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「させていただく」多用する人にモヤっとする理由

長かった緊急事態宣言が解除になりました。私たちの生活にも少しずつ平穏が訪れようとしています。アフターコロナにおける成功のキモはなんでしょうか? コロナ以前は人間力が評価の中心でした。マネジメント力、リーダーシップ力、コミュニケーション力などはもちろんのこと、お客様との雑談力や営業トークも評価されました。

ところが、コロナ禍では従来型の直接コミュニケーションがリモートに置き換わりました。ミーティングや打ち合わせも、チャットやメールが中心となりました。これは、求められているスキルが、人間力からテキストベースに置き換わったことを意味しています。では、評価される文章力とはどのようなものでしょうか。

今回は、私たちがビジネスシーンで間違えやすいエッセンスについて解説します。皆さまは正しい使い方がわかりますか。

「させていただく」の広がりはいつ

ビジネスシーンでよく耳にする「させていただく」というフレーズがあります。拙著『「バズる文章」のつくり方』でも詳しく解説していますが、「させていただく」という表現自体は日本語として間違いではありません。多用しすぎることで違和感を覚えてしまうのです。

「させていただく」はビジネスシーン以外でも浸透しつつあります。立法府の最高機関である、国会でどの程度使用されているのか調べてみました。

いつごろから使われ出したのでしょうか。「国会会議録検索システム」というデータベースで調べると、衆参すべての過去の議事録が検索できます。衆議院、参議院、両院協議会、合同審査会等のなかで「させていただく」がどの程度使用されているのか確認してみます。

1975年には3538件、1985年には6058件。1989~1990年の昭和から平成にかけては横ばいですが、2009年/1万2898件、2010年/1万4355件、2011年/1万6353件と一気に増加します。令和にはいり、2020年/1万5385件、2021年(9月末迄)/1万4566件が確認できました。

まず、急増した2009年に注目してみましょう。2009年(平成21年)には歴史的な出来事がありました。第45回衆議院議員総選挙が施行され、民主党が総議席の3分の2に迫る308議席獲得と圧勝し、鳩山由紀夫内閣が正式に発足したタイミングです。

筆者が、違和感を覚えたのが、「代表を務めさせていただいております」「質問させていただきます」という国会答弁だったと記憶しています。また、当時は、行政刷新会議が行っていた「事業仕分け」なるものが注目されました。

続きは東洋経済オンライン(2021/10/08)でお読みください。
※東洋経済オンライン記事の転載になります。

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