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二〇二四年四月、コペルニクス。

 二〇二四年四月
 休みの朝、早く起きてきた長男と二人で食パン(長男は少し焼いて、僕は焼かずに)を食べている。

「ねえ、ウルトラマンの中身はどうなってんだろうね。ガイさん(クレナイ・ガイは人間と同じ外見で、ウルトラマンに変身する一異星人の名前)がウルトラマンの大きさになったら中がスカスカなんじゃないの。」

焼いてない食パンは他はいいのに、齧った部分にねちっとした歯形が残るのだけが嫌だ。 

「いやそういうことはない。」
手に持ったパンを海藻みたいにゆらゆらさせて言う。

散乱した屑の掃除が大変だからやめてほしい。
それでなんと言ったか。そういうことはない?なぜ?

「君の体がゴムでできていたとして、ウルトラマンと同じ大きさに引っ張って伸ばしたら体の重さはどうなると思う?」

「え?わかんない。変わんないんじゃない。」
「ていうかそうじゃなくて、ウルトラマンのからだがガイさんに入ってるんだから、ウルトラマンになるってことは元にもどるってことなんだよ。」

なるほど。賢い。感心。

「今日寿司いくか」
「いこう」「行こう」

そういうことになった。

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