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少年ジャンプ2024年39号感想

2024年8月26日 発売
表紙:呪術廻戦
巻頭カラー:呪術廻戦
センターカラー:夜桜さんちの大作戦
センターカラー:悪祓士のキヨシくん
センターカラー:【読切】どくどく(三浦糀/松浦健人)

表紙は最終回までのカウントダウンが始まった呪術廻戦。虎杖と宿儺の対決!!!という決戦であることがわかりやすい構図で、「今の呪術がどんな状態か」が伝わるいい表紙だな~、と思います。

※ この記事ではAmazonアソシエイトを利用しています。


呪術廻戦

カラー

私はあんまり詳しくなかったんですが、フジファブリックさんのアルバムジャケットのオマージュになっているそうです。この回で教師と教え子3人の構図が来るのは感慨深い。

第4回人気投票結果発表

開催期間は2024年3月11日~4月18日。

キャラクター人気についてはあまり把握していなかったんですが、上位5位までがぶっちぎった得票数になっていてすごいな~と思いました。逆に、16位より下の順位になってくると結構落ちついた票数になるんですね。普段は順位だけ見ていて票数を見ていないのでなかなか新鮮でした。この辺は投票・集計の形式にも大きそうですね(BLEACHは段ボール投票は1票換算とかもやってたし……)。

なぜピンチャンと一緒にチェックすることになったのかはわからないんですが、高羽と羂索が楽しそうで良かったです。やったー!!(?)

第267話 人外魔境新宿決戦㊳

このエピソード込みであと5話だとすると、第271話で終わりなんでしょうか。流石に緊張してきたんですが、あと5話って普通に1ヶ月くらいありますね。ちょっと落ちついてきた。

五条、乙骨たちの回想によって、宿儺戦で「ここってどういうことだったの?」みたいになっていた部分がしっかり回収。リカちゃんのコピーの術式に関しては「肉体を取り込むこと」ではなく「本人にとって重要な部分を譲り受けること」がキーであるというのに妙に納得してしまいました。まさしく「呪術」らしい術式でいいですね。0で主人公だった乙骨に言うのはナンセンスですが、乙骨主人公で呪術廻戦をやっていたらかなりエグいストーリーを作れる仕様だな~、という印象があります。

御廚子のコピーは宿儺の指ではなく、宿儺の術式が刻まれた虎杖の指で行ったという作中ブラフがしっかり決まり(この辺りは神視点である読者を同時に騙すために苦労したんだろうなというのを感じる)、その上での野薔薇復活はアツすぎる。ただし、最初に読んだときは気付いていなかったんですが「彼女が目覚めてから半刻も経っていない」と言っているので、マジでギリギリぶっつけ本番みたいな作戦だったんだなと肝が冷えました。また、あの状態からの野薔薇復活に対し、家入の反転術式を使ったのか?使ったとしたら「何らかの縛りを入れたのではないか?」という不安もやや残ります。

とはいえ、大抵の伏線を回収しきったし、私はこういう説明はあればあるほどうれしい派なので、めちゃくちゃ良い回だったと思います。これで残る謎は今裏梅と秤が何してるかくらいですね(このあと回収する余裕はあるんだろうか)。

恵の移動デバフ、野薔薇の魂デバフが効いたところに虎杖の「決着をつけよう」「廻る呪いに」でタイトル回収と共にクソデカ黒閃までの流れはこれぞ少年マンガ。スタンディングオベーションもの。ここまでやられておいて「効いてませんでした」はあって欲しくないので、これで決着はついて欲しいところです。

ただ、宿儺がこのまま潔く負けるか?というとそれもピンと来ないし、だからといってどうせ負けるならという理由でヤケクソ自爆技を放ってくるかというとそれはもっとピンと来ない。そういう意味では来週の宿儺の動向は非常に気になります。

また、ちょっと先の話になってしまうんですが、これで「日本は平和を取り戻した……」となったところで、羂索が呪霊の件を海外に武力として売り込んでいた件などがどう片付くのかというところにも不安は残る。その辺に関してはウルトラスーパーハッピーエンドになるよりも、そういう不安はまだ残っているし、その不安がまた呪いを生む……、そのために呪術師はいるんだENDみたいな方が呪術廻戦らしい気もしますね。

なんかまだエピソードに入ってもいないのにエピソードの話をしてしまいましたが、とにかく「ここまで長かった……!!!」みたいな気持ちになれる、いい決着回だったと思います。来週で決着がついてなかったら「先週のは決着回ではなかったですね」と手のひらを返す予定。

あかね噺

第123席 志ぐまの高座

前回のあかねの高座回に続き、今回は志ぐまの高座回。全体的に「絵」で見せる演出が多い回だったので文字での感想はなかなか伝えづらいんですが、ぞっとするほどいい回だったのは間違いない。

落語ヴァースを通して落語の〝楽しさ〟を描いていたあかねらしい世界観に対し、志ぐまの〝泣き〟の世界観の描き方はごくシンプルなものでした。ただ、それ故に突如話に現れた死神の姿で息を飲みました。前ページの会話から続く見開きには「落語の世界」が存在し、その中に異様な雰囲気を醸し出す死神が〝居る〟。あの会場の観客がこれを見たんだというのが伝わってくるていねいな描写は流石と言わざるを得ませんでした。

かつて志ぐまの公演中、火災報知器が鳴ったにも関わらず高座を続け、観客もそのままその芸に呑まれたままだったという異常エピソードをこの見開きの後に持ってきているのもより説得力を生んでいる。これは表現力に自信がなければできない演出だな~と思いました。

それはそれとして志ぐまの独演会で起きたこの事件に「五百人殺し」というタイトルをつけた記者のセンスもすごい。

ONE PIECE

鬼の子ヤマトの金稲荷代参

vol.12「九里への道中誘拐阻止」

ヤマトの旅は進み、次は九里へ。ヤマトも肉体は女性ですが、こうして一般女性の隣で見るとめっちゃデッカ。逃げていく犯人が黒塗りなのがちょっと気になるんですが、知っているキャラクターだったりするんでしょうか。

第1124話 〝親友〟

麦わらの一味と巨人海賊団がエッグヘッドを出航してからの一幕。とにかく情報量が多いんですが、もはや「情報量が多い」って言わない回がなくなってきたような気もします。

モルガンズサイドではモルガンズが「最悪の未来」で〝世界〟を湧かせようと仕事中。世界中に放送があったにも関わらず「客共は次の『世経』を待つしかねェんだ!!!」という態度は流石でした。ここから配信電伝虫がメジャーになっていった場合にどうなるかはわかりませんが、現状はそこまでの脅威ではないという割り切り方がいっそ気持ちいい。実際、空を拠点にしていることもあって「自分は大丈夫」という特権意識があるのもあるんだろうな……。

集まってきたニュース(黒ひげvsロー、赤髪vsキッド、麦わらベガパンク殺害)は次の世経に乗る可能性が高いため、これでローとキッド(とシャンクス)の動向を知ることになりそうな麦わらの一味の反応は結構気になります。ベガパンクの件については誤解なわけですが、懸賞金は上がるんだろうか。上がるなら一味全体が上がる感じになりそうですが……。

戦桃丸はひとり島から脱出。覇王色の覇気が効かなかったというよりは、ルフィに敵意があるもののみにきく覇気だった、という方がしっくりきます。しかし、ベガパンクのおっさんと死に別れ、黄猿のオジキとは敵対し、おそらく仕事も失ってひとりでボートに乗っている姿は本当にお労しいというかなんというか……、誰か助けてあげられなかった!?本当につらい!!!今後、彼が助かることを祈ります。

そしてかわいそうなのはサブタイトルの元にもなっている黄猿。ベガパンクに対してどういう感情を持った上で攻撃したのかは気になっていましたが、過去を思い返しつつ「〝親友〟を殺したことあんのかい」はもうこっちが耐えきれずに泣いてしまう。

黄猿って映画も含めて、言われたように仕事をするイメージが強かったんですが……、その結果がこれって……。私たちはルフィ視点で物語を見ているので悪役のイメージが強い人物ですが、世界的に見れば海軍というバリバリの「正義」側の大将で、秩序のために相手が親友であってもその正義を優先した人なわけで……。これで世界政府側が「悪」だった場合、ここまで正義に尽くしたにも関わらずあまりに報われないし、そうなる可能性が高いのがつらいですね。赤犬の物わかりが良かったことだけが不幸中の幸いですが、一歩間違えたら青雉の二の舞になっていた可能性も高かったんじゃないかと思います。

そしてルフィ達の元で目覚めるリリス。リリスの言う「みんな生きておる!!!」「でもお前たちにしたら死んどる」というのはまさに「なにを持って死とするか」の話で、「パンクレコーズに他のベガパンクのバックアップが残っている限り、そこから再生できる」ということなんじゃないかなと予想しています。まだ予想なのでわかりませんが、これは実際に「生」か「死」か意見の分かれるところだと思うのでこの時点でこの言い方をしているのは納得。

この報告で元気を取り戻して宴を始めるルフィですが、ベガパンクを死なせてしまった……と言うときは流石に落ち込んで宴ができないんだな(ここまでは想像できる)、でもみんなに合わせて1杯は飲むんだな……というところがなんだか「大人」を感じました。この辺、「ONE PIECE読者は知っているけど、パブリックイメージと離れている」部分かなと思いました。

ラストに出てるシルエット……、シャンクスじゃないと思うんですが、誰!?酒飲んでる知り合いってレイリーしか思い出せないんですが(絶対他にもいる)、違いそうだし……。

SAKAMOTO DAYS

DAYS 179 トーレス

本当は人殺しなんてしたくないけど金がいいしギャンブルがしたいから殺し屋をやっているトーレスさん、自身も立派な「この業界の頭のおかしいヤツ」だと思います。このマンガの世界に「血がくさいし服が汚れる」って価値観があるのが一周回って意外でした。

そんなトーレスの武器はサンドブラスト。研磨剤(砂など)を吹きつけて対象を削るものらしいんですが、よく知らなかったので調べて見たら結構おもしろい工法でした。

https://www.youtube.com/watch?v=yfFlCv5NeY0

銃の弾を買う金もギャンブルにつぎ込みたいため、この武器にしたというのは新鮮でおもしろいですね。絶対本体がめちゃくちゃ高いと思う。ものを削り取る能力だから神々廻の金槌もあんな感じで削られたんだなあと思う反面、この武器でサイレント反撃は無理では?とも思うんですが、このマンガが「画のおもしろさ>現実」なのは今さらなので「そういうこともあるか」と腑に落ちる。この絶妙なラインが癖になります。

しかし、トーレスの一般人の巻き込み方がエグい。これは京レベルの失敗じゃないですか!?沖さん!!!と思うものの沖さんは不在。百歩譲って人手不足による雇用まではわかるけど、ちゃんと見張ってて欲しいものです。これから先、沖さんと神々廻にかかる負担のことを考えるとぞっとする(上終がまともな方になってきたことも含めて)。

トーレスが乗客が乗ったままのモノレールの底をぶち抜いたのが怖すぎなんですが、このとき落ちかけた子どもが坂本に「あざます」って軽いノリで答えてるのを見て「ああ、サカモトだ」と安心しました。そうはならんだろ。好き。

トーレスが本気だったら負けていたらしい坂本は「お前は運に身を任せすぎ(それは本当にそう)」「手持ちのカードを上手く使え」と言うトーレスの言葉(要約)に思い悩んでいる様子ですが、全然ピンと来ていなさそうなところがそれっぽくてよかったです。

私も全然ピンとこないんですが、やっぱり南雲と特訓してくれませんか!?!?!?

普通に考えるとシンや平助、ルー辺りのいいところを取り入れるとか、JCCメンバーを「仲間」として徒党を組むとか……、その辺りで「個人の強さ」ではなく「チームワーク」を視野に入れるって言うのが王道な気はします。SAKAMOTO DAYSって個人戦多めでやってきているので(ラボ編とか編入試験とかでそこそこあるけど)、チーム戦が視野に入ってくるとなるとアクション的にも変化が大きいし……。ただ、これは個人的な気持ちですが、坂本は「殺し屋」なので「個」の強さに魅力があるとも思ってるのでそっちの極まりも見たい気がするし、「元・殺し屋」だからこそチーム戦に移行するのも正解な気がするし、心が2つありますね。

僕とロボコ

第198話 麻雀とロボコ

唐突な麻雀回ですが、このマンガにおいて「唐突な○○回」はいつものことなのでそこはいつも通り。麻雀自体はまだルールを覚えているのでなんとなくわかったんですが、子どもの頃はマンガやドラマに麻雀が出てくる度に「大人って麻雀が好きだなあ」と思っていました。いや、これ自体はルールがわかるようになった今でもそれなりに思います。やっぱりゲーム性とギャンブル性のバランスがいいからなんでしょうか。

パロ元については不勉強だったのもあってあまりよくわからなかったんですが、ラストでロボコが謎の正論パンチを打っていったのがかなり好きでした。人間って(主語をデカくするな)自分に有利な不正は見逃してしまう傾向があるのは確かに。

悪祓士のキヨシくん

第9話 決意のキヨシ

センターカラーうれしい!!!というかキヨシくんと一緒に描かれるの棺くんなんだ!?という驚きがありました。サカキさんとヒロインは1話の巻頭カラーにいたからだとしても、ここはネハンくんの方が先になると思っていました。ただ、これはこれからも棺くんに出番があるかもしれないというフリの可能性があるのでそれは楽しみです。欲張りなので味方陣営の男戦闘員は3人くらい欲しい気持ちがあります。この辺の陣営構成は出そろった辺りで「マッシュル-MASHLE-」とか「BLEACH」と見比べてみたいですね。

今回は改めてキヨシくんの強さが強調され、キヨシくんの目標も示された回でした。この辺は相変わらず優等生的なストーリー展開ですね。想像通り今回でネハンに説明するという体で悪祓士の階級説明もあったので、世界観説明回だったのかも。

ざっくり「最高位悪祓士」>「亜級悪祓士」>「Ⅰ~Ⅳ級」という序列らしいです。この序列が祓える悪魔基準になっているあたりは「呪術廻戦」と同じですね。ちなみにキヨシくんは魔王も祓えているため「Ⅰ級」とのこと。主人公が最初から結構高めのクラスを持っているのはめずらしいような気もします。ライセンスがしっかり発行されてるのいいな。キヨシくんが大ヒットしたら「君も悪祓士に!?」って感じでグッズ化して欲しい。

また、今回キヨシくんがなると決めた「最高位悪祓士」は強さだけでなれるものではなく、教会に認められることが必要とのこと。ここで作品の縦軸になる目標がきっちり定まるのも定石ですが、定石故の安定感があっていいですね。目指す役職的にはONE PIECEの「海賊王になる」よりはブラッククローバーの「魔法帝になる」の方が近い感じ。

前回、剣さんにやり込められてちょっとフラストレーションが溜まっていた次の回で、キヨシの激強なところを見せてくれる構成も上手い。

ラストの引きを見た感じ、既にギャグ路線ではなくガッツリバトル路線に踏み込んでいる印象ですが、どうなるんだろう……。

カグラバチ

第46話 勝手な野郎

まずは「次にくるマンガ大賞」コミックス部門1位おめでとうございます!来週の巻頭カラーもこれに合わせたのかな~!なんにせよ応援しているマンガが評価されているとうれしいですね。これを機にもっともっと人気が出て欲しいです。

次にくるマンガ大賞のWebサイトはこちら。

今回は会話がメインの会議室回(そんな言い方ある?)だったので動きの少なさが気になるかと思っていたんですが、怒濤の情報によってそんなことを気にしている場合でもなかった。神奈備側の考えや方針の話がメインでしたが、チヒロ側の思惑は前回に結論まで出ているのでどういうスタンスで見ていていいかはっきりしているのがよかったです。

想像以上に緋雪がチヒロ側だったのには驚きましたが、楽座市での動き(緋雪がやりたくてもできないと思っていることをチヒロがやったという印象)が響いたんだと思えば納得。あと柴さんが「何かあれば薊が守ってくれる」と言っていた割には薊さんが存在感なかったのは、ギリギリまで六平擁護派というのを隠しておきたかったからなんでしょうか。ただ、薊って個人的に仲良かった風だし柴とも関係があるしで普通にバレてるんじゃ……。柴さんがどういう敬意で神奈備を抜けたのかも気になります。この辺はそのうち過去編がありそう。

妖刀の件、話がずっと平行線だけどどうすんだ?となってきた辺りで毘灼による妖刀所有者襲撃の報。よりによって2番目に楽しみにしていた温泉がやられたのでショックでした。1番楽しみにしている寿司屋に賭けようと思います。

この段階で話し合いを中断して「まずは妖刀所持者の命を守る」と判断できるところは神奈備、ヒチロの双方の印象がいいですね。この辺りの勢力争いがメインになってくるマンガもありますが、カグラバチはあくまでチヒロメインに行くのかなという感覚が楽座市の頃からあります。

ウィッチウォッチ

168 秘密のチャミー

なんか知らんマンガ始まった!!!と思ったら新たな魔女の投入回でした。

本来は高校生のニコに対して小学生の家庭教師をつけたニコの母の意図はまだはっきりわかりませんが、美衣の力の発散方法を見るに本当に問題があるのは美衣の方で、家庭教師という「人に教える」という行動を通して魔女としてのあり方を学んで欲しいとかそういう意図があったりするんでしょうか。そこまで深いものではなく、「魔女同士の友だち」という関係性のために縁を結んだだけかもしれない。

美衣自身、黒魔女の概念はしっかりわかっているようだし、スタジオでの人助けや「サナちゃん」に対する発言を見た感じは根が善人って感じはある。

しかし、魔女って便利でいいな~と思ってしまう反面、負の感情に囚われると黒魔女になってしまうという制約はなかなか大変ですね。本来なら芸能人なんて目指そうとした時点でやめさせたくなるレベルの話っぽいし……。そこを理解しているのもなかなか聡明な子だなという印象があるので、私は好きです。早く乙木家に来て変なラブコメになって欲しい。

【読切】どくどく(三浦糀/松浦健人)

同誌で連載中の作家が連載中の作品をおやすみして読切を掲載することってあるんだ。なんか毎週アオのハコを読まないと死ぬ!みたいな人には申し訳ないんですが、試みとしてはいいんじゃないかなと思います。マンガ家さんに取っても連載作品1本で生計を支えることに不安がある人もいるだろうし、作品連載中に他の可能性を試せるというのはよさそう。ただ、そんな余裕がある作家さんがどれだけいるかという問題もありますね。

内容は大学生のボーイミーツガールもの。アオのハコは高校生なので、なかなか新鮮でした。いい意味で劇的ではない、お隣さん同士のいい距離感を描いた物語なのがよかったと思います。マンガ的に、気になった女の子がお隣さん!というのはベタなんですが、ここでいきなり距離をつめないリアリティと優しさが松浦先生の絵のタッチとも合っていて、画面から受けるイメージもいい感じ。

ただ、タイトルが「どくどく」=鼓動の音なのは本来の「鼓動」よりも「毒」の印象が強くなってしまっていたかな~と思います。これは個人の印象の話なので難しいところですが……。

原作+作画で制作した話が文学部+美術学部の2人の話なのもなんかいいですね。

キルアオ

page66 HERE COME CHALLENGERS

校内で殺し屋会議(サミット)が開催されてるの、本来は最悪の事態で本当におもしろい。

前回からそもそもJARDINの2人がどう動くのかが気になっていましたが、この雰囲気だとすぐさま敵に回ることはなさそうでひとまずは安心ですね。1回共闘したあとに敵に回るとかは全然あると思うので油断はできませんが……。

また、幻獣組も出し切っていないうちから幻獣組希少種(ユニコーンレアクラス)が追加されるのはあからさまなテコ入れ感がありますが、桜花が正規の手段でミツオカ決闘を行うというのであればこれが妥当だなというのと単純におもしろそうなのでOKです!という感じ。

十三側の仲間が増えたタイミングでミツオカ決闘がタッグマッチになるのも上手いですね。殺し屋との対決でではなく、ミツオカ決闘になることのネックって十三側が十三1人で戦わなければならないというところだったので……(そもそも天馬戦も複数出場してたし)。ただその場合、本来は十三と組む側に正式なメリットがないとシステムとしては上手くないですね。

しかし、シンは普通に学校に居座ってるけど本当に大丈夫なのか?という気持ちがあります。個人的に好きだし、本人もノレンが好きでいるみたいなので問題ないならいいんですが……。

というか読み返してて気付いたんですが桜花の「スカウトとかそういうことは僕が自分の次に信頼している者に任せてある」ってところ、「僕が自分の次に信頼している者」の登場フラグっぽいですね。これが既存のキャラだとアツいですが、十中八九新キャラかな。

ひまてん!

No.7 控えめなヒロイン

今回の話で「ひまてんはタイトル的にひまりと殿一がくっつくまでの物語だな」という認識に変化があったんですが、これってどういうこと!?こういうラブコメをあまり読まないため、どういう風に取ればいいのかわからなくて動揺してしまう。

殿一のほのかへの想いが「いいな」程度、かつ一方的なものだったらひまりルート確定なのがわかるんですが、ほのかから殿一に対して明らかな好意があり、それを把握している友人がいる、となってくるとこれは……、ほのかとくっつく方が自然じゃない!?という気がしてしまうんですが、ラブコメってこういうものなんでしょうか。

現状、ひまりの方は殿一とほのかのデートを応援している立場だし、もしかして殿一とひまりはあくまで「相棒」で、恋愛は別の相手とするタイプの話だったりするんですか!?どうなんだ……。誰も傷ついて欲しくない……!!!

まだ始まったばっかりなのにずっと心配している人になってしまった。

夜桜さんちの大作戦

作戦239.全能なる四怨様(シオン・ジ・エンド)

魔法少女スタイルは自分の趣味じゃない主張する四怨がかわいかったです(配信で全然信じてもらえていないことを含めて)。

四怨の技やセリフ(バグ・パッチなどの用語や「バグは仕様」というセリフ)には職業柄突っ込みたいところがあるんですが、ここで重箱の隅を突いておもしろいところではないのでこの作品ではそういうもの、として受け取っています。

四が旦を盲信しているわけではなく、旦からの愛情がないかもしれないことを理解しながら慕っているところは普通に切ない。ただ、その四を四怨が説き伏せるのではなく「自分の家族のためにおまえたちの家族を壊す」という罪をきっちり背負ったところ、そうするという判断が素早かったところがよかったですね。これに関しては圧勝であったことも含めて流石夜桜家の上から4番目……、という気持ちがあります。最近忘れがちですが、本来スパイ一家だし。

今さらですが、旦の子どもたちとは数字がちゃんと対応してたのか……(狂一郎と二刃があっさり勝ってしまったせいで印象が薄い)

先週のこれですが、一は狂一郎が会長と戦っている間に逃げ出していたらしい。しかし、かなりあっさりした狂一郎vs灰戦ですが、なんか思わせぶりなコマ割りなのでどこかで回想などは入るような気がします。というか狂一郎が大怪我してるのを隠してるとかは普通にありそう。

鵺の陰陽師

第63話 無尽蔵の令力

この作品のエネルギー循環構図をまだ理解し切れていないんですが、死んだ輪入道も鏖が消えない限りはこの市をチリとして巡り、何百年後くらいに生まれてくるらしいです。これが生まれ変わりという概念なのか、本人として再構成されるのかはわかりませんが「この市を」巡るというのがポイントかな。やっぱりこの世界、この市しか残ってない可能性ないですか?

しかしこのタイミングで「実は鏖が1体開放されていて、その契約者が儡脊」というのはいい意味で裏切られた感じがしてよかったです。というか、儡脊って以前鵺さんと契約してたらしいですが、乗り換えってできるんですね。ただ、読者視点だと扉が開いている封印場所があることはわからなかったとはいえ、陰陽師の人たちは知ってる(その上侵入者がいたことまで把握している)んだからもうちょっと警戒しておいてくれという気持ちはあります。「普通に考えて人間が鏖と契約するなんて有り得ない」というのもあるとは思いますが……。

しかし、章ボスとしてレベル4の群れだけでも格落ちという感じはなかったのに、ここでも鏖が出てくるというのは盛り上がりますね。実際は開放されているわけではなく、学郎と同様に契約者を通して力を発揮している状態なんだと思いますが、それがますます「主人公と敵ボスが対照的」要素となっているのがいい。

今回お披露目となった火車の攻撃が隊長×3人+鵺さんの4人で止められない攻撃に主人公が割って入ることでギリギリ防げるというのも(まだ防げるとは決まっていませんが)、王道バトルものって感じでいいですね。

逃げ上手の若君

第169話 百花繚乱1338

この時代の武士というのは戦国時代の武将とはまた価値観が違うと思うんですが、ここまできっちり「武士の死」を描いてくれたことには感謝しかありません。高潔な魂のまま現世を去った北畠顕家がその後に残したものまでナレーションでしっかり示してくれているのも敬意を感じました。また、その「死」が現代の価値観で「良い」とされるものではないとしても、そういうギャップを越えた「美しさ」だけは納得できるものになっていたと思います。

最期の花の下りも登場時からきちんと伏線が張られていたところなので、ここでの開花はしっかり計算されていた描写だというのもわかる。また、歴史物としては荒唐無稽な表現ではあるかもしれませんが、そうならないように「神力」の存在は先に示したというのも計算の上って感じですね(撤退指示のコマに神力組がいるため)。

決死の覚悟で助けに行こうとしていた時行を逃がした「振り返らず走る若が美しいのだ!」のセリフは北畠顕家自身が真に美しく、時行に伝えてきたものだからこそ生きていました。北畠顕家が華美なものを美しいと思う価値観を持っていたわけではなく、世界から美しいものを見つけることが上手な人だった、というのも胸を打つ理由のひとつ。兄の遺品を胸に決意を新たにする時行もまた美しかったです。

悲しみまでもが美しい回でした。

願いのアストロ

第18話 総力戦

サブタイトルを打ち込みながら「まだ18話なのにもう総力戦やっちゃっていいのか!?」と思いました。でも出し惜しみするよりはいいと思います(本編が総力戦だったかはおいといて)。

しかし、ここに来てなお寅兄が強すぎておもしろい。因果の矢(カルマライン)を使って上がってくる辺りしっかり頭も回るのがわかるため、無法に強すぎる。どうしてこの人を後継ぎにしなかったんだろうという疑問が出てくるレベルですが、性格的に親父の望む通りにしたいというのが強そうなので人に譲りそうな感じはあります(それはそれでテラスじゃなくていいのか?というのがあるため、以前確認するシーンがあったのかも)。

逆に言えば安定感のある寅三が推しているからヒバル派を信頼できるという辺りはいい関係になっていると思います。

獅鷹の能力はそろそろ明らかになると思っていたんですが、依然不明っぽいのが気になります。ただの念動力だったらここまで隠さなくてもいいと思うんですが……(私は重力操作+別の人のアストロで操作している説を推しています)。

ヒバルのアストロがめっちゃ強いパンチなのはちょっと地味じゃないか?と思っていたんですが、こうしてきちんとお膳立て(なんか悪く聞こえるけどいい意味です)された上での全力パンチ!!!という図だとちゃんと映えますね。少年マンガ最終的にステゴロになりがち説から考えるとなんだかんだ最適な気もします。この辺は意識的に王道を狙っている感じ。

アンデッドアンラック

No.219 おかえり

アンディ帰還!!!!!おめでとう!!!!!

場所移動にはやや無理矢理感はありましたが、不滅を引きつけた風子がアンディと出会った土地、日本で戦い、アンディと再会するという流れの中で自己オマージュ(架橋とか五点着地とか)をやるためだと思えば演出のひとつとして「なるほど」ではあります。

残されたチカラたちですが、特にチカラが「耳で視る方法」をビリーに尋ねているのはチカラにそれだけの覚悟があることの演出であって、決戦前にはちゃんと治ってくれるといいなと思います。チカラの夢を思うに、完全に失明となるとかなり心情的なキツさがある。

というか、結構負傷も増えてきたこともあるのでこの辺で何らかの回復イベントが挟まってもいいんじゃないかと思うんですが、どうなんだろう。ちょうど残っているのが「不健康」なのでなんか上手いこと魂の理解度をアレして回復要員として利用できないんでしょうか。

しかし、未だに不滅の能力ははっきりしない感じですね。不滅の作った影に入ると動けなくなるシステムってなんなんだ……?ただ、今回はUMAを2匹使役していると言っていたのでそっちの方の可能性もありますね。

アンディの帰還にちょっと泣いてるクロちゃんがかわいい。

対して、アンディを地球に帰して自由を手に入れるというのはソウルの計画でもあったっぽいので完全に「よかった!」とも言えないのが現状。なんにせよ、この後のリメンバーイベントが楽しみですね。

超巡!超条先輩

第26話 実録巡査長

超能力巡査長をテレビ放送した~い!という回。前回のメイド喫茶もだけど、割とこういうベタなネタが好きなんでしょうか。私は好きです。

地味に犬養警視が許可出してるのがおもしろいんですが、「巡の良さを知ってもらいたい!」みたいな気持ちがあると思えば納得。納得だし、今回ポンちゃんが言っている通り「ちゃんと働いているのに悪評を挽回できていない」巡のことを真剣に心配している可能性もあります。実際、超巡が嫌われている理由として挙げている「昔それなりのことをした」ってなんなのかが気になりすぎる。今の超巡を見た感じ、そんなに周りから嫌われる要素がないな~と思うことが多いので、本当にヤバい話なのかもしれないんですが……。

また、テレビ放映に乗り気じゃなかったにも関わらず「ずっと自分と組んでるポンちゃんが不憫」という理由で許可してしまう辺りも身内に激甘。実際は身内に激甘というよりも善人に激甘って感じだと思います。

なんだかんだそこそこの演技力で決め台詞を言えたっぽいのと、そのせいで(おかげで)近所の子どもたちに物真似されてるあたりは相変わらず舐められている。

来週はセンターカラーとのこと!!!うれしい!!!

極東ネクロマンス

第17話 かおり

先週のサブタイトルが「死なない」なのに死ぬことあるんだ!?って普通にめちゃくちゃびっくりしました。あんな力強く「多分死なない!!!」って言っておきながらあっさり、お前!!!そんなことある!?耀司もびっくりしたと思います。

これに対して魂が砕けているのがわかっているだろうに肉体的な蘇生方法を試す耀司がかなり痛々しかったですね。そりゃ2世代に渡って死を見届けるのはキツいと思いますが……。

からの兄弟口喧嘩勃発。ちょっと文学的すぎるのでこんなときにやってる場合か!?ではあるんですが、会話の内容は言い回しなどを含めてよかったですね。薫が死んでなくて船が沈みかけてなかったら本当によかったと思います。

また、ここで龍の目的が「耀司をメランコリーにすること」になっていましたが、これは最後の精神攻撃と言いつつも、それ故に「自分を忘れないで欲しい」という願いでもあったという読み方であっているんだろうか。あまりにも飄々としているせいでちょっと不安があります。その上で耀司は憂鬱をただの「苦しみ」ではなく、その心の動きこそが「生」であり、憂鬱はその人生を彩る苦みだと結論付ける。前向き過ぎない考え方が洒落ていてよかった。

死者蘇生を行った耀司は消えて死霊が見えなくなった薫は日常を取り戻す、なんだかメランコリーだけどいい雰囲気のエピローグだな……、と思っていたらそこからの急展開。そう言えば最終回じゃなかった。

実際、これってどういうことなんでしょうか。チタリ=血垂リ、みたいな話もあったし、チタリは元々マジでヤバい死霊で、耀司という枷がなくなったせいで敵対することになってしまったとか、そういう……?ここでシシが現れたのも結構唐突な気もするし……?

さいくるびより

15話 みんなで読心

ことね母の件ってどうなったんだっけ……、とか思っていた矢先にお母さん回。

手を繋ぐと手を繋いだ相手と一緒に読心ができるという現象を使って「頭のいい人の考え方を読むとどうなるか」から、勉強に読心を使う場合は解ける側が解けない側の頭の中を読んで「理解できないところを理解する」方がいい、という結論を出す下りはさいくるびよりらしくてよかったです。超能力の細かい発動条件や見え方、活用方法を細かく考える日常ものって新鮮なので毎回色んな発見があって興味深い。

眠りっぱなしになっていたお母さんが「夢」のサイクを使っていたというのは盲点。これに関しては主人公が「すや ねむる」とかなり「眠り」に関する名前なのでメタ的に見れば絶対に関係あると思うんですが、現状どう関われるのかは謎ですね。能力のブラフの可能性も考えましたが、ものの大きさを変えるサイクはどういう側面から見ても「夢」とは繋がらないので難しいところ。全く関係ない可能性もあるんですが、気になります。

しかし、ここで「幸せな夢」に囚われているからその夢を見てみよう→昔の「幸せだった」頃の夢を見ているはあるあるですが、ことね視点だとなかなかキツそうなのでちょっと不安になってきました。しかし、手を繋いでいることねだけ引き込まれていることから、母が対象者を決めている可能性が高い辺りが救いでしょうか。

妖怪バスター村上

第10話 ドラゴン

もうモノローグで「何故か」妖怪〝総大将〟を目指すことになり……、って言い出していて笑ってしまう。確かにここだけみると、妖怪学校の偵察に来たのに妖怪〝総大将〟を目指すってどういうことなんだにはなりますね。そもそも妖怪じゃないし。というか、これって紅院は人間なわけだけど、ちゃんと強化アイテムってもらえるんでしょうか。まあ、もらえないオチでもギャグとしては成り立つからいいとは思いますが……。

次に倒せそうな四天王はドラゴンということで早速倒しに行くことに。四天王がメリーさん、ドラゴンの順に出てくる時点で結構意味不明なのにそのドラゴンが実はイルカってあたり本当に意味不明な学校になってきたんですが、コメディにそういう整合性を求めても仕方ないので楽しんだ方が得ですね。

村上くんがただ強いだけではなく、ロジック人間が故に弱い部分があるというところにフォーカスしていたのがおもしろかったです。その上でオチが「屁理屈と屁理屈が戦ったせいで、いるかが理屈上負けなければならなくなった」辺り皮肉が効いていてよかった。

ここで開き直ってくるようでは勝てなかった……、勝てなかったか?

ただ、この村上のピンチを通して紅院が強くなることを決意するのは少年マンガでした。総大将には僕がなる(海賊王におれがなる)!!!ちょっと苦しいか。

少年ジャンプ2024年40号 予告

次のジャンプの発売日、もう9月じゃん。時の流れって怖いですね。

カグラバチが1周年記念表紙・巻頭カラー。次にくるマンガ大賞の1位もあるのでベストタイミングですね(多分合わせたんだと思う)。

2024年9月2日 発売
表紙:カグラバチ
巻頭カラー:カグラバチ
センターカラー:超巡!超条先輩
センターカラー:ひまてん!
センターカラー:【読切】ゾンビジョン(東条指之介

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