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灯台とサッカー

ここ最近、COVID-19の様子が多少落ち着いたこともあり、Jリーグが再開した。当座はご存知のように観客を入れない形での開催となる。これを称して「リモートマッチ」と呼んでいる。
このリモートマッチはどんなもんだろうと思っていたが、まあ、自分の場合ならTwitterのタイムラインで試合を追っかけてるので、別に違和感はなかったりする。盛り上がるのはどんな試合でもそう。
この週の場合は、試合があるということ自体に殊更喜びを感じた。J2(そしてこれから再開するJ1も)は一試合既にやっている。だが、J3はこの前の段階でまだ試合をしていなかった。だから、応援する人々は殊の外喜んでいただろう。
これから先、試合開催がだんだん本格化して行くにつれて、そういった喜びがどんどん加速していくであろう。もちろん、COVID-19が終息していない現時点では、まだこの先のことは明確に見通せない部分もあるが、行ける時期が来れば(どっちみち自分はナイターシーズンには参戦できない)自分もスタジアムに出向いて、その渦中に身を投じたいものだ。

そんなわけで、これから先は去年の初秋というか晩夏というか(要は9月の頭の2週間なのだが)、「サッカーと付帯する何か」を経験したことについて、お話ししていこうと思う。しばしおつきあい願えれば。

起:灯台とサッカーはどう関係があるのか?

さて、話は全く変わる。

我が国には、JリーグやJFLなどという有料興行としてサッカーを見せる催しがある一方、地域リーグや都道府県リーグのように原則的に木戸銭無料のサッカーの試合がある。木戸銭を取らないが、だから真面目にやらない、ということは全くない。
そこに集まった誰もが、真剣に遊んで(と言うと少し語弊はあると思うけれど、実際そう言った方が適切だとも思う)いる。

サッカーに限らず、主体となる興行を何かのついでに観に行っても、全く構わない。神社への参拝のついででも、観光のついででも何でも良い。どちらがメインになっても全然構わない。
もちろん、当地にある重要な何かを観に行ってから、サッカーを観に行っても全く構わないだろう。様々なシチュエーションがあるし、結局のところは好き好きなのだ。

さて、そんなわけで、自分は灯台を見に行ってからサッカーの試合を見る、というのを去年二度やっている。
くどいようだが、どちらも灯台を見てからサッカーに行っている。大した理由などない。
結局、何故灯台なのか?というと、そこに灯台があったからだ。それ以外の理由はない。
などと言うと身も蓋もないのだが、要は試合をやっている会場と比較的近いところに、たまたま灯台があっただけなのだ。

島根半島の東の端にある美保関灯台。

そして島根半島の西の端にある日御碕灯台。

それらに行ってからサッカーの試合に行っている。そうした楽しみ方があっても良いと思う。

なお、この先の記事中でご紹介する自分が撮影した写真だが、2019年9月1日(美保関→弓浜)と同年9月8日(日御碕→浜山)に撮影しているとは限らないのでご注意願いたい。

承:美保関灯台→弓浜コミュニティー広場

境水道大橋

島根半島の東端にある、決して高くそびえているわけではない、こぢんまりとした灯台が美保関灯台である。
いろんな行き方があるが、今回は松江市から行ってみた。

灯台に行くまでに、境水道大橋を見る。高い橋だ。たまに通るとなかなかドキドキしてしまう。ここは風の無い時に通るに限る。

このデカい橋が渡っている境水道というのは、一応海に通じてはいる。

だが、境水道は「海」ではない。「」なのだ。更に、この先にある中海というところは、海ではなく湖だ。汽水湖である。ここから大橋川を挟んで宍道湖に出て、宍道湖を挟んで斐伊川に辿り着く。
まあ、それは別に良い。これから行く場所とはあまり関係はないのだから。それに、この橋は後ほど渡る。

美保関灯台へ

この時の天気はあまり良いわけではなかったので、日は照っていないのだが、何十年ぶりかに来た美保関の灯台も、こうして見るとそうそう悪いわけではない。ただ、日御碕とは違い、行く道に慣れていないこともあり、ちょっと戸惑うのだけど。
ただ、時間があれば、途中にある美保神社には参拝するべきだと思う。この時は寄っていないので写真はないのだが、海は近いし良い場所だ。

見ての通りの小ささであり、その姿からも一目瞭然であるように、一般的に想像する背の高い灯台ではない。

少し離れたところにこんな看板のある駐車場が存在し、そこに車を停めて徒歩で向かう。

当然だが、日本海が見える。

ズームのそれなりに使えるカメラで、洋上に浮かぶ船の写真を撮ったら、こんな感じのが撮れた。

遠目に灯台を見ると、こんな感じ。

手前の建物はビュッフェだが、それは後ほどご紹介する。

もう少し近づいてみる。

後ほど紹介する日御碕灯台もそうなのだが、こういう古めかしい門構えが出迎えてくれる。

門札の「燈臺」の二文字が郷愁を誘うではないか。「燈臺」の「燈」の字はまだ旧字体でも見慣れた方なのでいい。「臺」の字は昔の字体だ。であるが故に、より郷愁を誘う仕組みとなっている。たかだか門札如きで、と思うかもしれないが、それなりの郷愁を感じるためには、そういう舞台装置が必要である。何処のどんな場所でも、それは変わらない。

この美保関灯台は、門札の揮毫からもわかるように、歴史が非常に古い。

この看板にもあるように、山陰地方最古の灯台である。後述する日御碕灯台よりも歴史があるらしい。そして何より・・・

近代化産業遺産に指定されている。それどころか登録有形文化財でもある。山陰最古の灯台というのはそれほどまでに威光が大きい。

背は低いが、味わい深い灯台である。但し、後述する日御碕灯台と違い、美保関灯台は建物の中に入ることは不可能だ。外から様子を見るしかない。
一応、入れる時期というものは存在する。毎年の海の日がそれに当たる。今年ももうすぐやってくるはずだ。日御碕みたいに高くて長細いわけではないので登り易いだろう。機会ある方は是非。

但し、こうしたご時世であるからして、中に入れる海の日をどうしても狙う必要はなく、皆さんの都合で、慎重に予定を組んでいただけたら
来訪は皆さん一人一人の自由だし、その意思は、外出制限などがない以上、尊重されて当然だが、だからこそ計画の立案には慎重を期していただけたら幸いだと思う。
何しろ、敵(COVID-19)は、まだ終息などしていないのだから、緊急事態宣言など出ていなくとも、我々の暮らしには、まだ何かしらの慎重さが求められて然るべきだ。
自粛警察などというくだらないものが頻出しないためにも、開放感に身を置きたい心情は十分に理解する一方、自主的なそうした感情の抑制はあるべきかもしれない。

・・・と、堅苦しいことを書いてしまったので、話を戻そうと思う。

外にはこんなものもある。

日時計である。自分が行った灯台(言うまでもなく日御碕と美保関のことではあるが)にはかならずこの日時計が置いてある。

ちなみにこの美保関灯台は。世界灯台100選日本の灯台50選にも選出されていて、歴史的な価値が非常に高いことも相俟って、海上保安庁制定の全国23ヶ所にあるAランクの保存灯台にさえも日御碕灯台と共に選出されているというのだ。

日御碕は時々足を運ぶこともあるが、美保関はなかなか行かない。この時ですら、ン十年ぶりに足を運んだぐらいだ。ワインディングの具合が日御碕のそれより極端じゃないのか?と思うぐらいだ。滅多に行かないからそう感じるだけかもしれないが・・・。

ところで、この灯台には、実は与謝野鉄幹・晶子夫妻が訪れたことがあるのだという。それどころか、高浜虚子までやってきたことがあるらしい。昔高名をなした俳人や歌人らが何故この美保関の地を訪れたのか、その理由は知らないが、こういう人たちは訪れて、それなりの痕跡を残して帰っているのだから、面白いことをする。

与謝野鉄幹・晶子夫妻の歌碑はこの近くにあるらしいのだが、この時は見ていない。今度行く機会があった時に探してみよう。

これは、吏員退息所とされる官舎だった建物。今は改装の末に美保関灯台ビュッフェとなっている。今回は時間が無かったので、残念ながらビュッフェで食事はしていないが、海沿いに座席が設えてあって、見晴らしがとても良さそうだった。実際、窓越しの日本海は格別だろうと思う。

カレーを食べてみたかったなあ。カレーのみならず他の料理も美味しそうに思ったので、ゆっくりと訪れる機会があったら、ぜひ行って、ここで食事をしてみたいものだ。
ヘルシーなメニューも用意してあるので、自分にも行けるかも、と思ってしまった。

現役の灯台なので、かなり以前から無人化されており、今は光源も最新のものに更新されており、設備面でも最新になっているが、昔はこういう灯火が使われていた。デカいぞ。

こういった模型が設えてある。

この時は買わずじまいだったが、こういう衣類も売っている。黒いTシャツは可愛いかもしれない。機会のある方は購入されてはどうだろう?

美保関には隕石が落っこちてきたことがある、ということで・・・

実際に隕石が展示してあった。ちなみに少し西に戻って隠岐の島航路の出発地となっている七類港にも、隕石の施設があるという。機会があれば、ぜひ訪れてみたい。

この時は、雨は降っていなかったが、天候は必ずしも芳しくなく、ちょっと残念ではあった。晴れていたら、もっと風光明媚だっただろうに。

さて、灯台を十分に満喫したので、美保関を去る。灯台へのワインディングを逆に辿り、美保神社を経て、先述した境水道大橋を渡ることになった。

もう一度言うがデカい橋だ。もう少し近景の写真があれば、よりわかりやすかったかもしれない。大きな船を通したい(Wikipediaの記述によれば1万トンの外航船を通したいという要望があったらしい)ので、こういう構造の橋になっているそうだ。
そして、この構造のおかげで、境港側の取り付け道路の勾配が極端に上がったという。また、美保関側の用地買収等が手間取ったらしく、開通が一年遅れたらしい。

ともあれ、風があるような日にはあまり渡りたくない橋だし、自分は車で渡るから良いが、自転車などで渡るのはつらいだろう。現にそれをやろうとして断念した人もいる。火野正平って人なのだが。

火野さんはご存知の方も多いが、NHK-BSプレミアムでほぼ毎年放送している「にっぽん縦断こころ旅」のメインを務めていて、いろいろな場所を、同行スタッフと共に自転車で走破している。
そしてこれもご存知だろうが、火野さんは極度の高所恐怖症。自転車(場所によっては徒歩)で橋を渡るのをおっかながる様子が、毎年やっている「こころ旅」で頻繁に取り上げられるが、ここも同じようにおっかながっておられて、この様子もたまたま見ていたが、火野さんはバスの車中でじっと身を縮めておられた(ちなみに、火野さん本人は渡し船でこの境水道を渡りたかったようだが、渡し船は既にこの頃は廃止されていたのだ)。
そりゃそうだろう。遠景の上の写真ですら高さが凄まじく見えるのに、近くなんかに寄ろうものなら、高所恐怖症をこじらせた人などは卒倒しそうになるんじゃないか。

まあ、ともあれ、この境水道大橋を渡らないと、対岸にある境港市や米子市に行けない。行けないわけでもないが、時間と手間がかかりすぎるので、非現実的だと思う。まあ、それに橋なんてあっという間だ。
昔は美保関に行ったり、境水道大橋を渡るのにも実は有料だった。昔行った際に、自分はどちらもおカネを払ったことがある。領収証は取っておいてないが確かにおカネは払っている。

美保関の道路は2000年7月1日に、境水道大橋は2002年7月21日に、それぞれ無料開放されたらしい。だからどちらを通行する際にもおカネを払った記憶があるはずだ。
ともあれ、これらを通過し、境港市に入り、米子鬼太郎空港傍の、弓浜コミュニティー広場へと向かう。

弓浜コミュニティー広場へサッカーを観に行く

弓浜(きゅうひん)コミュニティー広場とは・・・

鳥取県米子市北部(境港市とのほぼ境辺り)にある、見ての通りの多目的フィールドであり、客席というものは存在しない。中に入って適当な場所で観戦するようになる。基本、立ちん坊観戦になるので、椅子などを持っていくのがベターだろう。

その界隈ではご存知の方も大変多いだろうが「わかの観戦日記」さんのスタジアムガイドにも網羅されている。ここに網羅されるというのは、わかさんの取材力(このスタジアムガイドを拝見する度に、その取材力の高さに驚かされてばかりだ)もさることながら、規模の大小にかかわらず、それだけ名のあるスタジアムであると言えるだろう。

ここは、基本的に公共交通機関で行くような場所ではない。近くにJR境線が通っているが、本数は多くない。バス停もあるが、バスの本数も決して多いとは言えない。タクシーも米子鬼太郎空港が近所にあるとは言え、近くにあるわけではない。
なので、行くなら自家用車で行くべきだ。

そんな利便性の著しく悪い場所で自分は何度も試合を見ている。地域リーグだろうが県リーグだろうが、観に行ける時があるならば行く。そこに深い意味などありはしない。自分のモットーみたいなものだ。
今回見た試合は、鳥取県社会人1部のSC鳥取ドリームスvsけろー会というカードだった。

さて、SC鳥取ドリームスとは何だ、という話だが。

一言で言うと、ガイナーレ鳥取のファミリーチームである。自分もこことのつきあいが長いのでnoteに書いている。

鳥取県リーグに登録した当初は、バカがつくほど強かった。で、2012年に中国サッカーリーグに昇格したものの、成績が伴わず1年で降格した。その後の2016年にも再昇格したものの、今度はリーグ戦全敗の憂き目に遭い、またしても降格した。2017年以降は鳥取県サッカーリーグ1部に属して活動中である。

一方のけろー会とはどういうチームか。

ここのことは時々、観戦仲間の某氏から耳にしていたのだが、改めて調べてみると公式サイトに出くわした。以前なかったはずなので、最近できたものと思われる。

その記述を見る限り、2013年設立らしい。自分の中では鳥取県中部にはサッカーチームの印象が乏しいけれど、その鳥取県中部地盤で奮闘しているのがこのチームのようだ。

けろー会はこの年、残念ながら2019年シーズンは1部最下位だったので、今年(2020年)は2部に降格しているはず(反対に、同年2部優勝したので昇格したのがキルシェンのはずだ)なのだが、鳥取県リーグの今季レギュレーションが明らかでないので、イマイチ判然としていない。

試合の模様はこちらに書いた。

滅多に観戦する機会のない鳥取県中部のチームなのと、この、けろー会というチームは前年は非常に強かったらしいので、その意味でも大きく期待して出かけたのだが、やはりドリームスも然るもの引っ掻くもの。安定の強さであった。

なお、帰りはすっかり名前の売れたここを通った。

境港側から見ても何のこっちゃ?となるので

大根島側から見るとこうなってる橋、つまりベタ踏みしないベタ踏み坂こと江島大橋を渡って帰った、というわけ。

鳥取県社会人サッカー事情を軽く

ところで、鳥取県内社会人リーグに於ける強豪を取り巻く事情も、ここ数年で大きく変わった。
極めつけはSC鳥取ドリームスが絶対王者たり得なくなった。という点が大きく、Yonago Genki SCが現名に改名した2016年頃から覇を唱えることが多くなり、2017年と今年(2020年)に中国サッカーリーグに昇格している。これに加えて、バンメル鳥取という鳥取県東部地盤の新興の強豪が、かつて鳥取県東部地盤の強豪且つ古豪だった鳥取キッカーズと入れ替わるように勢力を増してきた。
今や、J3リーグのガイナーレ鳥取を別にすると、鳥取県社会人三強は

Yonago Genki SC
バンメル鳥取
SC鳥取ドリームス

という様相に固まりつつあるようだ。けろー会もここに割って入りたいものだろう。ただ、すぐには無理かもしれないが、不可能でもないと思う。鳥取県中部サッカー界の重要な足場となるべく、奮闘してもらいたい。

転:日御碕灯台→浜山公園陸上競技場

島根半島の東端には美保関灯台があるように、島根半島の西端には日御碕灯台が存在する。

実はSC鳥取ドリームスvsけろー会の翌週、島根半島西端を攻めてみよう。となった。

島根県道29号大社日御碕線

ここもかつては有料道路だった。但し、1982年までの話なので、自分が運転免許を取得して、この道を通るようになった頃には、もう有料道路ではなかった。今は有料道路だった面影すらないので、そのように言われないとわからないんじゃなかろうか。

境美保関線もワインディングがキツいと言ったが、やはりここと比較してはいけなかった。

先ずこの道路を辿る前に、稲佐の浜という海岸を簡単にご紹介しておこう。

風光明媚な海岸で、こんな島がある。あんな上の方に祠があるのだから、昔の人の技術力ってとんでもなかったんだなあ。

さて、この路線を走る路線バスの車窓風景を見つけたので、多少長めだがご覧いただこう。

こんな道路、よく路線バスが通るよなあ、などと言わないように。需要がある限りは通すんだから。出雲市駅~出雲大社間は出雲管内のドル箱路線であって、これに付随する形で運行されている出雲大社~日御碕線も観光地に行くわけで、多少は便数がある。
通り慣れている路線バスなんかはまだ良い方だ。通り慣れてない(特に県外から来るような)観光バスとか、しんどいんじゃないか。あれでも道路改良されていて、昔に比べたらずっと通行しやすくなっている。
上の動画でも、時折閉鎖された旧道が見えただろうが、昔はトンネルが恐ろしく狭かったり、ワインディングがもっと急だったりしたものだ。

日御碕に向かう途中ではこういう看板が出迎えてくれる。

閉鎖されたトンネルもこのように存在する箇所がある。もちろん中には入ることができない。

同じトンネルだと思うが、12年ぐらい前は歩けば中には入れた。今は上の写真のように金網で塞いである。事故が起きてからでは遅いのだ。対策は大切だ。

途中にこういった感じで改良を施されたトンネルがいくつか存在する。昔なんて、素掘りみたいなトンネルがあったから。それを思えば今はこんな感じのトンネルばかりだ。

遠景でこれ。先程の美保関灯台とは全く異なる。驚くほど背が高い灯台だ。

日御碕は山陰最古の灯台ではないが、年代的に言えば、さほど違いは無い頃に建てられている。
ここも戦術の美保関灯台と同じく世界灯台100選に選ばれていて(当然ながら、日本の灯台50選の一つでもある)、やはり美保関灯台と同じく登録有形文化財ではあったが、美保関灯台とは異なり近代化産業遺産には指定されていないようだ。

だが、そうした近代化産業遺産でないという事実があったにせよ、この灯台がAランクの保存灯台であることは変わりがない。

ここはそして、日本一地上高が高い灯台でもある。

海面から60m以上あるというから、その高さが半端なものでないことがおわかりいただけよう。

駐車場には、ご存知の方も多いと思うが、灯台を模した電話ボックスが存在する。ただ、携帯電話が今や当たり前に普及している御時世で、もはやこれを使う人も少なかろうけれども・・・、観光のシンボルとしては大いにありだと思う。取り壊したり撤去したりがないように願うばかりだ。

敷地に着く。門柱と看板が出迎えてくれた。

ここの門柱も「灯台」が「燈臺」と表記してある。せっかくだし、近くで撮った写真でも。

ところで、過去に何度も文中で触れているように、今現在の自分は身体障害者であるが故に、ここの灯台を全て登ることは、構造がバリアフリーでなければ不可能だ(それを確かめたことはないが、階段は急そうなので自信は持てないでいる)。
じゃあ、登ったことがないのかというと、そんなこともない。まだ今みたいになる前の2008年に登ったことがある。

登れる最も上まで上がると、こういう写真が撮れる。

今の自分はここまで登ることは恐らく難しいだろう。左側の体側に麻痺を抱えたような身体なのでそのようなことはしない方が無難だ。

こういう灯火を使っていたのかしら。この灯台のすぐ近くに資料館があるので、ぜひ行ってみてほしい(実は自分も別の日に行ってるのだけど、その際の写真をミスから消去してしまった。なので、実はこの日行ったのはサッカーのついでと言うよりは、リベンジに近かった)。

灯台と言えば、日時計も置いてある。

昔は時刻を知るために本当に使っていた。しかし、灯台が無人化した影響もあり、使わなくなったため廃止されたが、それを再び復元したのが日御碕のそれらしい。恐らく美保関のも同様な理由で設置してあるのだろう。

当たり前だが、海が近いので、こういう魚の乾物が軒先に売ってたりする。のどぐろとか旨いよ。

フグ(というかハリセンボン)のこういう飾りとか、売ってるしね。海岸の砂とかも売ってる。ものを食う店も灯台の近所にはそこそこある。

このウミネコ、12年前にもいたよな。上が2019年、下が2008年のもの。

飛んできて鳴いてるんだろうか。行ってみたい方は、今のCOVID-19騒ぎが終息したら行ってみると良いだろう。冬はあんまりお勧めしないが。

日御碕神社

さて、日御碕には灯台のみならず、神社もある。

こういう鳥居が設えてある。

灯台から歩くと、少し距離と高低差があるので、あまりお勧めはしない(健康な人なら、行って行けない距離ではないのだけど、あまり無理はなさらぬように願いたい)。

朱色が実に美しい門が構えてある。日御碕に来たら、灯台だけでなく、この神社にも参拝した方が良い。厳かな気分になれるというものだ。

手水をここでいただいてから参拝する。

この拝殿は非常にきれいに思えてしまう。ここに来ただけでも来訪の価値というものがあると思う。

こうしたものが建っていて、この神社の性格というか、有り様を伝えているような気がしてしまう。

ここの神社は平成の間に遷宮があったらしく、庭園を奉納されているみたいで、こういう石碑が建っているようだ。

神社の近くにはこういうバス停が存在する。先程のようなバスも当然ここに停まる。

このバス停の近くにも小さなお社が存在する。

ここも一緒に参ってみると良いかもしれない。

当たり前の話だが、出雲にあるお社は出雲大社だけではない。出雲大社は有名なお社ではあるけど、出雲大社以外にもたくさんのお社が存在する。機会を見つけていろんなお社に出向いてみるのも一興かもしれない。

お昼は出雲名物割子蕎麦を「かねや」さんでいただく

さて、大社の街中に戻ってきた。もしもこれから観に行く試合が13時開始だったら、そんな場所でゆっくりとしている暇はないのだが、この日の試合は15時開始。なので、しばらくゆっくりできる。

で、出雲大社の駐車場に車を置いておき、蕎麦を食いに出かけた。前から目をつけていたお店だ。

ロイヤルファミリーに献上したから、ではなく、何かのサイトで見た(ような気がする)「かねやさんの蕎麦は旨い」というそれだけの評判を頼りに出かけたという、何とも頼りない話だ。

わかりにくい店だったらどうしよう、と思ったが、このシンプルな案内看板に違わず、わかりやすいお店だった。

幟が立ってた。ということは・・・

こっちなら出雲大社だな・・・って違うだろ、おい。

こういう店構えのお店だ。さっきの案内図と概ね同じような位置関係だったので、すぐに見つけることができた。

メニューはこういう感じ。ただ、蕎麦湯がデフォルトではついていない。一般的な店ではついてくる(もちろん蕎麦アレルギーがなければ、だが)ものだが、ここでは頼まないとついて来ない。自分はこの時、蕎麦湯を頼んでいないが、あれば旨かっただろう。

で、頼んだのはごくオーソドックスな割子蕎麦。当然、三段である。値段から見るに、恐らくいわゆる「十割蕎麦」ではないのだろうと思うが、明言がないのでわからない。ただ、仮にそうでなかったとしても、この蕎麦は普通に美味しかったし、自分としては好みの部類に入ると言って良い。

評判は間違いではなかった、と思い、かなり安堵した。これで当初の目標は済んだ・・・

浜山公園陸上競技場へサッカーを観に行く

・・・これで当初の目標が済んだ・・・というわけはない。自分としては蕎麦食えたのでかなり満足だったのだが、もう一個用事があった。サッカーの試合である。

自分は別に松江シティFCってとこには何の義理もない。そこのサポーターでもないし、ガイナーレ鳥取と違い、応援すらもしていないどころか、シンパシーすら抱けていない。
監督(この試合の当時はコーチ)が旧知の人間で、かつての推し選手が在籍しているから、というその程度の理由で、ごくたまに試合を観に行く程度でしかない。
2019年シーズンに関してはこの試合が初めてだった。それまでに浜山で何度か試合をしていたはずなのだが、ガイナーレ鳥取最優先(以下、優先順位を他にも設定している)で観戦日程を組んでいるので、その結果、たまたまタイミングが合わなかった。それだけの話だ。ここがガイナーレ鳥取と並ぶ推しチームだったら、それなりの配慮はする。でも、実際にはそうじゃないからしない、というだけ。

皆さん、出雲大社の敷地内や周辺地域ではポケモンGOなんか絶対にしちゃダメだよ。こういう立て看でみっちり怒られるんだから。歩きながらのスマートフォン使用も極力控えような。
これ、ポケモンGOが流行り出した頃から建ってる看板(下の写真は2017年12月に撮影したもの)だけど、相変わらず。

さすがにこの立て看が建つようになってから、スマートフォンを覗き込みながらウロチョロするようなヤツは見かけないけど、仮にポケモンGOじゃなくても、ある程度落ち着ける姿勢や空間でスマートフォンはいじりなさいよ、とは思うけどね。

んなわけで、出雲大社を後にして、浜山公園に向かったよ。

ほぼ地元だから、もしこの時家にいたら非常にゆっくりと出かけていただろう。

浜山公園に行くような用事がある場合、今のところはこれから試合を見る陸上競技場と

この北側の奥の方にある補助競技場(観客を入れるという前提がそもそもないので客席はないが、強いて言えば、球技場側に座る場所はある。ただ、背もたれはない)か

その向かい側にある球技場(観戦スペースはわりとあり、客席こそないものの自由度は高い。奥側にはテント状のスペースもある。ただ、金網には注意されたい)に行くことが多く

島根スサノオマジックが試合をする際に、時々体育館に足を運ぶことがあるというような利用頻度だ。

補助競技場や球技場で観戦したものでは、国体予選(成年男子及び少年男子など)、全社予選、島根県社会人リーグ(1部・2部両方)、高校生年代の試合、などを見ている。でも、今回はそこでなく、陸上競技場だ。

陸上競技場でもいろんな試合を見た。サンフレッチェ広島とインデペンディエンテやアイルランド代表、試合ではなくミニキャンプも見たことがある。そればかりか、なでしこリーグ、皇后杯の予選、天皇杯の予選と本戦、SC鳥取当時にJFLだって見ている(それどころか、実は1994年に旧JFLの東京ガスが来て、セレッソ大阪とこの会場で試合をしているが、自分は見ていないという不覚をやっている)し、全社予選も見た記憶がある。県の高校選手権も見た記憶があるし、ユースのカップ戦も見ている。2015年にはこの地で地域決勝の1次ラウンドが開催されたので、それを見てもいる。

松江シティにとっては、2015年の地域決勝で2次ラウンドを寸前で逃した会場である。まあ、そのことを知っている人間はもうほとんどいない。キャプテンの田平や、コーチの実信ぐらいだろう。あと、この頃はまだ選手として在籍していた船川ぐらいか。
ともあれ、ホームの松江市営陸上競技場を完全には確保できないので、浜山も借りよう、という算段なのだろう。

いろいろ買ったりもらったりした。

中でも最も珍妙だったのはこのにんにくだ。スポンサー企業が育てたものらしいのだが、この会社・島根ナカバヤシはあのフエルアルバムなどで知られるナカバヤシの系列であり、それがにんにくの栽培というのがよくわからなかったりする。ひょっとしたら、会社の事業としてにんにくを育てているのかもしれない。よくは知らないが(ラベルをよく見ると「Hyogo-nakabayashi」とあるので兵庫ナカバヤシの工場で作ったものではないだろうか?)。

わからんが、まあ、とりあえずこの日のマッチデイスポンサーだったので、何か配れるものをと考えて、にんにくになったのだろう。もらって困るものでもないので、ありがたくいただいておいたが。

さて、試合の模様はこちら。

松江シティFCは、まあ、2019年シーズンからJFLに参入したチームなのだけど、個人的には、諸事情あって、このチームには単純に肩入れしづらい。その「諸事情」についてはご勘弁願いたい。ただの個人的な感情のもつれ、戸だけ申し上げておきたい。それ以上のことは話す気がない。

そんなこともあって、このチームサイドの応援席には行くことがない。島根県民なのに、と思う人もいるだろうけど、島根県民だからと言って、全部が全部、松江シティが好きな人ばかりではないでしょ?という話で終わると思う。それだけの話。

こちらはそもそも島根県民でありながら、ガイナーレ鳥取にシンパシーを抱き、試合観戦も最優先にしているような人間だ。たぶん、松江シティが将来的にJリーグに参入できても、自分はやはりガイナーレ鳥取シンパなのだろうな、と思う。
島根県のチームならば、個人的にはデッツォーラ島根ECを愛好している。何度も言っているように、ここの代表だったW氏にシンパシーを抱いての話である。
だから同じ浜田市のチームでもベルガロッソ浜田にはまるで関心を寄せていない、ということが起きる。これはチームが悪いのではなく、何となく自分の考え方の問題に過ぎない。

まあ、自分の好みの問題はともかく、そんなわけで松江シティの試合を自発的に観に行くことはほとんど無い。タイミングが合ったから、というだけ。

さて、そんな松江シティFCだが、今更だがこんなチームだ。

このチームとこの日試合をするのが、東京武蔵野シティFC

実は以前は横河電機という企業チームだったが、次第に横河色が薄まり、チームカラーは継承しつつ、クラブチームへと体質を変えていった。そんな経緯を持つチームである。
そして、この日は、ここのサポートをしているTwitterの某フォロワー氏と落ち合った。というより、偶然お目にかかったというべきかもしれない。来るとは事前に何となくツイートで見ていたような気がするけど、まさか出会えるとは思っていなかった。その節は、いろいろお気遣いいただきありがとうございました。
ともあれ、元々初手から武蔵野側に陣取るつもりだったけれど、その方と一緒に武蔵野側に行った。

試合はその、何というのか。まあ、武蔵野はアウェイなりの戦い方をしたのかな、という気がする。

せっかく電光掲示板があるのに、スコア表示に使わないというよくわからんことをしでかす松江シティ。いろいろあるんだろうけど、まあ、もうちょっといろいろな意味で「魅せる」工夫はした方が良いのかも・・・。
それでなくても、彼らのホームスタジアムである松江市営陸上競技場にはこういう施設はないのだから、ある時に効果的な使い方を覚えておけば良いのに。そしたら、できた時に対応できるかもしれないし。

島根県の社会人サッカー事情を軽く

今は松江シティがJFLにいるのを頂点として、中国サッカーリーグにデッツォーラ島根ECとベルガロッソ浜田(どちらもホームタウンは浜田市であり、そういう意味では競合関係。また、浜田市にはF2リーグに属するポルセイド浜田が存在している)がいる。
島根県は県サッカー協会の支部分けが独特で、松江地区(松江シティやSC松江などが中心的)・出雲地区(E-WING出雲や女子のディオッサ出雲などが中心的)・浜田地区(上記3チームが中心的)・益田地区(男子の紫逅倶楽部が中心的と言える)という4つの都市圏で地区分けをしている。

島根県社会人リーグで現在強豪と言えるのは・・・

SC松江
E-WING出雲
紫逅倶楽部

ぐらいになるのか。とりあえずSC松江は、中国リーグへの昇格経験などを持ち、この中では頭一つ抜けていると思う。E-WING出雲や紫逅倶楽部がこれに続く感じなのか。
松江シティが完全に別格のチームになってしまったこともあって、この次がベルガロッソ浜田とデッツォーラ島根ECとの鍔迫り合いで、上記の三チームは、その次のポジションを争うチームだと言えるかもしれない。

この中では先程来言っているように、SC松江が一枚も二枚も上を言っていると言わざるを得ない。

E-WING出雲は公式サイトがあったような気がするけど、今どうもそれっぽいものがFacebookページしかない。

紫逅倶楽部は吉賀町という県の西の端に位置するチームであり、地理的には山口県の方がむしろ便利が良さそうだ。このチームが県東部の松江や出雲に出て来るのは、わりと大変かもしれない。それでも、それなりの成績は残せるチームだから、この先もどうにか上昇できるようになってもらいたいところだ。

E-WING出雲は、ここ10年ぐらいで成長してきたチームで、出雲市民としても注目したいところ。ただ、女子のディオッサ出雲を凌駕するような注目度を獲得したいところで、そのためにも実績が必要かもしれない。先ずは中国リーグに昇格できるようになりたいところ。ただ、道程は決して平坦なものではないだろう。
それに、やはりSC松江という高く厚い壁を越えていく必要がある。それができるかどうかだろう。

SC松江は、そこに行くと島根県リーグでは別格の強さだと思う。ちょっと太刀打ちできるチームを他に知らない。が、それ故に、このチームと同じカテゴリでライバルが登場しないと、島根県のサッカーは停滞してしまう危険性もある。そして、こういうチームですら中国リーグですぐに降格してしまった、というのが現実である。

結:COVID-19エイジのサッカーとその他の何か

正直、COVID-19がいつ終息するのか、誰にもわからない。ワクチンは今の時点では、まだできていないので、これに今のところは強く期待するわけにも行かない。ただ、全くできないこともないだろうとは思っており、今はその完成をとにかく待ち侘びている。

そうしたワクチンなどがいずれ完成して、サッカーを従前のように気軽に観戦に行けるような日が、また再び来るのだろうか。サッカーだけでなく、いろんなことを絡めて楽しめるような、そんな日がまた戻ってきてくれるだろうか。
我々はそんな日を心から待望しているのだが、今の状況ではなかなかそんな日常が確実に戻ってくるかどうかはわからない。

そもそも、サッカーをたくさんの観衆の中に身を置きつつ、楽しむことができるのかどうか、ということにもなるだろう。
そのためには、やはり今最も問題になっているCOVID-19の流行が、いち早く終息してくれるしかないだろう。
それには、何と言っても医療従事者の不断の努力があってこそ、それは様々な研究者・技術者たちの長足の進歩と共に成し遂げられるだろうから、医療従事者・研究者・技術者たちの邪魔はしないようにしたい。彼らだって、こんな苦行を好き好んでやっているわけではないだろう。それをしないと、人類の営みが破綻してしまうかもしれないのだから。

ともかく、サッカーなどのスポーツイベントと、それ以外の観光がセットで心おきなく楽しめるような日々が、再び来てくれるように、医療従事者・研究者・技術者たちにばかり負担を強いることなく、我々はできることをしていくより他ない。

今のようなCOVID-19エイジを生きる我々は、その時代にいることを正面から受け入れて、その中で生きていくしかないだろう。以前のような自由を満喫したければ、それに一日も早く戻れるように、誰もで助け合いながら進んでいく以外にないだろう。それこそが、我々の務めに相違ないのだから。誰かがそうしてくれる、というものではない。

自分は2019年9月上旬のあの二週間で、灯台とサッカーをそれなりに満喫したつもりだが、そんな日が再び訪れてほしいと願ってもいる。だから、今のところ、できることをそれなりに少しつつしている。
手を洗い、アルコール消毒をし、社会的な距離感をできる限り守るように心掛けている。そうすることで、時間を稼ぎながら、ワクチンができて世の中に広く出回ったなら、最高ではないか。そんな期待を自分は強く抱いているのだ。

基本的に他人様にどうこう、と偉そうに提示するような文章ではなく、「こいつ、馬鹿でぇ」と軽くお読みいただけるような文章を書き発表することを目指しております。それでもよろしければお願い致します。