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歯科研修医に向けてー就職活動ー
4月に研修医になって一月もすると、ちょっと仕事に慣れつつ、でもやっていることは学生の延長だったり。
同期の研修医と飲みに行ったりして交流を深めたり。
そんな中で、じゃあ来年どうするか、進路を考え始める方も出てきます。
大学院に行くか臨床医として外に出るか
「大学院に進学して4年間研究を行ってみようか」
「教授や講師の先生に誘われた」
「研修医として出向した協力型施設が結構雰囲気良かった」
「めんどくさいけど就職活動するかな…」
色々と悩むと思います。
そもそもそんなに臨床してないのに。患者対応していないのに大丈夫かな…
そんなふうに考えることもあるでしょう。
そんな悩んでいる中で、それでも臨床への関心度が少しでも高い場合は、ぜひ読んでいただければと思います
目次
1:一般的な研修医になるまでの流れ
2:僕が研修施設に入った経緯
3:国家試験に合格、免許を取った時の考え
4:大学院に進学するか、就職するか
5:大学院に進学する事の意味
6:大学院に行くべき人
7:大学院に行くべきでない人
8:まとめ
これを読むと、大学院に行く気持ちがちょっと下がるかもしれません
また、大学院を志望している方は、そもそも僕の記事は一旦用無しですので、ブックマークに保存していただいて、4年後、院卒になった際にまた開いていただければと思います
1:一般的な研修医になるまでの流れ
国家試験に通ると、すでに決まっていた研修先で4月から研修医として歯科医の道を進みます。
すでに決まっていた研修先とは、国家試験の半年前のマッチングシステムのことです。
ではどうやって研修先を決めたのか。
例えば母校であったり。
例えば地元の総合病院の歯科口腔外科であったり。
単独型でやっている一般歯科だったり。
いずれにせよ、将来どうするかを考えて研修先を決める人はほぼいないのではないでしょうか。
ちなみに僕は…
2:僕が研修施設に入った経緯
国家試験合格後に研修先を探し、決めました。
国家試験の合格発表があったのが3月半ば。
その時点で研修先は決まっていませんでした。
もちろん半年前のマッチングシステムで頑張って研修先を探していました。
その時は歯科口腔外科に憧れていたため、せっせと総合病院の歯科口腔外科に見学に行き、アピールして、試験を受けたりして。
研修後は大学院に行って歯科口腔外科医の道を目指すつもりでした。
でも結果どこともマッチせず。
だったらもう国家試験が受かってからでいいかなと思い、その後研修先を見つけることは一旦やめました。
これが結果として良い選択だったと思っています。
このまま続けて歯科口腔外科を目指していたら、今の僕はいなかったと思う。
その年度の国家試験は、正直受かると思っていませんでした。
国家試験受験直後の自己採点では、微妙に合格ラインより下だったので。
なので研修先はそのまま探さず、絶望と怠惰な日々を送っていました。
ただ蓋を開けてみると、実際はちゃんと合格していて。
その瞬間、まだ決まっていない研修先を慌てて探すことになりました。
3:国家試験に合格、免許を取った時の考え
ただ、いざ自分の受験番号が合格者リストに載っているのを見ると、突然こう思いました。
『ここまでしんどい思いして…
一喜一憂して…
なんとか手に入れた歯科医師という資格
口腔外科という狭い領域で使い潰して良いのだろうか』
そこで僕は歯科口腔外科で研修先を探すことをやめました。
母校に連絡し、なんとか研修させてもらうように頼み、入れてもらって。
母校では協力型施設という、一般開業医で研修できるプログラムがありました。
そこで、世間の歯科医がしていることを実際見てみたいと思いました。
そんな感じで研修先は決まりました。
また、この時には、ずっと憧れだった歯科口腔外科医の道、大学院に行って口腔外科の勉強をしたいという思いはなくなっていました。
以上身の上話。
4:大学院に進学するか、就職するか
就職活動をするのか、大学院に残るのか。
ここは考え方だと思います。どっちがいいのか、どうしたらよいのか。
ここは人に言われて決めるところではないのでしっかりと考えていくべきです。
ただ、大学院に行くのであれば、次のことに注意する必要がある。
その道を極めるつもりがあるのか
大学院に行くと少なくとも4年間は大学に所属します。
そこでは、大学教育の手伝いをし、研究をし、臨床をし、やることがたくさんあります。
それでも大学院にって、博士課程を経て、得たものが4年間の消費の割に合うのか。
もっというと、4年間で得たものが武器になるのか。
大学院に進学することで、さらにメリットになることといえば、
認定医・専門医の取得の敷居が低くなる
これは結構なメリットだと思います。
以前から僕は、歯内療法、根管治療にすごく興味を持っていて、臨床でより精度の高い治療を行うかをいつも考えています。
興味が増すと、やっぱり認定医になりたいって思いが強くなります。
5:大学院に進学する事の意味
以前、就職フェスに今の勤務医院が出店したとき、研修医で大学院に進学することが決定しているバイト希望の子がいました。
歯科口腔外科に行くことが決まっているとのこと。
それはまだいいです。
でもその後に続いた言葉が
『でもそこの医局は抜歯ばっかりだから嫌なんですよね〜』
しらねーよ。テメーが自分で決めたことだろうが。
正直そう思いました。
口腔外科に行けば何か箔がつくものでもない。
それでも、未だに口腔外科が歯科っぽくない、医科的、という理由だけでなんとなく行きたがる研修医がいるのも事実。
口腔外科に行くならば、外科処置は全て極めるとか、何か自分で目標を作らないと何も残らない。
それは口腔外科に限らずですが。
歯科の大学院は、研修後にすぐ行くものだという暗黙の了解が出来ています。
もちろん一度臨床を経験してから大学院に行くのも全く問題ない。
医科は大概そうですしね。
ただ、歯学科において、研修後すぐに大学院という流れが当たり前になっている現状では、大学院に進学する多くは無意識にモラトリアム期間として捉えてしまっている人が多数だと思う。
それが悪いとは言わないけれども、その4年、あなたにとってそんなものですか?
そうならないような考えを持っていただければと思います。
6:大学院に行くべき人
大学院に行くべき人はどういう人でしょうか。
それはもちろん、将来の設計ができている人。
これに尽きます。
最終ゴールがすでに設定できているならば、それはどの道を選ぼうが問題が無いし、なんならその考えができている人は大学院で得たことを有意義に活用できると思う。
むしろ、ゴールへの到達のために大学院に進学することが必須だとしているはず。
なぜその診療科を選んだのか、というのもちゃんと答えられるだろうし、それこそ4年をモラトリアム期間にすることも無いと思う。
もちろんこの4年をモラトリアム期間として考えては行けないわけではもちろんありません。
大学に進学して、大学生活を楽しまずにただひたすら勉学に励んだ人なんて皆無です。
それは大学院生も同じだと思う。
学生は学生として、それは院生だったとしても、その立場を最大限に活用して楽しむべきだと思う。
だって学生って結構な場所で優遇されるじゃん!
PC、Windows Surface買うにしてもMac買うにしても学割が効く!
学割って印籠のようにどんな場所でも使える。
まずそれを活用しないわけにはいかないでしょ!
そんな邪な考えは、もちろんプラスアルファですがね!
そして口腔外科の場合ですが、ガンを切りたい人は大学院へ行くしか道が無いのでどうぞそちらへ。
もう一つ、臨床に全く興味なく、基礎系の事がしたい場合もどうぞ大学院へ、です。
7:大学院に行くべきでない人
では、大学院に行くべきでない人ってどんな人なんでしょうか。
これはまず、技術を身に着けたいと思っている人。
絶対に大学院に進学するべきではない。
世の中には、特定の技術、例えばエンド(根管治療)やペリオ(歯周病治療)、咬合・補綴を専門に、もっと言えばそれらを自費診療で行っている先生が結構います。
その先生の多くが大学所属ではない。
もちろん、大学の臨床講師・臨床教授みたいな肩書があったりしますが、その人達はほぼ大学で診療を行っているわけではない。
技術を身に着けたいと思うならば、とっとと臨床に出て、その人達に師事するか、その人達のセミナーを受講して得た技術を研鑽するほうが圧倒的に速い。
なにを勘違いしているのか、大学院に行かないとそれぞれの分野でよりよい治療が出来ないと思っている人が多くいる。
例えば歯周科に行かないと歯周外科がちゃんと出来ないとか。
僕は臨床に出て4年目です。なので同期の大学院生は今4年生。
彼らより僕はよっぽど歯周外科をやっていると思っているし、なんなら勘所もわかっていると思っている。
技術・テクニックに関しては、大学院に残るより圧倒的に臨床に出たほうが良いです。
8:まとめ
大学院に行くべき人:
将来を見据えた選択肢だと考えている人
大学院に行くべきではない人:
技術を磨きたいと思っている人
考え方は色々あると思いますが、まずはこう分けることが出来るのではないかな、と思いました。
この記事は後々加筆訂正しそうです…
進路を就職に決めている方で、就職活動をまさにいましている方は、以下の記事も参考にしていただければと思います
歯科研修医が就職先を探す上で考えるべきたった一つのこと
臨床経験5年の歯科医師です。研修医や若手歯科医師に向けて、何か伝えられることは無いかと日々自分を省みながら発信していきます。