見出し画像

【詩】ナナフシ

ナナフシという虫は 細長い竹に 六本の長い足をつけたような 姿をしていて その姿を 巧みに隠すように 木や草に 紛れてしまうと云う

そんなナナフシを 一度だけ 間近で 見たことがある その時のナナフシは 何かに紛れることもなく 近所の町工場の 外壁を上っていった 枯葉色のナナフシは コオロギのように鳴いたり 跳んだりしないのに 静かな 存在感があった

ナナフシは  姿を隠すような習性によって 有名になり 安直に思えるネーミングが ナナフシの名を 覚えやすくしている そんなことを 思って 何だか 可笑しくなった

この記事が参加している募集

#眠れない夜に

69,255件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?