【詩】裏通り
昔の通学路に 並行する裏通りは アーケードのある 古い商店街だった 一度 その中の店で 925が疑わしいような 銀の指輪を 買ったような気もするけれど もう その記憶も物も 何処かに埋もれてしまった
あの裏通りも 区画整理されて 今は 跡形もない
あの頃 暗くて狭くて寂れているから 裏通りを避けていたのに 今になって その暗い雰囲気が 何より良かった気がして 裏通りの思い出が ほとんど無いことが 悔やまれてならない
かつて存在して 今はないものは 何故こんなにも 愛おしいのだろうか
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