「長期優良住宅(新築)促進のための特例」の4つの認定取得メリットとは?

耐震性や省エネルギー性などに優れ、品質の高い建物として認定される「長期優良住宅」。


建物の性能が求められている昨今、これから家づくりを検討される方は是非とも理解をしてもらいたい認定制度です。


「名前は聞いたことあるけど取得すると何か良いことあるの?」

「よく分からないけど住宅会社さんに進められたから何となく良いのかな?」という方も多いのでは?


認定されると様々な特典が受けられるのですが、今回はその中でも特に知っておいてもらいたい4つのメリットを紹介します。

長期優良住宅(新築)ってどんな建物?


長期優良住宅とはその名前の通り、「この建物は優れた性能を持っています」と国からお墨付きをもらうこと。


具体的には「劣化対策」「耐震性」「省エネルギー性」「維持管理・更新の容易性」「可変性」「バリアフリー性」「居住環境」「住戸面積」「維持管理保全計画」といった9項目全て一定の基準をクリアした建物が認定を受けることが出来ます。


中でも「耐震性」と「省エネルギー性」は建築主の方もこだわる人が多いそうです。


「耐震性」は建物の強度を測る基準に「耐震等級」というものがあり、2以上が求められます(1・2・3があり3が最高等級)。


そして、「省エネルギー性」についても断熱等性能等級で等級4を取得する必要があります。


一定の基準を設け、長期にわたり良好な状態で使用してもらうことを目的としています。


認定を受ける上で知っておきたい4つのメリットとは?


まず、1つ目が税の特例措置として「住宅ローン控除の限度額の引き上げ」が挙げられます。


令和3年12月31日までに入居した建築主を対象に住宅ローン控除の対象限度額が4000万円から5000万円に増額されます。


つまり、借入れ金額が多く収入が高い人は税優遇が受けられます。


2つ目は「固定資産税の減税措置」。


土地や建物を購入すると当然ながら資産を持つことになるので「固定資産税」を支払わなければいけません。


現状であれば、住宅購入(戸建て)をすると建物部分の固定資産税は無条件で3年間半額になりますが、長期優良住宅を取得するとその期間が3年から5年に延長されます。


3つ目は「住宅ローンの金利引き下げ」。


建物購入時にフラット35を活用する場合、長期優良住宅を取得していると金利優遇が受けられます。


具体的にはフラット35S(Aプラン)という基準を満たすことができ、当初10年間は金利が年0.25%引き下げられます(2020年5月時点)。


4つ目は「地震保険料の割引」。先ほど説明したように認定を受けるには耐震等級2が必要です。


それを満たしていると地震保険料が30%割引になり、さらに耐震等級3であれば50%割引になります。


その他にも「登録免許税の税率引き下げ」や「不動産取得税の控除額増額」など沢山のメリットがあります。

認定が受けられない土地があるってホント?


取得することで発生するデメリットや注意点はもちろんあります。


まず、申請手続きが通常よりも多いので着工までに時間がかかる点。


長期優良住宅の申請方法は、まず基準を満たしているか評価機関に技術的審査の依頼をかけます。


そこで適合証の交付を受けた後に所管行政庁へ認定申請を実施。


受理されてやっと着工が出来ます。


不慣れな住宅会社だと2ヶ月程度要する可能性があるそうなのでその点は考慮されたほうが良いと思います。


あとは申請費用がかかるので初期費用が当然ですが発生します。


そして、意外と知られていないのですが、土地によって長期優良住宅の認定が受けられないことがあります。


これはその土地が「都市計画道路」になっているかどうかで判断されます。


都市計画道路とは計画的な都市づくりを目指すために都市計画の一環としてつくる道路のこと。


簡単に言うと「将来、道路になるかもしれない」土地であり、その上に長く住める建物として国が認定をすることが出来ないためです(長く住まれてしまうと道路に出来ないから)。


そのため、土地探しの際は不動産屋に「都市計画道路」に該当するか確認した上で購入を検討された方が良いと思います。

まとめ

「長期優良住宅普及促進法」が2009年6月に施行され、平成30年度の認定戸数は108800戸で、新築着工住宅全体に占める割合は11.5%。


国は令和7年度で20%を目標にしています。


上記でデメリットもお話ししましたが、やはり、トータルで考えるとメリットの方が断然際立っています。


「長期優良住宅」という名前を聞くと、ものすごく性能を高めないと認定が取れないイメージがありますのが、決してそのハードルは高いわけではありません。


現状であれば建て売り住宅でもその基準をクリアしているものも沢山あります。


また、将来的に売却をすることがあった場合でも、認定を受けていれば資産価値が上がるので売却益が高まる可能性もあります。


これらの特例は現状だと令和4年3月末までなので、これから住宅購入を視野に入れている方はぜひ検討してみてはいかがでしょうか?

住み替えを検討している人は、以下の記事で紹介している3,000万円特別控除についても知っておくと良いと思います。


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