ぼくは、映画と文章とお酒に、人生を救われた
ぼくは、映画と文章とお酒に、人生を救われた。
いまから10年以上前のことだ。
映画に救われた、というと「なにをおおげさな」と思うだろう。
でも忘れもしない、大学生のある一年間。ぼくは人との摩擦におびえていた。
外に遊びにいく気力がわかず、人と接する勇気も持てなかった暗い時代に、ぼくはひたすら映画を観まくった。
最初はレンタル。一週間で平均5本、一日3本観る日もあった。ずっと同じソファに座って同じテレビの画面で、飽きもせず映画ばっかり観ていた。
黒澤・小津、ハリウッド、アート