見出し画像

ケーブルテレビメディアを考える

今日は、ケーブルテレビメディアを改めて考えることにします。

ケーブルテレビとは?

知らない人のために簡単な説明をしておくと、通常テレビを見たい時は、スカイツリーの電波を自宅のアンテナでキャッチしてテレビを楽しみます。
ケーブルテレビの場合は、ケーブルテレビ局が電波をキャッチして、有線でご自宅のテレビまで配線してお楽しみいただく仕組みとなり、アンテナが必要ありません。
また、おおよそ1つの行政区に1つのケーブルテレビ会社しか営業をしておりません。例えば、J:COMが利用できるエリアは、J:COM以外のケーブルテレビ会社のサービスを受けることができないのです
見れる番組は、民放の他に、契約次第でCS放送を見ることができます。また、インターネットや電話回線も契約できますが、それは以下ブロードバンドの章で解説します。

OTT(Amazonプライム、Hulu、ネトフリ)が席巻している現在、ケーブルテレビはというと値段は高いし、立ち合い工事をしなければサービスが使えないなどと、正直なところ時代遅れなサービスが箇所箇所に見受けられます。

ケーブルテレビの本来の役割と現状

元々は、テレビの電波が自宅まで届かず、テレビが見れない人たちのために(電波障害など)、有線でみれるようにしようと第三セクターで始まったのがケーブルテレビ業界なので、公的な理由として、視聴者の視聴環境整備という視点がどうしても残ってしまいます。収益化という観点でのビジネスライクな視点が欠けてしまっているのが現状課題。

ブロードバンドという言葉はケーブルテレビから

ひと昔前の言葉ですが、ブロードバンド(広帯域ネットワーク)は、ケーブルテレビから生まれた言葉。その後、携帯各社が使いはじめたと記憶してます。
広帯域ネットワークとは、幹線(ケーブルテレビの有線網)における帯域幅が広く、テレビサービスだけでなく、インターネットや電話回線など様々な通信サービスが提供できるためとご理解いただいて良いです。
ケーブルテレビのブロードバンドが、マーケットインとして、どんなメリットがあるかというと、テレビが楽しめる、電話が使える、ネットが使えると、単に各通信サービス訴求として生活インフラとしての提案しかしていないのが現状です。ケーブルテレビ以外の通信事業者も同じようなサービスやコンテンツを展開しているので、すでに商品が市場では、コモディティ化しており、サービスによってはレッドオーシャン化しているってことですね。

台風災害とケーブルテレビ

一方でケーブルテレビは、アンテナがいらないので災害に強いなど、過去に記事が上がっているのを見たことありますが、正直なところ幹線は有線である限り、物理的に強くはないのでは?というのが一般論。しかし台風時には隠れたメリットがあります。

ライブカメラ需要の高まり

全国に記録的猛威を奮った台風19号では、ケーブルテレビメディアが見直された記事がありました。それはライブカメラ(定点カメラ)です。
民放では放送しきれない全国一斉の災害状況を、映像でカバーしたのがケーブルテレビのライブカメラ映像です。身近な外の様子をライブ配信する事で、視聴者の不安を解消したり、避難の一助として活躍しました。
メディアコンサルタントの境治先生が、当時以下のような記事を投稿しています。

台風情報をテレビはどれくらい伝えたか?(境治)

ライブカメラ普及の課題

防災の一助となるライブカメラですが、実は設置場所に苦労をします。カメラ本体の設置場所の許可取りもそうですが、そこから写した被写体が著作権などの権利処理に引っかからないように、フォーカスを考えて配信設定する必要があったり、豪雨でも耐えられるロケーションや機器を選ばないといけなかったり、細かい苦労があります。YouTubeのように一般ユーザーが手軽に開始できるというものでは無いため、少なからず専門的知識を必要とします。

ケーブルテレビが次世代に残る可能性

ケーブルテレビは行政区単位で営業範囲が限られているため、ケーブルテレビ一社で全国配信をすることができません。それゆえ民放やYouTubeほど強固な配信プラットホームはありません。
また番組スポンサーも限られているので、番組制作費も民放のように大きくかけれるわけではありません。ケーブルテレビのプラットホームで、テレビや動画市場を生き残るのは非常に難しい状況なのです。
ですので、コンテンツホルダー(番組制作者)として、民放では真似できない、OTTでは真似できない番組制作力をつけて行かなければいけないというのが現状の答えなのかもしれません。
となると、ライブカメラは、そのひとつというわけです。公益性に今こそ傾倒し、全国のケーブルテレビが連携し、ライブカメラの全国設置に力を入れて、他者が追従できないビジネスプラットフォームを作るときなのかもしれません。

個人的な意見ではありますが、どなたかの参考やお役にたてたら幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?