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問題解決あるあるコラム#19:よく考えたら日本の教育システムは素晴らしかった

こんにちは。いちおか@問題解決サポーターKAIOS代表です。

問題解決あるあるコラム第19回のテーマは、「よく考えたら日本の教育システムは素晴らしかった」です。お前が日本の教育システムの何を語るんじゃ! とお叱りを受けそうですが(笑)、今回語りたいのは「組織マネジメント」について、です。


黒板の上に見つけた衝撃

皆さんも、お子さんの授業参観にいかれたことがあると思います。僕もこれまでに何度か参加しました。我が子がどのように集団生活をしているのか、友達とどんなコミュニケーションをとっているのか、親としては心配ですよね。自分もそんなひとりの親として子供の授業を見にいったのですが、教室に入り「懐かしいな~」などと思い出に浸りながら、ふと黒板の上の方に目をやると、あるものが目に飛び込んできて釘付けになってしまいました。そう、「クラスの目標」です。そこには「こんなクラスにしたい!」「こんな風に過ごしたい!」「こんな生徒でありたい!」と見事な行動指針が記されていました。彼ら彼女らは、毎日無意識の内にあの目標を目にしながら学校生活を送っているのです。これらの目標は、もしかすると先生からの提案かもしれませんが、おそらく最後はクラス全員で話し合って決めたのでしょう。これはすごい。

付加価値を生み出す習慣

そうしてさらに周りに目をやると、黒板の端には「今日のめあて」「ふりかえり」という言葉が並びます。「!!!」驚きです。授業毎に「今回は何を学ぶのか」「どんなところに着目するのか」が明確に示されます。そして、授業が終わるとふり返りです。授業で分かったことや見つかった課題などを生徒たちが発言していきます。こうして、授業を「受けただけ」ではなく「理解したこと」と「理解できなかったこと」「見つかった自分の課題」を明確にし、次へのアクションを決めます。そう、しっかりと「付加価値」を生み出しているのです。これが毎日毎日、授業の度に繰り返され、生徒たちはこの基本動作が当たり前のように習慣化されています。

ふり返りと見える化

さらに、廊下の壁に張り出されているプリントを見てみると、各自学校で行われた行事に対して、「記憶に残った3つの活動」「選んだ理由」「感想」「上手くできたこと」「みつかった課題」「次にやりたいこと」「クラスメートへのメッセージ」などが書かれています。ここでも確実にふり返りを行い、理解を定着させ、次への動機づけを生み出しています。そしてなにより、それらをみえる化し、常に目に入るところに掲示しています。つまり、自分の意見が他人の目に触れることが前提となっているのです。そして、このことが大きな意味を持ちます。

ゴールオリエンテッドな子供たち

プリントに書いてあるコメントを読んでみると、見事に黒板の上のクラスの目標に紐づいたコメントばかりです。こうしてみんな、自分たちで立てた目標である「生徒像」に向かって成長しているのです。すごい! すごすぎる! 「方針の一貫性」「組織マネジメントの現場への落とし込み」と「それが習慣化されるまでの実践」「成果のみえる化」全てが完璧に実行されています。何より、みんな「自分たちの言葉」で発言しています。自分の発言に「責任」を持っているのです。一方で、これは子供たちが先生に「言わされている」と見ることもできますが、この「言わされている」ことにも重要な意味があります。この、「言うこと」の意味についてはまた別の機会で考えてみたいと思います。

組織マネジメントの極意は学校にあった

こんなに素晴らしいシステムが、小学校でも中学校でも導入・実践され、子供たちの行動記憶に刷り込まれているのです。おそらくかつては自分もそうだったのでしょう。ひるがえって自分たちの職場はどうでしょう? なぜ、子供たちができていることが大人の我々にはできないのでしょう? これは、おそらく「しくみを動かす側」の問題なのでしょう。学校の先生たちのように、「子供たち個人個人の自主性を尊重しつつ、クラスとしての団結力を高め、力を併せて何かをやり遂げる」ことを通じ、子供たちの「学び・成長」を支援する。そんな思いがないとダメなのでしょう。つまるところ、組織マネジメントとはそんなものなのではないでしょうか? では、大人たちの職場では、誰が先生の役割を果たせば良いのでしょう? 考えさせられます。

まとめ

いかがですか? 我々大人も今一度、子供たちから学び、組織力を醸成する過程で個人としても成長する、そんな取り組みをしてみませんか? しくみは教育現場も、我々の現場も同じです。てか、学校ってすごい! 当に学びの宝庫です。日本の組織力を底上げしていくヒントは、日本の教育システムの中に確実にある! そう確信できる機会となりました。あ、そういや我が子は何してたかな? 

今回も最後までお読み頂きありがとうございました。
次回のテーマは「ものづくりはひとづくりなのか?」です。
次回もお楽しみに!


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