継続は力なり

「何事も続けることが一番難しいんだ」

少し前ですが、ある先輩が、新規企画の立ち上げが無事に終わった打ち上げの席でそう漏らしていました。

「俺が来年いなくなったら、また別の人が引き継ぐ。俺たちがどんな想いでこの企画を立てて、どんな苦労を経て今日まで来たか、その人はほとんど知らない。そしてその人が、この仕事を思い付きで変えたり辞めたりすることだってあるだろう」

ビールをチビチビと口に当てるのと引き換えに、今日この日に至るまでの苦労を、なぜか悔しそうに語っていたことが印象的でした。きっと、ご自身の異動とともに、この企画がいとも簡単に別のものに変わってしまうことを危惧したのでしょう。

ただ先輩は一通り吐き出しきると、今までゆっくりと飲んでいたビールを一気に飲み切りカラッとした表情で

「継続は力なり、なんて言うけどな、想いも持たぬまま、俺たちが立てた企画をダラダラいつまで続けるよりかは、信念を持ったうえで、改善してくれたりぶっ壊してくれるほうが全然いいんだ!」

と言い切りました。これが僕にとってはとても印象的でした。

多くの人は「継続は力なり」という言葉に惹かれて、何かにつけて途中でやめてしまったりすることを悪しきものと捉える傾向にあると思います。

ただ、継続するもしないも、意志に基づかない限りは、時間の浪費になりかねません。

結局のところ、何かをするうえで大切なことは、ことを成し遂げる上での強い信念や意志の力なのだろうな、とその先輩との話を聞いて思いました。

今やその先輩は会社を辞めたらしく、噂では起業されて、地方創生関連のお仕事をされているとか。

ぶれない意志を持つことというのは本当に難しいことですが、その先輩の姿を思い出す度に、いかにそれが大事なことなのか、そしてそれが人生の原動力になるのかというのを思い知らされます。

私がnoteに書き続ける気持ちはどこから湧き出ているのか…案外、ぶれない意志というのは、意識の表面に現れておらず、ある日、ふっと表に顔を出しているところを、偶然掴んでしまうようなのかもしれません。

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