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「57577」のゲームデザイン(1)

2011年に幻冬舎エデュケーション(当時)から「はじめての百人一首」という商品を発売しました。考案者は私、イラストは妹です。

百人一首って、あの百人一首でしょう? 考案者ってなんぞや? と思ったあなた、正解です! 

かるたふたり

鎌倉時代の歌人・藤原定家さんが100首選んだ歌が百人一首。そこからさらに<季節の歌・有名な歌・親しみやすい歌>だけ30首を選んで、読み札・取り札にイラストを描き、同じ人物も描くことで「絵合わせ」としても取れる、さらに、はじめの一文字目も取り札に入れちゃいました、という「超・入門」の百人一首を考案したのです。


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だって、100首も覚える必要ないじゃないですか。多いし。子どもに意味を聞かれたら答えづらい歌もたくさん入ってるし(主に失恋系)。

そして、取る札、みんな文字ばっかりでつまらないし、見た目ももっとカラフルな方が楽しいでしょう。せっかく歌人たちの絵が描いてあるのに、読む人しか見えないのももったいないし!

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というわけで、工夫盛りだくさんで作った「はじめての百人一首」。好評につき<新装版>、そして細かな細工を変えた100首バージョン「みんなの百人一首」(大人も子どももみんなで遊べて、100人みんないるから!あと「みんなのゴルフ」とかゲームっぽいかなって命名)も、解説本『はじめての百人一首ブック』もそろって発売中です!!(ちなみに、イラストが妹なのは、企画を持ち込むのに描いてもらったら、そのままのイラストで! となったため。「みんなの~」では200枚のイラスト、それも着物、大変そうでした……姉は後ろで指示しただけで、ごめんね!!)「はじめての百人一首」アプリもあります! 広告なしで無料!(製作費を自分で出したから……)

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さて、ここまでがプロローグ。そんな「はじめての百人一首」シリーズを作っているときに(いつかは、現代短歌のカードゲームも作りたいな)と思っていました。だって、百人一首、確かにいい歌ですが、平安時代に詠まれた歌が中心。1000年前です。村上春樹さんの小説やエッセイより『源氏物語』や『枕草子』の方がよく売れてる、みたいなものです。現代までずーっと短歌は詠まれてきたのに、あんまり知られてないの、すごくもったいない! この時点では(やはり、現代短歌のかるたをつくるべきかなあ)と考えていました。

でも、試作してみたのですが、あんまりうまくいかない。ぱきっと575と77で分かれている歌で、名歌で……と探すと、出来なくはないけれど、うーん、むむむ。といった仕上がりに。せっかく作るなら、いい歌ばっかり、自信を持ってお勧めできるものだけをそろえたい……。「現代短歌かるた」まだ完成はしていません。こつこつ集めてはいるので、いつかは、完成するかもしれません。

そんなときになべとびすこちゃんの考案した「ミソヒトサジ<定食>」で遊ぶチャンスがありました(初代から持ってはいたのですが、なかなか人と遊ぶ場がなくて)。かるたよりも、この「5文字の言葉」と「7文字の言葉」を組み合わせて短歌を作るゲームをベースにしたほうが、ゲームが作りやすいかも、と思ったのでした。

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「57577」のゲームデザイン(2)に続く。

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