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糸井重里さんの「ほぼ日刊イトイ新聞の本」を読んできた
ぼくの大事な本のひとつに、糸井重里さんが書いた「ほぼ日刊イトイ新聞の本」がある。
(ぼくの人生で大事な本の3つに入る。残り2つはまたのちの機会に)
これは、ウェブメディアの1つの成功事例であり、ものや企画を販売するウェブとしての大いなる先駆者、「ほぼ日刊イトイ新聞」の創業(1998年)から2001年頃までの話をまとめている。(のちに2004年までのことが加筆された文庫版が発売)
ぼくがキネプレ
「泣く」ということについての覚書
ある朝、寝ぼけまなこをこすりながら、コーヒーを、自分1人のために丁寧に淹れた。お気に入りのファイアーキングのカップにちょうど一杯分、というのがいつもむずかしい。コーヒーポットの目盛りの一杯と二杯のちょうど真ん中なのだ。
カルディで買ってきた、まだなんとか鮮度を保っているコーヒー豆を、ミルでギュイイインと挽く。耳障りな器械音を聞きながら、ふと、自分にとって尊敬する人が亡くなったときぼくは泣くんだ
ぼくは、映画と文章とお酒に、人生を救われた
ぼくは、映画と文章とお酒に、人生を救われた。
いまから10年以上前のことだ。
映画に救われた、というと「なにをおおげさな」と思うだろう。
でも忘れもしない、大学生のある一年間。ぼくは人との摩擦におびえていた。
外に遊びにいく気力がわかず、人と接する勇気も持てなかった暗い時代に、ぼくはひたすら映画を観まくった。
最初はレンタル。一週間で平均5本、一日3本観る日もあった。ずっと同じソファに座って同じ
10年前の自分への手紙を書こう、と思った
冬、ネオンが輝きクリスマスのライトアップがまぶしい夜の大阪。
心斎橋で、タクシーに乗った。
後部座席に案内した男性が、助手席に座ったぼくに聞いた。
「『カメラを止めるな!』の、森田さんなりの良かったところを教えてほしいです」
その男性、上田慎一郎監督に、ぼくはツバを大きくごくんと飲みこんでからとっさにこう答えた。
「全てが丁寧なところです。観客を突き放さず、ちゃんと楽しいところへ