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【読了】 新人世の「資本論」

最近人気の斎藤幸平先生の本を読み終えました。

多くの取り組みは「免罪符」

斎藤先生は厳しかった。エコバックやマイボトルを持っているだけでは、環境問題なんて解決できない。まして、国連が掲げている持続可能な開発目標SDGsさえも問題解決にはつながらないそう。

これらの取り組みは「自分はきっといいことをしている」という免罪符でしかない。なぜなら、資本主義が存在する限り、地球環境は悪化していき、気候変動によってコロナ禍よりも危機的状況になる恐れがあるからだ。

もちろん、地球環境が悪化するだけでなく、資本主義下で格差は拡大し続けているし、幸福度も上がっていない。

また、先進国の発展は途上国の資源と安価な人材の搾取によって成り立っており、資本主義がそれをさらに推し進めている。

一つの解決策は脱成長コミュニズム

では、どうすればいいのか。斎藤先生が示す一つの解決策は脱成長コミュニズムというものだ。

成長ばかり求めるのを辞め、使用価値のないものは省いていき、生活に不可欠な水や農地は共同管理しようというもの。

これが実現すると、使用価値を生まないような広告やマーケティングは世の中からなくなることだろう。さらに、農産物や服は地産地消が推奨されることで環境への負荷は大幅に削減されるはずだ。

もちろん、この脱成長コミュニズムだけが唯一の解決策ではない。ただ、資本主義から脱却することなしには、問題解決はできない。そこで、私たちの想像力が問われている。

市民運動の必要性

これを実現するためにはどうすればいいのか。私たちにできることは社会の変革を求める市民運動が挙げられる。

もちろん、政府が環境の負荷を減らすために資本主義を辞めることは理論上可能だが、基本的には国民が声を上げることなしに社会は変わらない。

私たちにとって当たり前の社会は本当に「健康」なのか。企業が多くの広告に資金をつぎ込み、消費者にどんどん新しいものを買ってもらおうとする仕組みは「健康」なのか。考えてみる価値はありそうだ。

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