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便利な生活に慣れきっている私、時間をつかう贅沢を知る

私は生まれも育ちも名古屋です。
最寄駅まで徒歩5分くらいで、車がなくても生活できるし、最寄駅にはファストフード店が並んでいて、何か食べたいと思ったらすぐに買いに行けてしまう。ありがたいことに、私は便利な生活をしていると思います。

現代は手間が省けるところは、省こうとしてしまいます。昔は手作業で洗っていたと思うと、現代では洗濯機のボタンを押すだけで、洗濯がほとんど終わってしまう。なんて便利なんだろう。

暮らしやすい世の中だと思う反面、便利になりすぎているのではないかと思います。

例えば、コーヒーを飲もうとした時。
コンビニや自販機で、コーヒーを買うことができる。
しかし、手間をかけようとすると、ハンドドリップで入れてみたり、豆を自分で挽いてみたり、自分好みの豆や道具を探してみたり…
こんなシンプルなことに、これだけ寄り道をする余地があることに気づきます。

もちろん、良し悪しは無いです。

ただ自分でできることを、あえて機械に頼ることで、得られる時間はある気がします。

実際にお金で時間を買うという言葉があるくらいだし、私も移動時間をお金で買うことがほとんどです。

買ったこの時間を、私たちは何に充てているのだろう。

南伊豆くらし図鑑の「山根さんの暮らし」体験では、そんな時間の使い方と、暮らしの楽しみ方を学びました。

南伊豆くらし図鑑とは、宿「ローカル×ローカル」のオーナーであり、私の大学の先輩であるイッテツさんが企画した、南伊豆のくらしの魅力に着目した体験プログラムです。

詳しい情報はこちらをご覧ください。


山根さんはもともと、南伊豆に移住してきた方で、
今は鍼灸・整体師をメインにしつつ。お野菜を育てたり。お米を育てて、自給自足したり。家を自分でリノベーションしたり。『やまねこ一座』という芸名で、音楽パフォーマンスをしたり。アートワークショップをひらいたり。

つまりなんでもやる人!!(それは言い過ぎかも)

でも、それくらい引き出しの多い方です。(笑)

山根さんのやっていることの詳細はこちらをご覧ください。


今回の山根さんの暮らし体験では野菜を収穫し、その場で調理し食べました。

そんな山根さんの暮らしを体験してみると、
色んな種類の野菜を育てていること。その収穫した野菜で、顔をつくるのが趣味なこと。調味料も自分でつくっちゃうこと。身体に入れる水には、なるべく湧水をつかっていること。

日常の何気ないところから、「山根さんの暮らしについての考え方」を知ることができます。

普段の私だったら、気にも止めないような切り口から「くらし」を知る特別な体験をしました。

山根さんの暮らしとは

今回の体験では、山根さんの育てている野菜を収穫するところから始まります。

収穫中に山根さんから、野菜を育てるときの豆知識を教えてもらいました。畑について話している山根さんは、イキイキしていて、こっちまで楽しくなってくるほどです。

色んな話を聞いて私が感じたのは、畑のことをよく知っていることです。よく知ってるということは、それだけ畑について自発的に考えているのではないかと思います。

野菜をただ育てるだけでなく、知識をつけて応用する。これは、畑について考えている山根さんだからできることだと、私は思います。

そんな感じで山根さんの、畑への姿勢が素敵だと思いながら野菜の収穫を終えました。

次に収穫した野菜で顔をつくりました。

「芸大に通ってるんだよね。じゃせっかくだから、この野菜で顔でもつくろっか。」

真面目な顔で山根さんに言われました。
みなさんもきっとハテナマークが浮かんでいることでしょう。私もそうです。

確かに、芸大に通っているが、しかし!
私はデザイン学科で、絵を描いたり、芸術的なことをあまりしないし…
野菜で顔??どういうこと?
野菜で顔をつくるって、福笑い的なこと…?

予想外の言葉に戸惑いながらこんな考えが、私の頭の中でグルグルまわっていました。そして、ユニークな人だなと、笑ってしまいました。どんな時でも「遊び心を忘れない」のも山根さんの魅力のひとつだと私は思います。

そして山根さんは、どうやら収穫した野菜で顔をつくるのが趣味なんだとか。

山根さんの作品たちはこちらからご覧ください。

山根さんのインスタグラムから

顔(野菜)をみていると、ひとつひとつ形が違って。配置を変えるだけで印象がガラリと変わる。それがすごく面白かったです。きっと山根さんも同じようなことを感じているのかな、なんて私も想像しながら野菜で顔をつくりました。

目の角度と、ナスとオクラの形がお気に入り

野菜で顔をつくったあと、先ほど収穫した野菜を蒸したスチベジにしていただきました。スチベジとは、スチームベジタブルのことです。

私がびっくりした、山根さんのこだわりポイントは、屋外のかまどで蒸すところです。

いや、家にかまどあるのびっくりしませんか?!
(山根さんは、普通の顔して外へ案内してくれましたが。)
私、家にかまどあるのを見たことがなくて。
今までの私の生活からは想像ができないことすぎて、驚きとワクワクでした。

さらにスチームのもとになる水は、「食べるもの(身体に取り入れるもの)なので近くの湧水から汲んできたものをつかう。」のが、山根さんのこだわりです。

このこだわり具合、すごくないですか?

この時私は、スチベジだぁってわくわくしてました
実際に湧水を汲んでいる私


最後にスチベジを実食。

そこで満面の笑みを浮かべながら、
山根さんがひとこと。

いやぁ〜贅沢でしょ。

手間をかけるって贅沢なんだよ。

都会で便利な生活に慣れきっていた私は、この言葉がじんわりと心に染み渡りました。

水彩絵の具を紙に垂らした時のように、中心から外側へゆっくりと温かい色が私の心を彩りました。

山根さんの言葉の効果もあってか、野菜がより甘かったです。


そんなこんなで、2時間があっという間に過ぎていました。時間があっという間に感じるくらい、濃密な体験ができたんだと思っています。

今回の体験を通して、「山根さんのくらしについての考え方」を知ることができたのがよかったです。

また、私の周りにはない暮らし方で、新しい世界を覗いたような気分です。

都会という性質上どうしても、暮らすことより学業や仕事にフォーカスしてしまいがちな気がします。

もちろん、私もそのひとりです。

時間を省けるところはできるだけ省く。

お茶を買ったり、コーヒーを機械で淹れるなど機械に任せたり、メモをデジタル化したり、こんな感じで時間がセカセカ過ぎていた私が、時間を使う贅沢を知りました。

これから時間がセカセカ過ぎていると感じたとき、
便利な生活に慣れきっていると感じたとき、
私は山根さんの暮らしを思い出しながら、
急須で緑茶を淹れる
コーヒーをハンドドリップで淹れるくらいの
小さな贅沢を楽しもうと思います。

もしかしたら、そこに新しい発見があるかもしれません。

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