ロジカル思考で説得力を高めよう① - 「Why-So」「So-What」の使い方
なぜ「風が吹くと桶屋が儲かる」のか、
考えたことはありますか?
以下のように、実は風が吹くと桶屋が儲かるの間にはこれだけのプロセスがあるようです。
風が吹く
土埃が立ち、盲人などの眼病疾患者が増加する。
盲人などが三味線を生業として、三味線の需要が増える。
三味線製造に猫の皮を使うので、猫が減り、鼠が増加する。
鼠は桶をかじり、桶の需要が増加する
桶屋が儲かる
ここまで細かくする必要はないかもしれませんが、仕事の場で詰めが甘いと「それ、根拠あるの?」「いいと思うけど優先度は低いよね」と提案を残酷にも(!)切り捨てられてしまうことがありますよね。
せっかく思いついた良いアイデアをうまく相手に伝えたい。ロジカルシンキングは、そんなときに役立つ思考方法です。しかも伝えたいことを構造の箱に入れるだけで説得力があがるという、お手軽ツール。
ということで、第1回は「Why-So」「So-What」の使い方について解説してみようと思います。
Why-Soとは
Why-Soとは、なぜ、そうだといえるのかのことです。
会話の中だと、
というように、確からしさを質問するときに使われることが多いです。相手に聞かれる前に、自分の主張を補強する使い方もできます。
という具合ですね。
例えばオオカミ少年が、「オオカミが来るぞ~!」と言っても、誰も反応しないかもしれないですが、
「オオカミが来るぞ~!というのも、さっき小屋の中に獣の足跡があったんだ。そもそも例年この時期は山の食物が不足して動物による作物被害が…」と詳細な説明があると、
「あれ?今回は本当かも?」と思いますよね。
このように、Why-Soは
信ぴょう性をあげるために「根拠」で補強するために使われます。
つまり、実現可能性はどのくらいあるのか?
をどこまで高められるかが、Why-Soの存在意義だと言えます。
So-Whatとは
So-whatとは、だから、どうした?のことです。
会話の中だと、
というように、主張の正当性を質問するときに使われることが多いです。こちらも相手に聞かれる前に、自分の主張を補強する使い方もできます。
という具合ですね。
例えばオオカミ少年が「今年は冷夏ですね」と言ったところで、村人たちは「それがどうした?」「確かに涼しいけど…それで?」という反応に終わるかもしれません。
しかし「今年は冷夏ですね。ということは自然の作物が育たず野生の動物が村まで降りてくるかも。この辺はオオカミが多いので注意が必要です」と詳細な説明をすると、
「なるほど、これは警戒しなくては」と思うはずです。
このように、So-Whatは主張のインパクトをあげるるために使われます。
つまり、重要性はどのくらいあるのか?をどこまで高められるかが、Why-Soの存在意義だと言えます。
まとめると、以下のようになります。
Why-So / So-Whatの関係性
両者の関係を図でまとめると、以下のようになります。
主張の根拠を掘り下げるのがWhy-Soで、根拠の元となる主張に立ち返るのがSo-What、ということもできますね。そして両者をつなぐ土台となっているのが、前提というわけです。
オオカミ少年の例を再び用いると、
野生動物が村に降りてくる(主張)
冷夏になる(根拠)
冷夏は自然界の食べ物が不足する(前提)
という前提が存在しています。
この主張-根拠の関係性は1階層で終わらせず、何度も繰り返しつなげることで、より強固な提案をつくることが可能です。
提案:我々はオオカミに対する警戒レベルを上げるべきだ
主張:オオカミが村に降りてくる→(Why-So)→自然の作物不足だから→(Why-So)→今年は冷夏だから
というのが一例です。
まずは箱を作ろう
いきなりロジカルになれ!と言われても、人はすぐ変われるものではないと思います。自分自身、英語ディベートを始めた頃は何を話したらいいかもわからず、7分話すべきところを30秒くらいしか話せませんでした。
なのでまずは思考の箱を作ることから始めるのをおすすめします。提案をしよう、と思ったら、主張、根拠、前提の図を書いてみましょう。そして矢印で、So-WhatとWhy-Soと書いてみましょう。
最初は上手くできなくても、何回も繰り返し作ることで、少しずつロジカルに話せるようになるはずです。この記事があなたの役に立つことを願っています!
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