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筋持久力を高めるためには

筋力トレーニングをするうえで、目的は非常に重要なプログラム決定要因の一つであり、目的が明確でないとトレーニングで扱うウエイトの総重量や強度の設定ができずに、ほとんど効果のでない筋力トレーニングになってしまいます。
※ここでいうトレーニングは特異的な競技性の高いトレーニングではなく、シンプルなレジスタンストレーニングで話を進めていきます。

筋力トレーニングの目的は〈パワートレーニング〉〈最大筋力トレーニング〉〈筋肥大トレーニング〉〈筋持久力トレーニング〉の4つに大きく分けられますが、その中で、今回は〈筋持久力トレーニング〉について書いていきたいです。

まず、筋持久力とは心肺機能向上とは違い、筋肉に疲労耐性が身につく、すなわち筋肉そのものに疲れにくくなる能力が備わることを指します。
筋肉の収縮はATP(アデノシン三リン酸)と呼ばれる化合物をエネルギーとしており、継続的に筋収縮を行うと筋内のATP量が減少してしまいます。
したがって、筋持久力を高めようと思うと筋内で使うことの出来るATP量の確保をしていかなければならないのですが、貯蔵量を増やすだけでなく、ATPを再合成する器官の能力を向上させることが必要となります。

ATP再合成をより活発にするには、合成のための材料や酸素が必要となり、筋肉により多くの血液を運ぶ必要があるため毛細血管系を発達させることが必要であると考えられます。また、酸化系回路を持つミトコンドリアの能力向上と数の増加を促進させることで、電子伝達系の酵素活性値を上昇させることも必要となってきます。

上記のようなメカニズムがある中で、筋持久力を身に付けるためには、瞬発的なトレーニングのように重たいウエイトで低回数なトレーニングをしていると中々発達することはありません。

筋持久力を発達させるためには、重量的な強度を落として高回数のトレーニングを行うことが必要で、ウエイトの強度は落ちますが、トレーニングの総量は漸増的に向上させながら、筋に高過負荷を与えることが筋持久力発達を促進させると考えられます。(負荷(重り)×回数=トレーニングの総量)
また、筋肉の収縮回数が多い(運動量が多い)ことがやはり筋持久力向上には影響するため、必然的にウェイトを下げ、高回数なトレーニングに切り替わると思います。収縮回数が多くなるということは筋肉を動かすための酸素も必要であるため、血液量の増加も引き起こされ、毛細血管系の発達も見込まれると考えられます。
更には、一般的な筋力トレーニングよりもセット間のインターバルを短くすることでよりトレーニングの強度を向上させることが出来るため、休息時間にも目を向けたいですね。

適切な筋力トレーニングは適切な効果をもたらすので、是非まずは目的と目標設定をして、そのためのトレーニングをしていきましょう!



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