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モラハラ氏、お山の大将と結婚してしまった10数人の経験記3冊

①癖:田口ゆう著(人怖2 村田らむ著 竹書房に掲載)小説
②モラニゲ モラハラ夫から逃げた妻たち 榎本まみ著 飛鳥新社 マンガ
③モラハラと食洗器 堀井亜生/ゆむい著 小学館 マンガ&エッセイ

①癖:田口ゆう著 (人怖2 村田らむ著 竹書房に掲載)
 実話怪談短編集なのだけれど、ハラスメント案件あり。夫の城は豪華だけれど狂気だった。
 
 結婚を機に仕事をやめた女性は彼のマンションで暮らし始める。夫から渡される生活費は一日千円に限られていた。それも使い切らないと次を渡してもらえない。そんな夫は新妻の携帯から友達の連絡先を無断ですべて削除した。

卒業アルバムは焼却。自由に使えるお金はない。マンションの調度は豪華で、値のはりそうな書物で満たされている。軟禁されたような生活だったが、女性は結婚とはそんなものかと思っていた。ある日夫の性癖を知る時までは。

自分で選んでしまった配偶者。得体のしれない生きものにしか見えなくなっても「やーめた」にはできなかった。そんな我慢強さが裏目に出た。
結婚はゴールじゃない。
危険だと思ったら離れろ。
諭されたような実話怪談だった。

「癖」のヒロインが絶望したまま結婚生活をつづけた理由のひとつは、「経済的事情」だった。
助けて、人にヘルプを発信しなかったから、「婚姻費用」の存在を知らなかった。
「婚姻費用」が別居中でも配偶者が支払う義務のある「婚姻費用」。

結婚しても経済的な自立をキープするために、仕事はやめない方がいい。
それでも人にはいろんな都合がある。やめてしまったものは仕方がない。
そういう場合に知っておきたいコト。
大事なことだからもう一度書く。
結婚をしたのなら、「婚姻費用」が別居中でも配偶者から支払われる。

もちろん手続きは必要だけれど、世の中無料法律相談がある。役所の窓口でも教えてくれる。結婚を継続しているのなら、「婚姻費用」が別居中でも配偶者から支払われる。

そんな実例がモラハラ被害の実態と対処法を語るのが次の二冊。
② モラニゲ モラハラ音から逃げた妻たち 榎本まみ著
③ モラハラと食洗器 堀井亜生/ゆむい著

②はマンガで配偶者からののしられ、おまえはそれだから駄目なんだとなじられ続けた実例が描かれている。アメリカ人や韓国人との国際結婚の話もあり。
そこから弁護士やモラハラ被害者支援の専門家、そして臨床心理士のコメントが載っている。
マンガだから中身が薄い本かと思いきや、まったく正反対で、マンガだから読み切れた。実用的な話がぎゅうっと詰まっている。

③はマンガ混じりのライトなつくり。弁護士サイドから書かれている。

どちらの本もまいルールを押しつけてくる夫とそれに振りまわされる妻、どんどん笑顔が消えていく結婚生活が描かれている。

自分の直観を信じて、違和感があったら観察しろ。自分の魂を大切に。そして子供がゆがんだモデルケースを身につけてしまう前に離れて。

ふた親揃っていたらいいものなのか。
幼稚園にもなると子供は頭が痛い、お腹が痛いと体の不調を訴えはじめる。小学校になるとモラハラ行為を学校でやらかす。不登校になる子もでてくる。
下手したらそのサイクルが次の世代に受け継がれる。
そんな実例が②③にはいくつも出てくる。
あなたが幸せでなければ、子供だって幸せに離れない。

嫌なことは嫌と言おう。
相手の嫌がらせがやまないならば助けを求めよう。
役所や弁護士の無料相談を利用しよう。
離婚専門の弁護士、口コミ、信頼できる家族、友達。
かかりつけの医者と相談してもいい。一般医、婦人科…。
助けてと言えばきっと誰かが助けてくれる。

「奥さんそれくらい我慢しないと」言う窓口に当たるかもしれない。そしたらさっさと次を探そう。
そういう窓口はモラハラする側と変わらない。
事実そういう人間がモラハラ側の弁護に立つ。
そういう人たちからは、さっさと立ち去る勇気を持とう。

立ち去って、自分らしく生きられるようになるために、この本たちが世に出ている。

②モラニゲ モラハラ夫から逃げた妻たち 榎本まみ著 飛鳥新社 マンガ
③モラハラと食洗器 堀井亜生/ゆむい著 小学館 マンガ&エッセイ


#わたしの本棚



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