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ぼくの「りんかく」3 - 街が見える、祭りが始まる

2023年5月21日(日)に行われる文学フリマに出品する「りんかく」という写真ZINEについて、作者サイドからあれこれ裏話をするnoteです。
「だれかに写真を撮ってもらうと、自分から見えない『輪郭』が見えて立体的になる気がする」。この本は多拠点生活の「りんかく」を集めた立体記録。

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あれ?90度回転してる

ミスじゃないです、意図的です。
実はしばらく、紙面は90度回転します。これは横位置の写真をA5サイズの紙面縦位置に効率的に置く…ためでもあるんですが、あえてこうすることで「何かが大きく変わる」感じとか「視点が変わる感じ」を表現できないかと試してみました。

視点を少し変えるだけで、何かが一変する

実際の紙面では、おそらく皆さん本を90度回して見ることになると思います。そういう時って「あれ、このまま同じ持ち方で読みたかったのに面倒だな…」って思うかもしれません。

でもその気持ちは、僕がADDressで旅暮らしを始めた時に感じた気持ち、そのままなんです。

普段の生活場所を移動するって不安がいっぱい。いつも使っているお気に入りの文房具や食器、本や機材はどうするの?無くても大丈夫かな…なんてハラハラしていると、疲れてしまいますよね。けど、えいやと90度回転させたら意外となんとかなる。視点を少し変えるだけで、何かが一変する。

「旅暮らし」という言葉ははるさんから拝借しちゃいました。「多拠点生活」という言い方は、それが知らない人にとっては未知の言葉。「旅暮らし」って、そんな生活をわかりやすく噛み砕いた言葉でとてもいいなと思います。

鶴巻温泉B邸

最初の写真は2枚とも、神奈川県の鶴巻温泉で撮影したものです。

鶴巻温泉は僕が多拠点生活=旅暮らしを本格的始めた時、最初の頃に訪れた拠点です。この頃はまだ旅暮らしに慣れておらず、どの拠点に行くか迷った挙句に選んだ場所でした。

急勾配を登るタクシーに乗って

旅暮らし初心者が何もわからずやってきた鶴巻温泉B邸。今はもうクローズしてしまったけれど、B邸は長い坂の上にある一軒家タイプの拠点でした。拠点を予約した時「勾配が急なのでタクシーを使うのがおすすめ」と書いてあり、半信半疑だったけれど従って正解だった思い出。あの坂をキャリーカート引いて登るのは無理!

部屋に荷物を置くとトイレやキッチンの場所、ADDressではベットメイキングを自分でするので、シーツの場所を探したりすることから始めます。落ち着いたら買い出し。2階にある部屋からの景色がお気に入りでした。

そうそう、このZINEは一部を除いて、僕が歩いていきた時系列で構成されています。なので写真の傾向や視点の変化が見て取れるようになっています。誰得ですが…。

初日から地元のお祭りへ

僕が鶴巻温泉B邸を訪れた日は、ちょうど地元のお祭り「タバコ祭り」の日でした。鶴巻温泉A邸の家守さんにお誘いいただき、突然イベントに参加することに。右も左もわからない土地で、さらに何も縁が無かったイベントに参加。驚きの連続。

大型の山車が何十台もねり歩く

邪魔だと思われてたかもしれないけど、なぜか鬼滅の刃の煉獄さんのコスプレをした(させられた?)僕は、山車の周りをチョロチョロしながらシャッターを押していました。

お祭り最中・そしてその後にあった交流会は初日からディープでした。今思えばADDress拠点の中でも交流の多い鶴巻温泉に来たのは、旅暮らしがなんたるかの洗礼を受けるためだったのかもしれません。

そしてこのご縁がきっかけで、僕は鶴巻温泉に何度も足を運ぶことになります。

まとめ

余韻に浸ったページから、急に90度傾けられて写真がドンドンと配置され始める本「りんかく」。それは僕が旅暮らしを始めた最初の驚きと、テンパリ方を表しているのかもしれません。

こちらはぜひ、手に取って体験していただけると嬉しいです。
文学フリマ36、T-16ブースでお待ちしています。

【概要】
5/21(日)12時〜17時
ブース番号:T-16
入場料無料
会場:東京流通センター 第一展示場・第二展示場Fホール
最寄駅:東京モノレール「流通センター」駅(MO-04)から徒歩1分

詳細はこちらの文学フリマ公式サイトからもどうぞ。
https://c.bunfree.net/c/tokyo36/h1/T/16

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