宇野千代『98歳まで生きてわかった、「超ポジティブ思考」がいちばん!』
作家、宇野千代さんといえば、
自由奔放、著名人と次々に浮名を流し、結婚離婚を繰り返した人というイメージが先行する。
しかし、テレビなどで見る限り、お年を召してもお茶目で魅力的な人だった。
小説を地でいくような波瀾万丈。
着物デザイナー、実業家としても活躍された。
美人だから。
才能があるから。
それだけでは片付けられない、人間的魅力や物怖じしない積極性で人生を切り拓いていった人だと思う。
随分前だが、宇野千代さんに興味を持ち、『おはん』、自伝『生きて行く私』などを読んだことがある。
『おはん』は60歳のとき、『生きて行く私』は、85歳のときの作品だという。
涼みに入った本屋さんで、目次だけ見て購入した。
作家としては寡作だったが、努力を積み重ね、能力が積み重なった結果、晩年まで活躍されたということであろう。
駄目人間には励みになる言葉だ。
六十代にはうれしいメッセージである。
今までにもどこかで聞いたようなメッセージも多い気がするが、98年の人生を全うされた宇野千代さんの言葉には、説得力がある。
紹介していたら、キリがない。
章のタイトルを読むだけでも心に響くので、ご紹介する。
迷ったときは「行動する」ほうを選ぶ
一人でいるときも「陰気な顔つき」をしない
幸せな思い込みは、その通りになる
暮らしを「自分流」に愉しむ人になる
何に対しても否定的に言わない
4回の離婚で気づいたこと
95歳には95歳の美しさがある
死ぬ瞬間まで「愉しいことだけ」を考えて暮らす
生き方は到底真似ができないけれど、心意気だけでも大いに見習いたいと思いつつ、本を閉じた。