【詩】回想
幼い日 迷い込んだ 近所の空き地には シダが群生し 所々に 十薬の花が咲き シュロの幹が 横たわり 絵本で見た 恐竜のいた頃の景色を 思い起こさせた 初めて目にする 十薬の花は かぐわしく 愛らしく思えた
その後 その空き地で 年嵩の子に 蹴られ殴られ 加えて 十薬の花や シュロやシダが好きだと 誰に話しても 笑われたり 呆れられたりした
かつて 足を踏み入れた時 酔うほどに ときめいた 空き地のことを 今 無心に 思い出すことが できない
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?