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責任がないからこそ優しくなれる

市の子育てサポートの活動で、いろいろなお宅を訪問して、1時間〜2時間程度、お子さんのお世話をしています。

お稽古事や自宅への送迎なども引き受けています。

どのお子さんにも、明るく楽しく優しく接することをモットーにしています。

なぜこんなにも優しく接することができるのか。
自分でも不思議なくらいです。

サポートするお子さんとは、その場限りのお付き合い。
もちろん仕事なので、責任感をもって真剣に向き合いますが、お世話する1、2時間を機嫌良く過ごしてもらえれば、それでいいのです。

その点、我が子は違います。
親は子どもを一人前にするという責任があります。
1日24時間、毎日毎日、子どものご機嫌を伺うわけにはいきません。
いい顔ばかりして、甘やかすとロクな人間になりません。
ロクな人間にならなければ、結局親にツケが回ってきます。

時には(毎日?)心を鬼にして、ダメなことはダメと教えていかなければなりません。

年老いた親に対してもそうです。
自宅で介護していたら、いい顔ばかりしていられません。
わたしの母は、実母は自宅で見送り、姑とも入院するまで10年以上、同居していました。

介護保険制度もなく、ヘルパーさんに手伝ってもらうという時代ではありませんでした。
遠方の兄弟も当てにはならず、ほぼ孤立無援。
全責任を負って介護を引き受けていました。

今なら、デーサービスなどを利用して、預かってもらうこともできます。
他人、とくに介護のプロの方は優しいです。
お仕事として訓練されていることもありますが…。

以前、わたしの父母もデイサービスを利用していましたが、スタッフの方には、頭が下がる思いでした。

あるとき、「親に辛く当たってしまうことがある」と洩らすと、「わたしも我が親にはこうはいきませんよ。仕事ですから」と笑っておられました。

子育ても介護も、全責任を背負い込まず、時には他人に任せてみるというのは、意味があることだと思います。

ひとりで頑張り過ぎないように。