見出し画像

11_移住後の価値観_災害時に生きる力


「けーすけ」と申します。

都内での会社員生活が5年半を過ぎた頃、うっすらと妄想していた田舎暮らしを実現させたいと思い立ち、その半年後には長野の山奥で生活をスタートさせました。


私が移住を決断した理由のひとつに、都心の災害への怖さがあります。

「都会に感じる息苦しさから逃れたい」というのが移住の主な理由でしたが、移住を考える前から「東京で被災したらどうしよう」という想いは常に頭にありました。

そして、実際に移住をした結果、都会と地方では災害発生時の影響に大きく差があるのではないか、と考えるようになりました。

今日は、移住後の価値観として、災害時に生きる力というテーマでお話しします

▼過去執筆記事(よろしければご覧ください)

移住した理由①

移住した理由②


東京圏で予想される災害


災害大国日本ではどこに住んでも被災リスクから逃れることはできませんが、ここ最近は特に東京圏の被害が大きいとされる災害の発生が懸念されています。

それは、以下の3つです。

  • 南海トラフ大地震

  • 首都直下地震

  • 富士山噴火

南海トラフに関しては、30年以内に◯割と言われてから何年経つでしょうか。。

ニュースで定期的に報道されることもあり、多くの人に認知されている災害かと思います。

しかし、私は「災害が起きる可能性が高いので東京圏を離れましょう」と言いたい訳ではありません。

来る災害を想定して適切に備えることが重要だと考えています。

そして、災害への備えを考える上では、地方での暮らしが非常に参考になるということを身をもって体感したため、なぜ地方が災害に強いと感じたのかをお話できればと思います。


インフラが弱いが故のサバイバル力


都市部に比べ、地方はインフラが整っていません。

私の家・地域はこんな環境です。

  • ガスはプロパンガス

  • 下水は汲取り(ボットン便所では無く、見た目は水洗と同じです)

  • 大雨や大雪の影響で年に3〜4回停電が発生

  • 暖房は電気を使わない灯油ストーブ(家庭によっては薪ストーブ)

  • 公共交通機関はバスのみ

  • 最寄のスーパー,コンビニまでは車で20分以上

エネルギー系のインフラに関し、都市部は都市ガス・上下水・電気が完璧に整備されています。

一方で地方は人口密度が低く、山間部の過疎地域は特に下水やガスを個々に手配する必要があります。

また、私の居住地域は停電が起きやすいエリアなのか、悪天候により停電することがしばしばあります。

このような環境下では、公共インフラを頼らずに自前でエネルギーの代替策を講じているため、コスト効率は悪いものの災害の影響を受けにくくなります。

私の場合、キャンプのランタンやポータブルバッテリーは常に備えており、停電が発生しても「いつものことだな」と考えやり過ごしています。

また、プロパンガスを家庭に備えているのでガス供給が止まることはありません。

さらに、都市部では下水が止まると水洗トイレが使えなくなり大惨事となりますが、私の家は浄化槽(いわゆる汲み取り)を備えており、浄化槽が満杯になるまでは影響がありません。

冬場の暖房は、灯油や薪を常に蓄えているため、電気が無くても灯油ストーブや薪ストーブで暖をとることが出来ます。(高冷地のため夏場はエアコンが不要)


そして交通系のインフラに関しては、地方は車文化ということもあり、公共交通機関への依存度が低いと感じます。

都市部では電車やバスが止まると一大事ですが、それぞれが車を所有し各自で移動する地方では公共交通機関の影響を受けません。


要するに、地方はインフラが無い分公共インフラへの依存度が低く、自分たちで何とかするための手段や知識・経験を備えているということです。

私は移住して実際にこの暮らしを経験し、これを災害時に生きる力だと感じました。


都市での生活は生きる力が身につきにくい

都市部では、各自が備えずとも行き届いたインフラが生活を支えてくれます。

必要なものは必要な時にサッと買いに行ける上、備蓄を置いておくスペースを確保するのも難しいため、備えは最低限となってしまいます。

あまりに便利な環境のため、公共インフラへ依存する方が合理的です。

一方で、あまりに恵まれた環境に慣れていると、災害でインフラが止まった時に路頭に迷ってしまう恐れがあります。

地震の直後やコロナが流行り始めた頃、慌てて買い溜めに急ぐ人が増え、スーパーの陳列棚が空っぽになる光景を目にしました。

日々備えるマインドが身についていない象徴のような光景だと感じながらも、自分自身もパニックになって群がる1人になっていたことが悲しくもありました。

都市部に暮らしながら地方のように自前でインフラを用意することは現実的では無いものの、災害時を想定し公共インフラへの依存度を下げ、代替策を講じておくことは非常に有効だと考えます。

また、自分で出来ることを増やすことも非常に有効であり、例えばキャンプを趣味にして火をおこす・炊飯器を使わずにご飯を炊く・屋外で寝るという体験やスキルを得ることは災害時の心の余裕にも繋がります。


私は東京圏を離れるという選択をすることで物理的な被災リスクを回避しましたが、地方の暮らしを知ることで災害への対応力も身に付けることができたと考えています。

移住を検討されている方の中で、災害への関心が高い方は、移住によって地方での暮らしを経験することも考えてみてはいかがでしょうか。

少しでも参考になれば幸いです。

-----

ここまでお読みいただきありがとうございました。

少しでも興味を持っていただける方はフォローいただけると嬉しいです。
同じような境遇・価値観をお持ちの方とのゆるやかなつながりを求めています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?