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我々はスマホの奴隷なのか?「スマホ脳」を読んで考えたこと

「オリコンランキングで2021年で1番売れた本」というのに興味を持って購入したのですが、とんでもない神本でした。

内容を抜粋し、読んで得た知識と考えたことを記事にします。

【内容紹介】

人間の脳はデジタル社会に適応していない。 

狩猟採集民族だった人類は「闘争か逃走か」が本能に刻まれている。集団から追放される事は死を意味したため、遺伝子に「周りの評判が気になる」と組み込まれている。

現在、大人は1日に4時間をスマホに費やしている。10代の若者なら4〜5時間。この10年に起きた行動様式の変化は、人類史上最速のもの。

ネガティブな感情はポジティブな感情に勝る。人類の歴史の中で、負の感情は脅威に結びつくことが多かった。そして脅威には即座に対処せねばならなかった。

長期にわたるストレスは、うつを引き起こしかねない。身体はもともと、食物の消化や睡眠、機嫌、セックスへの意欲よりも「闘争か逃走か」を優先させる。

脳の報酬システムを激しく作動させるのは、お金、食べ物、セックス、承認、新しい経験のいずれでもなく、それに対する期待。何かが起こるかもと言う期待以上に、報酬中枢を駆り立てるものはない。

スマホの着信は、「もしかしたら大事な連絡かもしれない」と思わせ、ドーパミンを放出させる。SNSの「いいね」も報酬中枢を刺激する。それらのアプリは科学者たちが最大の依存性を実現するためにデザインされ、人々の脳のハッキングに成功した。

熱心にスマホを使う人ほどストレスの問題を抱えている率が高く、うつ症状のあるケースも多かった。過去10年間で世界的に見て精神疾患が激増している。これはスマホの普及時期と重なっている。

人間の脳は悪い噂が大好き。原始的な生活において、悪い情報が重要だった。人類は長い間、他の人に殺される可能性が今よりも遥かに高かったためだ※。ゴシップにより誰が信用でき、誰と距離をとったほうがいいかを把握することができた。

※人類史で1番の脅威は、猛獣でも伝染病でも飢餓でもなく、他の人間だった。人口の1〜2割が他の人間に殺されてきた。

SNSの効能は人によって異なる。リアルな世界で人間関係をしっかり作っている人は、SNSを社交生活をさらに引き立てる手段、友人等と連絡を保つための手段として利用している。そうした人たちの多くは、良い影響を受ける。それに対して、社交生活の代わりにSNSを利用する人たちは、精神状態を悪化させる。SNSを使っているほど幸福度が低い。

多くの人がストレスを受け、集中できず、デジタルな情報の洪水に溺れそうになっている今、運動は最善の対抗策である。毎日5分でいいから、長期間継続することが大事。

睡眠運動、そして他者との関わりが、精神的な不調から身を守る3つの重要な要素。

【考えたこと】

レビューとしては★5つ満点!

スウェーデンの精神科医が人類史と脳の構造からスマホの影響を考察しており、少しでも興味があれば購入をおススメします。

『スマホやSNSはドーパミンを出させるように計算され尽くされて設計されている』というのは人々を見れば分かります。歩きスマホなどがいい例で、完全に依存してますね。

驚いたのは、先ほど紹介した文です。

人類史で1番の脅威は、猛獣でも伝染病でも飢餓でもなく、他の人間だった。人口の1〜2割が他の人間に殺されてきた。

現代、誰かに殺されるリスクは遥かに減りました。そういう意味では、「分断が深まっている」というのは正しくないと思います(殺人は減っているので)。スマホやインターネットによって「他者との違いが見える化され、拡散された」が正しいのではないか、と。

スマホとインターネットが普及したデメリットの一つに「知識」や「正解」を瞬時に探せるようになったことがあります(メリットでもある)。でも、それは表層的な問題の正解です。本質的な問題には正解がありません。よって思考して「自分なりの正解」を見つけないといけないのです。スマホは、その思考力を奪っているのではないか、と思います。

情報の荒波で頼りになるのは自分だけの持論です。知識をインプットするだけでは意味がありません。咀嚼し、考え、アウトプットすることで血肉になっていきます。「人間は考える葦である」とは、よく言ったものです。

著書の中で『スマホに記録することで記憶力が低下している』という記述がありますが、私はそれでいいんじゃないかと思います。

こういう書評を書いているのも「忘れてもいい」ためですから。記憶領域としてスマホやクラウドを第二の脳として私は使っています。空いた分を新しい何かに使った方がいいと思う派です。

デジタルの時代でDXを止めることは出来ません。

DX(デジタルトランスフォーメーション)の意味
デジタル技術を浸透させることで人々の生活をより良いものへと変革すること。既存の価値観や枠組みを根底から覆すような革新的なイノベーションをもたらすもの。https://monstar-lab.com/dx/about/digital_transformation/

しかし、生活や行動においてはアナログに回帰した方がいいのではないかと、本を読んで思いました。すなわち、運動、睡眠、リアルな人間関係を重視すること。今後、AX(アナログトランスフォーメーション)という言葉が生まれるかもしれません。

最後に、スマホやSNSであなたの心が疲れているなら、この記事を読んでみてください。


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宇宙旅行が夢の一つなので、サポート代は将来の宇宙旅行用に積み立てます。それを記事にするのも面白そうですねー。