キズナ産駒に学ぶ世界の「キズナ」
みなさんこんにちは😆
競馬ブック新入社員によるnote「私と競馬」、今回は栗東編集部の星屋怜音さんに書いてもらいました!
「馬名」をテーマとした内容となっております🐴
今回も楽しんでお読みいただければと思います🙏
初めまして。栗東編集部所属の星屋です。
競走馬には、それぞれ馬名の由来があります。
JRAのホームページで競走馬を検索すると、馬名の意味が載っています。
馬名には、世界のさまざまな言語が使われていることが分かります。日本語、英語、フランス語など……。
また、馬名の由来を父や母の名前などから連想している馬も多くいます。
僕が好きな2013年の東京優駿勝ち馬キズナの子供たちにも、さまざまな言語で「キズナ」にまつわる名前がついています。
今回は世界の言語の「キズナ」を、キズナ産駒の馬名を通して学んでいきましょう!
※なお、馬名に使われている意味が、実際の言語の意味やニュアンスと若干異なっている場合があるかもしれませんがご承知おきください。
①日本語
きずな(キズナ)
スリートップキズナやショウサンキズナなどがいます。
もちろん、キズナ産駒以外にも「キズナ」という言葉が入った馬はたくさんいます。
例えば最近だと、シントーキズナはデクラレーションオブウォー産駒です。
ちなみに、父Hurricane Runのキズナという牝馬がいて、こちらも2010年生まれなのですが、なんとこの馬が「キズナⅡ」として日本に輸入されました。
そしてなんとキズナが交配され、2020年2月9日、父キズナ、母キズナⅡの牡馬が誕生したのです!
仔馬は「オールアイズオン」と名付けられ、中央で12戦して2着が最高でした。
②英語
bond ties(ボンド、タイズ)
イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリアなど、世界中の様々な国で使用されている言語です。
国内外で重賞4勝のディープボンドや、ダートでOPまで上がったライラボンドなどがいます。
また、「タイズ」が入っている馬はニホンピロタイズがいます。
日本語同様に、名前にボンドと入っている馬はキズナ産駒以外にも多く、ボンドガール(ダイワメジャー産駒)やベラジオボンド(ロードカナロア産駒)などがいます。
③フランス語
lien(リアン、リヤン)
フランスだけでなく、カナダやアフリカ諸国でも公用語になっている言語です。
福島テレビOPを勝ったスマートリアン、室町Sを勝ったアイスリアン、平地と障害で計5勝を挙げているルリアンなど、活躍馬が多数います。
ちなみに、ダートOPを3勝したリアンヴェリテという馬がいますが、この馬はゴールドアリュール産駒です。
同じルミエールヴェリテの仔で、北海道2歳優駿を勝ったキメラヴェリテや今年のマーメイドSを勝ったアリスヴェリテはキズナ産駒なんです。
ちょっと面白いですね。
④ドイツ語
bande band(バンデ、バント)
ドイツやオーストリアなどで使われています。
2023年の秋華賞にも出走したフェステスバントがいます。
ちなみに2013年の菊花賞3着で、キズナと同期でもあるバンデはAuthorized産駒です。
⑤イタリア語
legame(レガーメ)
イタリアやサンマリノで公用語になっています。
今年の上賀茂Sを14番人気ながら圧勝したレガーメペスカがいますね。
⑥スペイン語
lazo vinculo(ラソ、ヴィンクーロ)
スペインはもちろんのこと、アルゼンチン、ペルーなどといった南米の国でも話者が多い言語です。
7戦すべてで3着以内と安定感のあったヴィンクーロがいました。
現3歳にはフェルテラーゾ(Fuerte Lazo)という馬もいます。「強い絆」という意味らしいです。
⑦ラテン語
nodus nexus(ノドゥス、ネクサス)
かつてはヨーロッパを中心に広く使われていた言語です。現在では主に生物の学名に使われています。
オータムリーフSを勝ったオーヴァーネクサスがいます。
⑧ヘブライ語
rebecca(レベッカ)
主にイスラエルで使用されています。
ヘブライ語で絆を意味する女性名がレベッカだそうです。
サウンドレベッカやルージュレベッカといった馬がいます。その名の通りどちらも牝馬です。
⑨ハワイ語
pilina lokahi(ピリナ、ロカヒ)
ハワイの先住民が使っている言語です。世界的にはそこまでメジャーな言語ではないかもしれませんが、カネヒキリやマカヒキといった名馬がハワイ語由来です。
2021年の優駿牝馬で3着だったハギノピリナがいますね。
また、ロカヒにも「調和」や「絆」という意味があるそうで、現2歳に同名の馬がいます。
⑩エスペラント
ligilo(リギーロ)
エスペラントは19世紀に考案された人工言語です。
現2歳で、フラワーC勝ち馬アブレイズの全弟であるリギーロがいます。
また、ハギノエスペラントは阪神芝2000mの未勝利戦を2歳レコード(当時)で勝利。
なお、ハギノエスペラントの「エスペラント」はエスペラント語で「希望する人」という意味だそうです。
⑪花言葉
もはやちゃんとした言語ではありませんね!
しかも、「この花にはこういう花言葉がある」とキッチリ決まっているわけではないそうです。
バインドウィード(ヒルガオ、花言葉で「絆」)やアシュラム(オレンジ色のバラ、花言葉で「絆」)といった馬がいます。
「キズナ」という言葉だけでも、多くの言語が馬名に使われていることが分かりましたね。
皆さんもぜひ、好きな馬や気になった馬の馬名の由来に思いを馳せてはどうでしょうか。
文・星屋怜音
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