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【詩】埴輪

ひとけの無い博物館の
時空を隔てるガラス越し
埴輪から
ひんやりと 土の香りして
アーモンドの形した
埴輪の目をみつめると
耳元で囁く声がする

  古墳は
  楽園の鍵穴を
  封印した跡だから
  木々が生い茂り
  木の上でカリョウビンガが
  墓守をしている

驚いて 目を見開いたら
一瞬
埴輪の口角が上がった

    (かなり前に地方紙に投稿した詩の改作です)

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