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日本語ボランティアを始めてみた(「発展」と「発達」の違い)

 表題の通り、日本語ボランティアに行ってみた。その時の感想だったり、疑問だったり、記録していきたい。

 今回は初めて、ということで、他の日本人先生の会話の授業を傍聴。そこでいきなり疑問が生まれてしまった。
 発達と発展の違いって何!?
 私の家には辞書がない。最近はもっぱらネットで済ませていたから。とりあえず、ボランティアを続けるために、電子辞書がめでたく欲しいものリストに追加された。

 そもそもの話の発端は、生徒さんと先生の会話。なんで日本に来たの?という定番の質問で、生徒さんが「自分のいる産業が発達して、飽和状態になったから日本に仕事しにきた」と答えた。そこへ先生が「発展じゃないかな?」と修正した。そこで、発達と発展の違いが説明できなくて、「辞書が欲しい!!」となった訳だ。

 ここからは私の所感である。
 発達というと子供、知能、低気圧など。これらには発展は使わない。
 発展するのは、国、産業、経済など。
 どちらにも使えそうなのが、文明、技術など。
 発達するほうが、具体的なものが多いだろうか…。発展の方が、概念より??

 ネットで、まさしくこの問いに答える論文があった。
 ネットって素晴らしい!
 が、内容が難しい。サラっと読んでサラっと理解とはいかなかった。悲しい。
 要点を掻い摘むと、次のような感じだろうか。
 「発達」は体や心が成長して完全な状態に近づくこと。「発展」は伸び広がる栄える盛んになること。また、発達の方が使える範囲が広く、自然現象や心身に使える。発展は使える範囲が狭い。更に、基本的な意味はどちらもより高度な状態に移行することをさすが、発達は大きくなる高度になることに重点を置き、発展は規模領域の拡大、広がることに重点を置いている。
 なるほど、私の具体的なものと感じたのは人の体や自然現象ということだ。逆に概念的と感じたものは終わりがないから、発達して完全な状況になりにくいもの達だ。

 「ふむふむ、なるほど〜」と思ったところで初回のボランティアでの疑問は解消された。
 とりあえず今回の宿題は、辞書を買う、ということだ。

参考:慶應義塾大学
   日本語・日本語文化教育センター紀要
   「日本語と日本語教育」49:81-95
   中級語彙の教え方による一考察
   ー「発達」と「発展」の場合ー
   村上 絢乃 著

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