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地方の小さな町で起業するために必要な企画営業力を高める5つのポイント

地方創生の本質は、地元の若者が自分たちで仕事を創り出し住み続けていける環境やしくみをつくること。

ぼく自身、都農町で起業して2年が経ちましたが、東京で起業するのも大変だけど、市場が小さい1万人の町はさらに大変

起業というと、なにかイケてるビジネスモデルやスキル、資金調達のイメージを抱きがちですが、基本は営業だと思ってます。

特に、スタートアップの段階は、商品や実績が少ないので、自分の考えを売る=企画営業力が問われます。

自分も現在進行形で試行錯誤しながらですが、地元の20代の起業家のメンバーと日々話してて感じる企画営業力のポイントを5つ紹介します。

1.自己紹介力


当たり前なんですが、企画営業のスタートは自己紹介につきます
シリコンバレーではないのでエレベーターピッチを意識してもあまり効果的ではありません。

一番大事なのは、はっきりと、わかりやすいこと。
何をやりたくて、何ができる人か
そして、なぜ会いに来たのか

許される時間によりますが、時制の比率は
過去:30
現在:30
未来:40
ぐらいでしょうか?
実績が多い人は過去:50でもあり。

ただし、自分もそうでしたが、東京で知られていた実績が、地方では知られてないので、実績を一生懸命説明しても、ささんないなという実感。

それよりは、
これからどういう仕事をしていきたいのか
について、
相手が相手の知り合いに言えるぐらいにわかりやすく説明することのほうが効果的です。
わかってもらうと他の人に紹介してもらえます(これが一番大事)

ぼくの場合、いまでも100%聞かれるのが「なぜ都農町に?」です。
ここが一番大事と思いつつ、実際いろんな理由が重なり合ってる部分もあるので、相手に合わせて強弱つけながら説明するようにはしてます。
(もちろんホントのことだけ)

2.聴く力をつけて与件をつくる


2つめに、ぼくが企画営業で意識しているのが「与件」です。
何に対して企画をするのかという相手のニーズを言語化したもの。

企画営業でぼくが常に意識しているのは
「下請けにならない」
ということです。

仕事をもらえばすべて下請けなのかもしれませんが、

ぼくなりの「下請け」の定義は、
相手が定めた与件の範囲内で実務・サービスを提供することです。

その場合、おおくが実績や価格で決められてしまいます(役場の場合、一般競争入札)

仕事がとれたとしても、前例踏襲の既定路線まっしぐらになってしまうので、面白い実績として次の営業につながりにくいです。(ここも大事)

「下請け」にならないコツは、こちらから与件を提示して相手に共感してもらうことです。

役場の仕事でいうと、発注の仕様書をつくってしまうぐらいのこと。

そのためには、いま相手がどんな状態なのか、相手の負担にならない範囲でじっくり聴き出す必要があり、ここはスキルをつけていくポイントです。

起業したての場合、アピールしてかないと仕事をとれないのでプレゼンのスキルアップに力をいれがちです。

自信がある人はそれでいいのですが、そんなにプレゼンに自信がない人は、「聴く力」を上達させたほうが、ぼくの経験では実りが多いです。

こんな本もあるので、集中してスキルアップに励めば、比較的、短期間で成果が出ます。

3.肯定しながら付加する力


相手の話を聞く際、自分の新しさや面白さをアピールしたいがゆえに、ついついこれまで相手がやってきたことをやや否定的に表現してしまったり、「これからの時代は」「いまどきの若者は」とバッサリ過去の否定をしてしまいがちです。

相手の立場にたって考えれば、自分がやってきたことをすべて肯定的に捉えられたうえで、「さらによくなる」と思わせる付加価値提案のほうが、気持ちよく提案を聴くことができるのではと思います。

ただ、バランスには気をつける必要があり、肯定に意識がいきすぎると、なんでもかんでもあいづちうって、おべっか、忖度になってしまうリスクもあります。

発注する側にたつと、営業スマイルや気持ちのないごますり営業マンに用はないと思います。

肯定的にとらえるコツは、本当にいいと思うこと

事前に相手の創業時の想いや苦労、ここに来るまでの強み、戦略を徹底的に調べて尊敬できるところを複数探していくことだと思います。

ぼくがよくやる単純な方法は、自分だったらできたかな?と想像するようにしてます。ほぼ100%、自分にはできないなと思えた時点で尊敬できます。

4.高い視点と広い視野

いよいよ企画を考え、営業提案して行く場合、相手が経営者であればなおさらのこと、経営者が見る視点、視野に自分もあわせていく必要があります。

これはぼくの主観ですが、地方の小さな町の経営者は、本当に何から何まで自分でやり抜いている人が圧倒的に多いです(これも尊敬のポイント)。

視点の高さは時間軸。つまりは5年、10年先。
視野の広さは空間軸。部門、業界、地域、国。

逆の立場で、ぼくが企画営業を受けて盛り上がるのは、
目先のことから10年後までいろんな時間軸の話についてくる人、
町におさまらず県単位、国単位での展開まで一緒に考えられる人、
一事業部、課ではなく全社的、俯瞰的に見てくれる人かなと。

この力をつけるために一番簡単な方法は、とにかく経営者とたくさん会って話すことに尽きます

小さな町の良さは、東京や都市部に比べれば経営者に会える確率が高いということです。ここは、地方で起業する場合の楽しさでもあります。

縁がない場合は、商工会やJCなど、既存の交流組織にいくのもオーソドックスですが、個人的にはやらないよりはやったほうがよいと思います。

5.一気通貫で話せる力


地方の小さな町の営業の鉄則は、1社からたくさん仕事をもらうことに尽きます。なんといっても、会社の数が少ないので!

1社からたくさんもらうためには、とにかく守備範囲を広げることです。

WEBの仕事をとるなら、その上流にある経営理念やミッションステートメント、経営戦略のコンサルティングから一連の企画まで。
下流では、保守メンテ・更新・投稿の代行までセットで。

これもまたバランスが難しいのですが、そんなにすべてできるスーパーマンはいないので、一気通貫で話そうとするとどうしても薄っぺらく、知ったかぶりのレベルになりがちです。

そのためにも、自分の強くない分野は、知り合いや外部のメンバーを巻き込んでミニチームをつくっておくことが一番有効です。

外部のメンバーもスタートアップやフリーランスであれば、営業が大変という共通認識はもてるので、お互い様の営業協力ができると思います。

ただし、組むだけのメリットを感じてもらわないことにははじまりませんので、自分なりの着想やアプローチや切り口の面白みはつける必要があります。


以上、日々自分も実践していて、なかなか思い通りにはいきませんが、ある程度、量が質をうむジャンルではあると思うので、これからも地元の起業家メンバーと共有しながら、レベルアップをはかっていきます。





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