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生物教師が生物の沼にハマるまで

なんやかんやで、中学と高校の生物教師をしているうらちゃんです。ICT関連のことにどっぷりつかっているので、一体何の教師をしているのかたまによく分かりません。

たまたまNoteのこんなタグを見つけたので、大学時代にどっぷりはまった小さな生き物たちのお話をまとめて、生物の沼に進んで教師になった自分を振り返ってみたいと思いました。

生物の沼に進んでしまった高校生

そもそも、生物の道に進んでしまった(語弊)きっかけは、高校1年生の担任に

「なんでお前物理選択したん?生物取れ生物。生物は面白いぞ」

元担任

と言われたため。
当時は特に考えず二つ返事で、生物に変更しました。
そこから、いろんな実験や体験をさせてもらったこと、家族や親族と旅行に行った時にいろんな自然に触れさせてもらえてたことから、生物という分野には馴染みやすかったのかなーと思います。

まさか10年後、生物教師になってから、生物の沼に誘導した担任の先生の名前を、生物の教科書の共著欄で見ることになろうとは思ってませんでした。

小さな生き物の魅力

体の大きな哺乳類はもちろん、両生類や魚類にはあまり興味がなく、小さな生き物の方が好きでした。

最初に心惹かれたのは、高校生の時に大学の海洋実習に参加したときに、目の前の海で採取したウミホタルを観察したときです。
こんなに小さな生き物がどうして光ることができるんだろう、目に見えない普段は何して過ごしてるんだろうと思ったのが始まりでした。

旅館番頭の佐渡観光情報ブログより
まだうらちゃんは佐渡に行ったことはありません。

高知でも何度か捕まえようと健闘しましたが、未だ捕まえられず。待ってろよー。

ミジンコとの出会い

大学で、水の研究室(湖・池・水質浄化・地下水なんでもござれ)に入って、何をするのかいろいろ資料を読んでいた時にこの本に出会うんです。

Amazonより

本当にミジンコは可愛らしくて(そもそも単眼で)、賢そうなんだけど抜けてるところがあって(魚に食べられないように体を大きくして結局食べられて、水面の表面張力に負けて死んだり、水中を小さな体で昼と夜で行き来するけど月明りに負けて水面へ…)、面白いんです(真顔)

下の写真は当時、スマホ(顕微鏡越し)で頑張って取った写真です。

オナガミジンコだったかな
ミジンコじゃないケンミジンコとオカメミジンコ
真ん中のお鼻が長いのがゾウミジンコ

この本を読んだ自分は、過去に研究室の先輩が池の淵で行った水質観測の卒論を見て、教授にいらないことを言ってしまいました。

「先生、これ、池の中心部で垂直方向に水質の掲示変化データとったら、もっと分かりますねー」

まさか、ミジンコを昼・夜それぞれ深度別で採集・ろ過し顕微鏡で何万匹も観察(ホルマリンの臭いが懐かしいです)し、それに合わせて池の真ん中にボートで漕ぎ出して測定機械を垂らして測定&水質サンプリング(真冬は寒かった…)を数時間ごとに24時間連続で行う強行日程を、春夏秋冬するとは思っていませんでした。(研究室のみんなごめんよ)

その後、出会いとなった本の著者である花里先生の元に1ヶ月の修行に行くのは、卒論を提出する直前でした。

理科教師として

修士1年が終わろうとしていたころ、教職課程のボスから声がかかり、私立中高の理科教師としてスタートした次第でした。

修士論文を書きながらの、教壇に立つ教師としての1年間はなかなかに辛かったです。教授に「僕も働きながら博士論文書いたよ」なんていうスーパー超人のことを信じるべきではなかったです(笑)

でも、そのおかげでいろいろな経験を積みながらの理科教師として1年目を過ごすことができました。

教師を初めてこの4月(2024年)で、教師として10年目を迎える訳ですが、ここ最近はやっとこさ周りの生き物をやっと知ろうという気持ちが湧いてきました。

これまで生物科の理科教師のくせに、生き物自体をあまり積極的に知ろうとしてなかったなーという反省からです。
言い訳として「生物教師は、医者じゃないし、植物学者でもないし、鳥類学者でも哺乳類学者でもないし、遺伝子工学や細胞化学の教授じゃないんだか、詳しいことは分からん!」でした(笑)

第一学習社の高校生物

それで、ふと見まわしたときに「自分て周りの生き物のこと全然知らんなぁ」でした。
そのきっかけが、このいきものコレクションアプリBiome。

AIに画像判定させて、候補をピックアップし種を同定していくというものです。分からなければ、全国のBiomeユーザーに質問することができます。

アプリでかざせばかざすほど、あれも知らないこれも知らないという現実に向き合うことになり、「これはいかん」と思い日々勉強してます。

それで勉強すると、さらに「分からん」が増えてきます。
最近は「分からん」が増えることが少し楽しみだったりします。新しく知った「分からん」を、生徒にも嬉々として「分からん。なんでやろ?」と聞いてます。

もっともっと「分からん」が増えるように、1人の生物教師として頑張ります。

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