フォーマットは関係ない、だから楽しい。『土曜朝6時 木梨の会。』(好きなラジオのことを書く)

「おはようございまーす。」

いつも朝の挨拶からはじまる。ただ、いつも通りなのはここまでだ。
ここから何が起こるか分からない。他の出演者やスタッフですら分からないことがあるだろうと思う。だからリスナーである自分たちはもっと面白い。

TBSラジオ『土曜朝6時 木梨の会。』の話だ。

もうすぐ2年を迎えるところで100回目の放送となった。
おめでとうございますという気持ちとともに、大好きな『木梨の会。』の面白さを伝えたい。

『土曜朝6時 木梨の会。』とはどんな番組か

2018年10月から放送開始となったこの番組。
番組HPには、以下のような紹介が書かれている。

週末が始まる土曜の朝に、木梨憲武さんがお送りする明るく元気なトークバラエティ番組!自身もすっかり朝型生活になったノリさんが生放送でペラペラペーーーラ!!!

紹介文のとおり、トーク中心の番組。初代のアシスタントはTBSアナウンサーの古谷有美さんが務め、今は2代目として近藤夏子さん・篠原梨菜さん・山本里菜さんが担当している。

朝、特に休日の早朝からバラエティ番組を放送するのは珍しい。朝6時と言えば情報番組や教養番組、1日の始まりを落ち着いてスタートするような、そんな番組が多い印象だ。
ところがノリさんには、そんなことは関係ない。番組冒頭からフルスロットルで喋りだす。

番組のタイムテーブルも「一応」ある。

6:00  オープニングトーク
6:10頃 コーナー①
6:30  ヘッドラインニュース
6:35頃 コーナー② 木梨にほうれんそうの会。
6:50  TBSラジオ 交通情報
6:53頃 木梨の会。交通情報&周辺情報
6:56頃 エンディング

最初はこれに沿って番組が進行されていた。が、2年が経とうとする今や完全にタイムテーブルはこの形ではない。

6:00  オープニングトーク
6:30  ヘッドラインニュース
6:35頃 木梨にほうれんそうの会。
6:40頃 トーク
6:50  TBSラジオ 交通情報
6:53頃 エンディング(トーク)

という形で(あくまで個人の感覚です)、番組が始まればノリさんがずっと喋っている。ノリさんが歌う楽曲が流れたり、ゲストを交えたり、一般のリスナーが出演したり。シチュエーションは様々あれど、基本的にはノリさんの喋りで番組は進んでいく。
その喋りも、ゲストやリスナーですらどんな方向に進むのか分からない。だから聴いているこっちはもっと面白い。

とにかく「スタジオには居ない」、『木梨の会。』

そんな、何が起こるか分からないトーク番組『土曜朝6時 木梨の会。』。分からないのはトークの内容だけではない。

番組が始まって3回目には、すでにスタジオに居なかった。個展である『木梨憲武展』の準備を兼ね、広島県三次市の観光協会の横から放送。
5回目には、もう国内にも居なかった。サッカーの取材のためドイツ・フランクフルトのホテルから通話形式で放送していた。

他にも番組冒頭でなぜかノリさんが渋谷の中継をしていたり、誕生日を迎えたリスナーのお宅から放送したり。ハワイや湯河原の旅館、大阪・ABCラジオ、環八そばの喫茶店、笹塚ボウルでボウリングをしながら放送する回もあった。
個展の関係で各地から放送することもあれば、なぜかリスナーの所有する畑から放送することもある。1ヶ月の間で1回しかスタジオにいないときもあった。逆にアシスタントの古谷アナや、番組の企画で集まったリスナーは温泉旅館に居るのに、ノリさんだけスタジオからという回も。

今はこういう時期のためスタジオでの放送が中心になっている。けれど、メインパーソナリティがここまで動いて、スタジオの外から積極的に放送するラジオはなかなか無い。

『木梨の会。』に集まる、ありえないゲストの面々

そして、ノリさんの友好関係・人脈から来るゲスト出演も面白い。というか、これについては豪華すぎる。
4回目の放送で、スタッフに内緒でカンニング竹山さんを呼んだことに始まる。(竹山さんとは番組開始直前に『のりたけやま』という特別番組を放送している。今や準レギュラーというべき出演回数で、竹山さんの方から連絡をして放送に出ることもあるよう。)

藤井フミヤさんやヒロミさんといった仲良しで知られる方はもちろん、水谷豊さん、コシノジュンコさん、林家正蔵さん、秋元康さんといった大御所の方々。ジュビロ磐田の今野泰幸選手やオランダ・堂安律選手といったスポーツ界、伊藤淳史さんや小栗旬さん、生田斗真さんといった俳優陣。お笑い芸人も数多く出演している。そして、こういったゲストはノリさんが「ノリ」で声かけをしたら出演ということだからスゴい。

朝のラジオ番組には豪華すぎる面々の一方で、一般の方々も多く番組に出演しているから面白い。
「帽子屋の栗原さん」「カバン屋の加藤さん」「仏壇屋の坂田さん」は定期的に出演していて、リスナーならその名前を知るところ。餃子のお店を開きたいリスナーさん、交通キャスターの方、小学生や中学生が出演したこともある。ノリさんの財布を拾った方がラジオに出演するという会もあった。
番組開始当初にコーナーの1つとしてあった「木梨の会。交通情報&周辺情報」も、リスナーが自分の住んでいる地域の交通情報を電話で伝えるというものだった(結構好きなコーナーでした)。

普通ゲストというと、リリースした作品のプロモーションを兼ねて、またはコーナー等で扱う題材に関係するような人が出演するもの。『木梨の会』は(そういう回もあったかもしれないけれど)、ノリさんが呼びたい人に、ノリさんが声をかける。だから本当にゲストとのプライベートなトークをそのままラジオで聴いている感じだ。

リスナーもどんどん参加する、だから楽しい

もう1つ『木梨の会』の特徴は、「募集が多い」ということ。
コーナー(「木梨にほうれんそうの会。」)関連もあるが、とにかくノリさんからのプレゼントが多い。海外のお土産やノリさんが出演した番組に関するものなど、ノリさん曰く「プレゼントフェア」が番組の色の1つだ。

放送作家のオーディションや、帽子のデザイナー、役者、芸人、笑福亭鶴瓶さんの弟子入り志願者というものまで募集するときもあった。ノリさんの人脈からくる募集なのだと思うが、リスナーからすると夢の一歩になる人もいると思う。

そして何より、ノリさんの活動に関わる募集も数多くある。音楽フェスで踊るダンサーを募集したり、ノリさんが実際に歌う楽曲を募集したり。一緒にハワイに行くリスナー、温泉旅館やホテルに行くリスナーの募集というものもあった。

これらはGYAO!の『木梨の貝。』とも連動していて、募集した結果や実際の活動を映像として観ることもできる。

自分はあまり『木梨の貝。』の方は観られていない。だが、最近のラジオの取り組みとして映像メディアやポッドキャストとのミックスが積極的に見られるようになった。
『木梨の会』は先駆けていた方なのかなと思っているし、「ラジオを聴く」「メールやハガキを送る」ということ以外に、番組関連の取り組みに「実際に出演する」というのはリスナーとして本当に嬉しい。

フォーマットの無い、ノリさんに「巻き込まれる」ラジオが『木梨の会。』

これまでの100回の放送でどのようなことがあったのか、ザックリと紹介した。
改めて考えると、『土曜朝6時 木梨の会。』はノリさんがやりたいことをやる。そんなラジオなのかなと思う。今まで聴いてきたラジオとは違う、フォーマットがあるようで無い、自由なラジオだ。

でも、1週間にあったことをノリさんが土曜の朝6時からフルスロットルで、めちゃめちゃ楽しそうに話してくれる。だからオープニングから20分、ノリさんが1人で話していてもずっと聴いていられる。

ノリさんがやりたいことを、「こういうことするから、ちょっと応募してよ。やりたい人・できる人来てよ」と気軽に投げかけてくれる。だからリスナーは全員楽しんで、積極的に参加する。

自分が楽しいと思うことに、周りの友人・各界の著名人の方々やリスナーまでどんどん巻き込む。巻き込まれたほうも本気で取り組んでくれるし、リスナーも自分から巻き込まれにいく。
ノリさん1人がメインのようで、どんなラジオ番組よりも多くの人が関わって作り上げている、そんな番組だと思う。

聴いたことのない方は、一度聴いてみてもらいたい。できればリアルタイムで。
休みの日であれば、休日の良いスタートになるし、仕事の日であれば、1日の元気をもらえる。
テレビ番組でとんねるずの2人を長く見てきた人も、とんねるずやノリさんのことをよく知らない人にも、おすすめの番組だ。


放送100回、おめでとうございます。
今後もノリさんの自由奔放なひらめき・行動に、巻き込まれていきたいです。
土曜の朝6時から、ノリさんをはじめ、いろんな方々の元気で楽しい声が聴けるのを、引き続き楽しみにしています。

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