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小論文のワンポイント講座 基本事項(2)

こんにちは!
KC看護アカデミア塾長の陀安です。

前回に引き続き、小論文の基本事項についてです。


⑷出題形式

小論文の出題形式は大きく分けて3つあります。

①課題文型
 文章を読んで書くパターンです。文章を読まなければならないため、要点をつかむ読解力が必要になります。多くの場合、それほど難解な内容ではありませんが、長い文章になると素早く要点を把握する力が求められます。
 また、文章を読まなければならないというプレッシャーはあるものの、文章から論述内容のヒントが得られるという意味で、むしろ親切な出題形式ともいえます。文章中に書かれていることをヒントにして考えるようにしましょう。

②テーマ型
 「〜について述べなさい」のように、テーマだけが与えられるパターンです。書くヒントになる課題文がないため、そのテーマに関する予備知識をもとにして、一から自分で内容を組み立てる必要があります。
 テーマ型で怖いのは、まったく知らないテーマが出題されたとき手も足も出ないという点です。対策として、予想テーマを調べて勉強し、知識を増やしておく必要があります。

③図表型
 表やグラフ等の資料が示されるパターンです。表やグラフの読み取りが求められます。表やグラフの特徴をつかむ着眼力や、その背景に気づく洞察力が必要になります。比較的少ない字数で内容をまとめる表現力も必要です。


⑸出題テーマ

大きく2つに分かれます。

①医療・看護に関する問題
 安楽死・尊厳死、ターミナルケア、医療事故などの定番の医療問題は小論文でよく出題されます。それら自体がテーマにならない場合でも、テーマの背景として関わっていることがあります。
 また、ニュース報道される時事問題も出題されることがあります。たとえば、新型出生前診断(NIPT)、京都ALS患者安楽死事件、新型コロナウィルス関連などです。
 医療従事者としての心得を問う問題もあります。たとえば「自分のどんなところが看護師に向いていると思うか」「看護師としての将来の夢」など、自分自身について説明が求められる場合です。

②一般的な社会問題
 医療・看護以外のさまざまな事柄もテーマになることがあります。「歩きスマホ」などの身近な問題から、「少子高齢化」、「高齢者の運転免許返納」、「人工知能(AI)がもたらす影響」などの社会問題まで、幅広く問われます。
 看護系の小論文は医療・看護に関するテーマが出題されることが多いですが、一般常識や倫理観を問うことを重視し、あえて医療・看護以外のテーマで書かせる学校もあるので注意してください。


⑹何を主張するか どのような根拠にするか

 小論文は作文とは違います。正確に言えば、作文の中の一つの型ではあるけれども、作文そのものではありません。
 作文は「文章を作ること」なので、どんな内容であれ(単なる感想であれ、思いつきであれ、創作であれ)、日本語として正確な文章を書くことができれば、さしあたり課題はクリアしたことになります。
 一方、小論文の大きな特徴は、「主張」が含まれていることです。たとえば家電の説明書には「説明」はありますが、製造者の「主張」はありません。感想文では「感想」は求められるけれども、「主張」は求められません。
 では「主張」とは何でしょうか。「主張」とは根拠のある意見のことです。根拠のない意見は感想にすぎません。根拠のある意見は「私は〜だと考える。なぜなら〜だからである。」という形をとります。
 小論文で重要なのは「なぜなら〜」の部分です。根拠の説明部分が小論文の中心になります。この部分をいかに詳しく、丁寧に、手順よく説明できるかが最大のポイントです。


次回は小論文の勉強の仕方についてお話します。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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