触れる可能性あります。


・・このように学部によっていろいろ出題や切り口ちがうわけです。

えっ?

 「それぞれどんな感じで出題されるか」

を知りたいですか?


・・だいたい想定できますが、世に出すのはもう少し後です。

本番の慶大一般入試(2月)の前に順次リリースします。 (^^) b

いましばらくお待ちくださいね。 <__>

それまではこちらを参考まで。

   ↓      ↓


なお、昨年度はこのような結果でした。

   ↓      ↓


志望者の皆さん、いよいよ慶大模試が近づいてきます。

この暑い夏も、一歩一歩合格に向けて近づく日々を送りましょう。

私も皆さんを応援してますよ!



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