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経理のSaaS活用 SaaS同士のデータ連携や導入後のSaaS管理について

こんにちは。株式会社iCARE(アイケア)の経理のかとう(いこぴ)です。iCAREは「働くひとの健康を世界中に創る」をパーパスに掲げ、健康管理システム「Carely(ケアリィ)」を提供しているスタートアップです。

先日LayerX様主催の管理部向けセミナー登壇の機会をいただき、
iCAREバックオフィスのSaaS全体像を作成したところ、
給与と会計が異なるSaaSを利用したり・・・
請求と会計も違うSaaSを利用したり・・・
統一感のない管理部門のSaaS活用状況に改めて気が付きました。

そこで、
1,社内でSaaSカオスマップ状態が起きている会社の経理実務担当者が行っているデータ連携や管理法の具体例の紹介
2.iCAREは採用を積極的に行っているため、社内の様子が少しでも伝われば
という2つの目的でnote投稿します。

そもそも管理部の業務とSaaS全体像何が関係あるの?

iCAREでは背景として、

・会社の成長スピードに伴い業務増
・各業務属人化
・IPOに向けて内部統制整備が急務

という状況があり、SaaS活用によって業務可視化/効率化と内部統制強化を同時に推進していくバックオフィスのスキルが求められていました。
各業務のSaaS関連図などで各プロセスやフローを理解することで、

・バックオフィスの各業務改善
・部門横断型になりがちな内部統制整備の仕組みづくり

などの基礎知識やアイデアに役立てています。

iCAREのバックオフィスSaaS全体像

バックオフィス中心のSaaSのみ。他部署含め全社では約60のSaaSを利用

会計freeeを中心とした全体像ですが、
もともと会計/経費精算はMF=>freee/バクラクへ乗り換えをした影響や、
給与/請求書/購買稟議/経費精算/クレカなどのfreeeシリーズではなくバラバラになった結果、
管理部SaaS全体像がSaaSカオスマップ状態になってしまいました・・><
バラバラになる要因は、

・既存SaaSシリーズ以外でも各部署で他社比較を行い選定
・移行コストや工数に見合わず、乗り換えタイミング見計らっている など

各業務量が増加傾向のため効率化してコア業務に集中したいという背景や、
現状維持バイアスが起きにくく変化に寛容的なスタートアップという環境も影響しているかもしれないです。

全体像の半分以上のSaaSは約2年以内に導入されたものですが、これからもまだまだ増えそうです。

SaaSカオスマップ状態のなか注意していることや連携の工夫

各SaaS同士のマスタや各取引情報について、
バクラク〜freeeや口座明細〜freeeのように設定や同期処理がかんたんなAPI連携が理想ですが、
バックオフィスメンバーだけではかんたんにAPI連携を利用できなかったり、API公開されておらず連携できない場合は、
①CSV出力=>CSVインポート
②zapierを活用
 
などを行っています。

①CSV出力=>CSVインポート

・各取引情報
各SaaSCSV出力〜CSVインポートをしている各取引情報について、
主に経理業務でジョブカン給与・pasture・MF請求からCSVをダウンロードしてfreeeへ仕訳をインポートする際、

1.各SaaSからCSV出力
2.1.のCSVを数式等で加工
3.2.をfreeeへインポート

という手順を行っています。
この場合、2.の数式加工が正しいかどうかを確認するため

・数式前月分を参照していないか
・配列数式じゃない場合は数式が最終行までコピーされているか
・ピボットの対象データが最終行になっているか、
・フィルタをオフにしているか など

地道なチェックが必須になります。このチェックがないと意図しない取引がfreeeにインポートされてしまうことがあり注意が必要です。

・マスタ
各SaaSCSV出力〜CSVインポート対応可能なことが多いマスタについては、
各SaaS利用部署が異なり、マスタ運用を自由にしているためAPI連携可能だとしてもデータ連携前にデータクレンジングが必要な状況も多いです。その場合は各SaaS同士のマスタ対応表などを作成し仕訳データに反映させることで、インポートせず一時的にやり過ごしていることもあります。

例)freee取引先名/システムID:iCARE株式会社 11111111
pastureパートナー名/ID:iCARE株式会社(山田洋太)7777等
をまとめたのもの=マスタ対応表とよんでいます

マスタの運用前に基準となる番号を決めたり、導入当初からの運用ルールが大事ですが、そういったルールなく活用が進んでいる状況なためこれから直していきたい部分です。

②zapier活用

zapierは、SaaSとSaaSを連携/統合させるSaaS(iPaaS)で、コードをかけないバックオフィスの私でも比較的かんたんに設定できるのが良いところです!
zapierで可能なアクションやトリガーが、現時点では一部のSaaS(GoogleWorkspace/slack/kintone/freee/Notionなど)に限定されてしまいますが、zapier対応可能なSaaSであれば、他のSaaSへのデータ連携等活用がさらに広がります。zapier対応していないSaaSでもアイデア次第でメールやスプレッドシート等を経由可能なこともあります。

iCAREでの活用事例
・kintone新規レコード〜スプレッドシートに転記
slackスタンプ〜backlog課題作成
・バクラク申請のURLと承認ステータス〜kintone既存レコードへ上書き
・slackスタンプ〜Notion
など 

まだまだ事例は少ないですが、このnoteを読んでいるiCAREメンバーの方、ご興味ありましたら下記zapier活用専門のslackオープンチャンネルにぜひご参加ください!一緒に勉強しながら活用をすすめませんか?アドバイスいただける先生も同時募集しています!

参加者まだ9名・・

SaaS導入後の見直しや管理はどうしているの?

VALUE発見隊〜仕事がときめくお金の使い方の魔法〜
という社内施策を経理主導で3ヶ月に1回定期開催しており、各部署何にいくら使っている?を振り返り、断捨離していただく機会としています。

VALUE発見隊のような社内施策が生まれた背景には、
各SaaSなど発注時/導入時のハードルは高いですが、導入後効果的に利用されておらず放置されることへの問題意識や、ムダがない筋肉質な財務体質を!という経営陣の要望がありました。

一般的なコスト見直し施策と違うのは、

・具体的な見直し目標金額がないこと
・iCAREのVALUEが体現できているかを基準に見直すこと
・発見ランキングを公表し表彰を行うこと
・定期的に行うこと 
とにかく明るいイメージを心がけること  など


一番大切にしているのは、⭐とにかく明るい印象⭐です。
コストというワードだけでも暗い印象をもつメンバーもいるため、施策内に利用する文言も最大限配慮が必要なため、施策の名称やサブタイトルは一部iCAREのマーケターの方にワードセンスをお借りするくらいに真面目に心がけています!


VALUE発見隊の発見対象は、主に2つ軸があります。

  • iCAREのVALUE(スピード/クオリティ/視座)を体現できているか

    • VALUE体現できていないものはリプレイス/解約検討するかどうか

    • VALUEをより体現するためにリリースされていたけど知らなかった新機能がないか、さらに活用促進できないか

    • ※VALUEだけでは基準にならないという社内の声もあり、直近は目安ROI200%を判断基準に追加しています

  • ②各SaaSID管理のWチェック

    • ID権限が適切かどうか

    • ID付与者が適切かどうか

      • 都度ID管理対応は行っていますが、対応漏れがないかどうかの意味でWチェック

    • ※VALUE発見隊のID管理Wチェックは、IT統制エビデンスにも活用しています

各部署部長/マネージャーから指名された担当者の方に発見結果をスプレッドシート上に入力いただくことで振り返り完了としています。

freeeから総勘定元帳をダウンロードして、
部門/勘定科目/月別にピボットテーブルをコピペして作成している発見用の資料。
SaaS以外の費用も対象。対象外:給与、人材紹介手数料、パートナー外注費等 


週次で行われている全体会議では、
VALUE発見隊の発見ランキングを毎回公表しており、
1位の部署にはプレゼント🎁(健康管理システム提供会社らしく健康的な何か)をお渡ししています♫

プレゼント贈呈の様子 
6回目を先月実施しました!

おわりに

バックオフィスでのSaaS活用、
そもそもカオスマップとならないような全体最適方針も大事ですが、結果的にカオスマップ状況になってしまった弊社ならではの工夫や振り返り方法について、少しでも参考になる情報がありましたら嬉しいです!

iCAREでは各部署積極採用中です!!
ご興味がございましたら、ぜひご応募を!!
お待ちしております。


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