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ナイト・ドクター 第1話雑記


<良かった点、これからに期待する点>

・波瑠の透明感がすごすぎて。朝日に照らされたときの瞳、予告を見たときから思っていたけれど、「朝をさ、見せてあげたいんだよね」の台詞への説得力よ。美しいは正義だわ。
・朝陽、花火、満月。光の映像がきれいで。それだけでも見ていて気持ちが良くていいもの見させてもらってるなと思えた。
・波瑠だけじゃなく、すべての俳優が素晴らしかった。みんな役柄を生きていたし、違和感のある人がいなかった。違和感あったのはミキくらい笑。そこは和ませ要因だからそれはそれでいいけど。→※後述
・深澤新の「やる気のない」「そこそこでいい」理由が欲しかった。
おそらくは両親が亡くなり(いつ?幼い頃か、学生の頃か、最近かによっても全然違う)、持病のある(なんの病気?)妹を支えるために生活を安定させなければいけないという使命感が、彼の「医師になろう」とした原動力であると思う。
でも「妹の病気を治してあげたい→医師を志す→両親が亡くなる」のと「両親が亡くなる→生活を安定させなくては→専門職であり妹のそばにいやすい仕事を目指す」のでは全然違う。前者であるなら今回の患者を引き受けなかったのは違和感だし、後者なら医師である必然性が無い(医療事務でも看護師でもいい、あまりにも何も出来なさ過ぎて“たまたま頭が良かったから医師を目指せた”という風にも見えないし)。
そもそも「やる気のない医師」がいるっていうことが受け入れがたいんだよな私は。だって医師なんて一番なるのが大変な職業と言われていて、それは学力、財力、体力、根気、すべてないといけないからで、私としてはその中に誰かを救いたい、命を守りたいという使命感も必須だと思っているから(というかそれが無いと目指そうと思えないし目指してもやり遂げられないと思うから)。だからこそ深澤の過去はもう少し付け足してほしい、後出しでもいいから。なんで医師を目指したのか、そこが見えないとそんなに軽い気持ちで医師になれるのかいっていう突っ込みがいつまでたっても燻ってしまう。
たぶん第二話からはちゃんとある程度向上心のある新人医師として描くんだろうから一旦この件は忘れて見ようと思うけど、深澤の過去に肉付けがあったら喜びます。
・朝倉美月の過去は今後もう少し掘り下げるのかな。主人公の過去のわりにさらっとしすぎかと。
コード・ブルーのように「主人公の成長物語」ではなく「主人公に周りが影響されていく物語」のように作りたい感じもするので、それならいいのだけど。母親を亡くしたことについては今後ももう少し描写があるのかも。
・タメ口に関してはそこまで気にならなかった。桜庭が「同期だしタメ口でいいよね」と言ったことに朝倉も成瀬も異論はあれど拒絶はしなかったわけだし。役柄としてはそこまでの年齢差は無いし(成瀬は35と離れているけど、あとは朝倉29、深澤27、桜庭26、高岡26と比較的近いし、同期のチームなので)。
ただ、中堅の経験豊富な俳優(波瑠、田中圭)と若手俳優(岸優太、北村匠海、岡崎紗絵)という中の人の意識が視聴者に強くあるから違和感が大きいのかなと。タメ口である必然性は確かになかったかも。
私なら、成瀬に「俺はお前らとは違う、一緒にすんな、敬え」くらいのことを言わせて、普段はタメ口で声を掛けられたら無視するけど、緊急時にはそんなこと気にせずチームプレーを見せてくれるような展開にするかな。あとはチームが出来ていって、お互いを認め合ってからタメ口にするとか。あとは、後述するけど桜庭だけタメ口キャラにするとかね。
・野呂ちゃん初めて演技を見たけど可愛くって癒しでいいな。ああいうポジションってこの緊張感のある職場ドラマでは重要。仕事はてきぱき、だけどちょっとコメディキャラというか、おかんキャラというか。海音くんとのコンビ、もっと存在感を出していってほしい、楽しみ。

<改善してほしい、不安な点>

・脚本に関して。昼と夜、救急と内科。対比して強調したい気持ちはわかるけど、それをやるとどちらかを下げることになりがちだからそこほんと気を付けてほしい。どっちかが偉い、どっちかが大変ではなくて、どのポジションだって必要で、自分の場所に誇りは持ちつつも相互で助け合っていくものでしょ、いいチーム、いい組織、いい社会って。
・メインのストーリー以外の些末な部分で揚げ足取られるのほんとつまらないしもったいないので、ちゃんとしてほしい。タメ口しかり、深澤のできなさっぷりしかり、信念持って医師をやっている朝倉が遺族に直接謝罪するシーンもしかり。ちゃんと理由があれば視聴者はそこ気にならずにドラマを純粋に楽しめるから、理由のない無駄な台詞や設定は入れないでほしいし理由があるならちゃんと描いてくれ。
・桜庭瞬をウザキャラにしたいんだろうけど、ここまで「実は体調不良隠してます」を押し出されてしまうと「ウザいけど憎めないやつ」にならないんだよな…「ウザいけどなにか理由があるんだね、察しろってことね」ってなってしまう。まだ第一話で、今回は桜庭の回ではなかったから、もっとウザさ強調して、なんなら全員にタメ口っていうのは桜庭のキャラにして(深澤は敬語を使う)、最後の最後に少しだけ発作の描写もしくは常備薬のカットを入れるくらいでよかったと思う。もっとウザキャラ強調しといて、桜庭回のときに「なんだよ、いいやつじゃんか」と思わせてほしかった。
それから「心臓悪い→移植された過去がありました→その心臓は朝倉の母親のものでした(なんならそのとき桜庭の容体が悪化してたせいで朝倉の母親を受け入れられなかったまであるし、桜庭が優先されたのは理事長の息子だからまである)」の流れだと思うけど…これは要りますかね?これを知ったら…私が朝倉なら桜庭を許すまでできるか自信ないが…母がここ(桜庭)で生きてるんだ、って涙流して喜ぶとでも…?
要するに私、桜庭のキャラが第一話で全然掴めませんでしたし、どう捉えたらいいのか納得がいきませんでした(北村匠海の演技云々の問題ではなく脚本と演出の問題)。
・戸塚純貴が出てくると「あー、きっとしょうもない理由で別れるんだろうな」と思ってしまうから、そろそろ作り手さんは戸塚さんの使い方について考えてあげたほうがいい。
・やっぱり主題歌は1つ、挿入歌がもう1曲が良かった。これは個人的な意見だし5曲の内どれがいいとかでは全然なくてどれもいい感じではあるんだけど。でも、「この曲を聞いたらあのドラマを思い出す」っていう体験はドラマ好きとしてはたまらないので。1曲に絞ったほうが良かったかなーと。
朝日を美しく描くドラマなので、ドリカムの「朝がまた来る」を今回歌ってる5人がカバーして週替わりで歌ったらどうかな。二番煎じどころか三番煎じ四番煎じって感じだけど。
・和み要因として芸人を投入するのは、毎回じゃなくていいと思いますので…イチケイのときにはその役柄と芸人の親和性が高かったから成功した稀有な例なので…何卒…諸々熟考ください…(ミキは好きですし和みましたけどね)
→※これ、今日の公式Twitterで今後も出てくることが分かりました。そうなるとガチのキャラなのかコメディキャラなのか分かりにくくならないかなー、せっかく野呂ちゃんというコメディエンヌ(に勝手にしてるけど)がいるんだから、そっちを活かせばいいのになー。
芸人さんは器用だから、しっかりした演技もきっとできると思う、だったら第一話みたいにちょっとした賑やかし要員にしないで、うるさいけど仕事はちゃんとできる頼りがいのある医師兄弟、みたいに描いてくれるといいな。

<コード・ブルーとナイト・ドクター>

・医療シーンは見ごたえがあって(それゆえに目を背けたくなりもしたけど)迫力があって良かったと思う。私は引き込まれた。公私両方描く中のバランスとして、ハードな公、ソフトな私、の塩梅が私は好きだなと。元々青春群像劇と謳っているからこのくらい“私”の部分が無いと単なる医療ものになってしまうし。医療ものが溢れかえっている中で差別化したい気持ちは伝わった。それでも既視感があるのは、DOCTORSの沢村一樹、アンサングシンデレラの田中圭、真矢ミキ、小野武彦等の「どこかで見たことあるベタなキャスティング」と、同じ局・同じ放送枠のコード・ブルーの影響が大きい。今作は局も放送枠もスタッフも監修も思いっきりかぶってるからどうしても比較されてしまう。比較されると優劣がつく。人間の記憶には思い出補正がかかるから、同じ出来だとしたって間違いなくコード・ブルーが優勢だと思う(付け加えれば主題歌も最強)。
でもここまではフジテレビだって承知のはず。そこからどう盛り返せるか、人気シリーズになって第2期、3期と制作されるようになるのか。コード・ブルー第1期の第1話が放送されたあと、世の中がどんな評価を下していたのかを覚えていないけど、ナイト・ドクターのこれからに私は期待している。この物語がどう動いていくか、見守っていきたい。
既視感がない全く新しいものを作るのなんて無理で、どんな物語も何かを踏襲したりオマージュしたり程度の差こそあれするものだと思うから、似たようなテイストになってもいいと思うんんだ。ただ面白いものにしてほしい。それだけ。

<次回以降の展開への予想と期待>

・岡崎紗絵ちゃん演じる高岡幸保がどんなキャラになるか楽しみ。どうやら高飛車な役っぽいけれど、美人がやる高飛車な演技が大好きなので期待しています。
・朝倉美月と成瀬暁人の関係は次回なのかな。医療ドラマに主人公のがっつり恋愛要素は不要と思っているので、ほんのりでお願いします。とは言いつつ、群像劇だしがっつりあってもいいのかも。それはそれで新しい気がする。
・心美ちゃん勇馬くんカップルはちゃんと病気のこと話して分かり合って第二話以降も付き合っていくと思っているけど、若い爽やかカップルにあまり試練を下さないでね神様。
泣いちゃうので。第一話も心美ちゃんの涙に泣かされたよ私は…。
・iriさんの歌声が宇多田ヒカルのようでとても良い響きだったので、また流れるのが楽しみ。
・深澤は今後頑張りつつもやっぱり少しやる気がない(弱気、臆病)ように描くのかと予想しているけど、個人的には心を入れ替えてめちゃくちゃやる気を出すものの空回りするくらいになってほしいなと思っています(これは自担贔屓を自覚しています)。桜庭と一緒にいろんなこと吸収して刺激しあって仲良くなって、桜庭の体調の異変に一番に気付く、みたいな展開にも期待します。
・桜庭瞬と理事長桜庭(真矢ミキ)との関係が気になるのでドラマ中盤前くらいの桜庭回で解き明かしてくれるのかと思っていますがよろしくお願いします。
・こんだけあーだこーだ書いてますが私個人的にはかなり真剣に食い入るように見てましたし、これをもっと多くの人に受け入れられやすくしてほしい思いで綴ったのでどうかご容赦ください。来週も楽しみに待っています。

<岸くんの演技>

・「Jr.のときは俳優班だったのに」というファンの声が多かったり、奏多やらトイやら良い役柄に恵まれていたこともあったりして期待値が高かった上、他のキャストが素晴らしいだけに期待しすぎて逆に心配もしていたけれど、とても自然な演技で良かった。かなり序盤の方から、「岸くん」ではなく「深澤新」に対して「頑張れよ」「おいちゃんとしろ」「断るな、後悔するぞばかやろう」「泣くよね、わかるよ…」と本気で思っていたくらい、ドラマに集中できた。
・役柄上第一話は仕方なかったかもしれないけど、第二話以降もっとハキハキ喋る演出になるといいな。「ぼそぼそ喋るけどはっきり聞き取りやすい発声」をするのって本当に難しいと思うのよ。それが身についていたら素晴らしかったんだろうけど、これは次への課題ですね。
・瞳の動きで戸惑いや不安を感じさせたり、逆に決意を宿したことを演出したり。一人の役者の演技として私は好きな演技でした。もっと見てみたい、他には何に出演してきたんだろうって、岸くんのことを知らなかったらきっとググっていたと思う。これまで「岸くん=天然でバラエティ班」の印象が強かった人が見たらびっくりしたと思うし、またキンプリだ、事務所の力だって思って見ていた人たちも、この演技を見たら納得するんじゃないかなと思わせるに値する演技でした。すごく良かった。これから変わっていく深澤を岸くんがどう演じるか、もう心配なんてしない、心の底から楽しみにしています。

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