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2021のまちづくり、やることBEST5

あけましておめでとうございます。

昨年は、人口1万人の町、宮崎県都農町に単身移住し、株式会社イツノマを設立しました。

移住と時を同じく緊急事態宣言。やるつもりだった場づくりは停止を余儀なくされ、設立間もないなか試行錯誤する時間もなく、個人的に未知数だった町のデジタル化政策を企画、提言し会社としてもデジタル事業に舵を切りました。

人がいないからできない、原資・予算がないから雇えない、の状況から、えいや!とフライング採用。デジタル系を中心に7名の若者たちが都農町に移住してきてくれました(Wantedlyありがとう!)。

一気にIT企業か?という転身をしつつ、後半にはやりたかったキャリア教育、本来の場づくりも少しずつ動き出し。。そんな2020年を経ての今年。

設立1年経ってない状況で10名のスタートアップ企業が、1万人の町で食べていけるかどうかの不安を挙げればキリはありませんが、町で起きていること、起きそうな課題の解決策を一つひとつ自分たちで考えて、町の人たちを巻き込んで、アクションを起こしていきます。それしかできないので。

1.  集合行為論

2021年の目標を考える上で、東京から都農町にきた意味をもう一度振り返りました。経済学者のオルソンさんが唱えてた「集合行為論」を実感中。

大集団になるほど、1人が手を抜いたところで全体に影響はない。みんながそう考えて手を抜いた結果、当初の目的は達成されなくなる。小集団では,構成員の共通の利益は達成されやすい。集団的行動を達成するためには,(1) 小集団であること,(2) 非協調者に対する強制を加えること,(3) 協調者に対する報酬を与えること,のいずれかの条件が満たされる必要がある

自治体の中では小集団の人口1万人という規模は集団的行動が達成されやすいと解釈することもできますね。

実際、都農町にきて真っ先に感じた町の力はスピード感

これだけ変化が激しく先行きが賢人にもわからない時代には、熟慮、検証を重ねてても町は変わらない。着想と同時にアクション、ダメならすぐ修正という行動サイクルを高速で回していきたいものです。

会社に置き換えても同様。1,000人近い規模の会社経営から、10人規模になって、スピード感の違いは明白。だからこそ、株式会社イツノマは、「イツノマに」が最大の売りになる会社でなければなりません。

2. LESS IS MORE

いまさら持ち出すまでもないミース・ファン・デル・ローエの名言を拝借。

都農町に来て、リアルに「少ないもので豊かに暮らす」という意味が腹に落ちます。物質的な豊かさを追求するのではなく大切なものだけを選び取る美意識は「少ない」環境の方が育みやすいな、とも。

「サーキュラー・エコノミー」とか概念で大上段に構えられると、難しくて疲れてしまうけど、都農町で暮らしていれば自然と自炊が多くなるし、ゴミの分別が面倒臭すぎてコンポストはじめたし、当たり前にマイボトルとエコバックも持ち歩くようになるし自然体で取り入れていくのがいい。

逆に、都農町で自然とやってることの時代における正当性?というか妥当性みたいなことを子どもたちに逆解説していく必要はあるかなと思います。

3. やることBEST5

毎年恒例の目標リストを今年もつくりました。

GRITで紹介されていたウォーレン・バフェットの目標達成法に習い、やりたいことを25個書き出し、自分なりの3つの軸で各10点満点で掛け算して、上位5個に絞りました。

①デジタル・フレンドリー(高齢者のデジタル活用、日本一)

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4月から65歳以上&15歳以下の全世帯(約2,000世帯)にタブレットを配布。都農町ならでは、僕らならではのこだわりは、高齢者一人ひとりに、孫世代がサポートでついて、デジタル・フレンドリーを推進することです。

3月までに44自治会を全て訪問し、説明・体験会。その後は年4回ペースで自治会単位のフォロー会。新しく町の中心にできる「BUNMEI」は都農町のアップルストア!を目指し、いつきても若者たちがわかりやすくサポートして、とにかく使って楽しいデジタル環境を目指します。

②ツノワク(都農中学校×町内企業30社の職場体験プロデュース)

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4月から町内唯一の中学校、「都農中学校」でのキャリア教育がスタート。総合的学習の時間を活用したカリキュラム開発を進めながら、「職場体験学習」をアップグレード、ツノで働くことがワクワクする「ツノワク」プロジェクト企画中。

町内企業のブランディングや採用など、各社のPRにもつながるオリジナルWEBサイトを開発し、職場体験では「何を伝えたいか」「何を体験したいか」を企業と中学生双方からヒアリングし、ワクワクづくりを。

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③つのまるケア(都農町ならではの地域包括ケアをメディア化)

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高齢化率40%近く、医師不足も地域課題の都農町は、宮崎大学医学部に寄付講座を開設、総合診療医の先生が3名、都農病院に常勤しています。

総合診療医の先生たちと、町の福祉課や社会福祉協議会、介護関係者など専門家たちが集まって一人の患者、暮らしに向き合う地域包括ケアの実態を、まずは町民から、わかりやすく伝えていこうと、宮崎大学医学部とオリジナルWEBサイト「つのまる」を開発中

4月から、毎日、総合診療医やケアマネージャー、ソーシャルワーカー、看護師、介護士など専門家の方々から「けんこう日記」を配信予定。

④道の駅つの(経営に参画し、新業態・事業開発を実現する)

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UDS時代から、「道の駅つの」の改築・増築プロジェクトをお手伝いしてきましたが、今年は、実施設計からいよいよ施工を目指す年。

企画デザインでは都農神社との回遊性や、地元の人たちが子ども連れ、若者同士でも来たくなるランドスケープデザインを。

運営面では都農町のフルーツを使ったアイスジェラート事業や、スイーツ商品開発など、運営・経営にも積極的に参画し、農の都としての発信強化に貢献していきます。

4月からはデザイン専門学校卒の都農町出身者が新卒入社。一緒にパッケージデザインやロゴ開発も地元完結できるようにがんばります!

⑤都農高校活用(都農ならではの企画を町民と練り上げる)

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都農町にとっては、早くも今世紀最大のプロジェクト。3月末で閉校になる都農高校の跡地活用。まだ県と譲渡契約前だから未確定の話ではありますが、契約できたらすぐさま動き出せるよう、今のうちから、どんどん町の人と都農町ならではのコンセプトを練り上げたいなと。

都農高校出身の新卒社員も加わるので、最後の卒業生たちとのネットワークも保持して、「都農町の未来」を表現できるよう、精魂込めて企画しないと。

4. Hungry

結びの言葉はやっぱりジョブズの「Stay Hungry,Stay Foolish

特に、Hungryは、僕にとっても、イツノマにとっても、都農町にとっても重要なことだと思います。

新しいこと、変革、成長、品質、、、全てに渇望する貪欲さを持たないと生き残れないかなと。

ジョン・スチュアート・ミル「満足した豚であるより、不満足な人間であるほうがよい。満足した馬鹿であるより、不満足なソクラテスであるほうがよい」

満足したら終わり、ということで今年もよろしくお願いします!

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