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サンタクロースは何者でもないのかもしれない

こんにちは。

気がつけば、すっかり年末。クリスマスを迎える前に、スーパーではお正月を迎える商品が並び、うちもまんまと鏡餅を買ってしまいました。東京では珍しく、『丸餅』版の鏡餅が売っていたから。関東は角餅で、関西は丸餅の文化というのを知識として知ってはいたけれど、はじめて東京で年末を迎えたとき、あまりにも角餅しか並ばないスーパーの陳列棚を前に、「ああ、東京へ来てしまったんだ」なんて、郷愁を感じたことを懐かしく思います。

さて、クリスマスを嫌いになってしまった娘のその後について。

とうに許容されたものと思っていたのに、ときどき思い出したように、ツリーを花瓶に戻して欲しいとか、我が家のクリスマス飾りにケチをつける娘。それでも、以前とは少し様子が変わってきた。

「サンタさんに頼んでみようね」と諭したことを覚えていたのか、それとも保育園で教わってきたのか分からないけれど、『クリスマスにはサンタさんからプレゼントがもらえる』というのを知ったらしい。特に、こちらが尋ねたわけでもないのに、ときどき「○○ちゃんは、アンパンマンのコロコロもらうの」と口にするようになった。

しかも、「だから、いい子にする」と言い出して驚いた。もしかしたら「いい子にしないとサンタさんからプレゼントもらえないよ」的なことを誰かから聞いたのかもしれない。親バカのわたしは、「○○ちゃんは、そのままで“いい子”だから、わざわざならなくてもいいんだよ」と言いつつも、がんばって”いい子“になろうとしてくれる娘に「じゃあ、お言葉に甘えて、おかたづけ手伝ってくれる?」と、ちょいちょい乗っかってみたりしている。

すると、「○○ちゃん、おかたづけしたからアンパンマンのコロコロもらうんだー」と満足気。2歳の娘は、おそらくまだサンタさんが何者かは知らないはずで、それが本物のサンタクロースであろうとも、サンタさんから業務委託されたパパであろうとも、そんなことは関係なく、サンタさんを信じている。娘にとってのサンタさんは、たぶん白髭の大きなお爺さんではなくて、『何かを楽しみに待つ』という行為そのものなのだろう。

子供のころ「サンタさんはいる」と心のどこかで信じていたわたし。何なら、いまでもちょっと信じている。それは、娘と同じく『何かを楽しみに待つ』気持ちを信じているのかもしれない。なんて、娘を通して想像する。

ところで、例の“アンパンマンのコロコロ”は、スーパーの陳列棚に残り1個だったところを無事に確保でき、我が家のクローゼットの奥で今か今かと出番がくる日を待っています。


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