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今も昔も変わらぬ環境問題。それでも、希望を思い描いて。

近頃はよく「なぜ環境問題に興味を持ったんですか?」と聞かれる。その度に、素直に世界を見ていた10数年前の自分を思い出してしまう。

小学生の僕が見た世界

小学生の頃から環境問題には興味があった。低学年の時からなぜか、「節電、節電」と言っていた(考えられる理由としては、お兄ちゃんが電気無駄遣いして怒られていたから笑)し、5年生の時には国語の教科書に載っていた再生可能エネルギーの話にワクワクしたのを覚えている。
卒業文集には、父がエンジニアだったこともあり、「将来の夢は環境エンジニアになる!」「便利で環境にいい社会を作りたい!」とも書いていた。
こんなこと書いていたら、兄ちゃんに「便利で環境にいい社会なんてできないよ。」なんて言われていたっけな。そんな指摘も気にせずに、自分の信じた道を歩んできたんだと思う。

小学校卒業記念に作ったオルゴール

これは、小学校の卒業記念に作った作品。左に描かれているのは、環境を破壊する悪そうな人。地球に向けて大砲を突きつけ、環境破壊をしている。右には、植林を促す善人を描いた。両方の人がいるけれども環境は破壊され続けており、地球が爆弾のようになってしまい、今にも地球の寿命が縮まってしまっている。
家族にも友だちにも「意味わからん」ってよく言われてました(笑)。

今見返すと、この2人は同じ人間だとも解釈できるかもしれない。1人の人間には、「環境を守りたい」側面と「環境を破壊してしまう」側面の両方があると思う。ただ、割合が人によって違うだけ。誰1人として完璧に生きていくことはできないと思う。
この現実を自覚した上で、社会と向き合っていかないといけないな〜って。

この作品を作った頃、「便利で環境にいい社会を作りたい」と僕は言っていた。あの時見た世界をこれまでも、これからも頭の片隅に置いて僕は生きていくんだと思う。

今も昔も変わらない問題たち

最近は特に、環境問題が注目されているためか、環境問題に関する新しい本がたくさん出ているし、国際機関からも新しい情報がたくさん出されている。このような最新の情報ばかり追っていると、「最近話題になり始めたのかな!?」と思ってしまう時がある。

そんな中、実家の部屋の本棚をあさっていると、あの頃の僕が買った日経サイエンスの雑誌が出てきた。当時は、日本語を読むのはかなり苦手だったけど、10年前にタイトルだけ見て買ったんだと思う。

別冊日経サイエンス 2010年5月出版

12年越しに読んでみると、農業に関することだと不耕起栽培について書かれていたり、牛肉消費による環境負荷についてわかりやすく書かれていた。「今も昔も議論されていることや指摘されていることは変わっていないな〜」とつくづく思う。

牛肉消費による環境負荷

今までに環境問題を研究してきた人たちはたくさんいるし、行きすぎた資本主義について言葉は違えど、長らく議論されてきたように思う。それなのに、気候変動は解決されていないし、マネー資本主義は今も変わらず信じ続けられていて、環境負荷は高まって行く一方だ。
この変わらない社会の本質にどう向き合っていけばいいのだろうか?
Z世代という言葉をよく聞くが、「若者」は世界に変革を起こせるのだろうか?と少し悲観的に考えてしまう自分がいる。

最近よく思うのが、悲観的に考えてもしょうがないし、現状や過去を批判していても何も変わらないかもしれないということだ。
(声をあげ続けることは重要だと思う。)

2050年をどう思い描くか

僕は最近、未来に関しては、再生可能エネルギーにワクワクした子どもの頃のように未来を楽観的に考えてもいいよね?と思っている。

というのも、自分が誰かに発する批判や思考は自分に返ってくると思っているからだ。そう悲観的になっているうちに、卒業記念のオルゴールに描いた「植林する善人」の心が蝕まれていくようにも思える。

環境問題の現状分析や過去の事例を勉強している僕は、「環境破壊する悪い人たち」にばかりに思考を囚われているような気がする。最近は、データや文字ばかり見るのに疲れてしまって、しまいには、風刺画を見るようになっていた。そんな時、ふと思った。
この悲観的な作品を未来に向けて、楽観的な作品に変えられないかと。
今は批判されていて、問題はあるだろうけど、子どもが思い描くような楽観的な作品を作れないかって。

Controversial Illustrations By Polish Artist Reveal The Darker Side Of Modern Society

この風刺画が現在だとして、楽観的な2050年を想像してみた。

innovation & tradition 2050

地球にタケコプターのような最新技術を取り付けて空に飛び出している。その勢いで、今まで地球を燃やしていた火は消え、地球の燃えた後には、森が再生し、大きな木が育っている。
タケコプターのようなイノベーションが必要だろうし、今まで受け継がれてきた伝統的な知恵や人間と共に生きてきた自然が大切にされている2050年。

こんな未来が来るといいなっと子どものように思い続けたい。

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