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問題解決あるあるコラム#21:ものづくりよりことづくり

こんにちは。いちおか@問題解決サポーターKAIOS代表です。

問題解決あるあるコラム第21回のテーマは、「ものづくりよりことづくり」です。前回あれだけ「ものづくり」を持ち上げておいて、今度は「ものづくり」より「ことづくり」かよ! てか、「ことづくり」ってなんだ? と問い詰められそうですが……。今回も考えていきたいと思います。


世の中には「もの」が溢れている

早速ですが「ことづくり」の「こと」ですが、漢字にすると「事」ですね。できごとの「事」です。「もの」に対して「こと」です。具体的な物体ではなく、「経験・体験」を作り出すことです。これだけ「もの」が溢れている世の中で、「もの」に囲まれていても、最早我々は幸福を感じられなくなってしまっています。僕が子供の頃は、欲しいものがたくさんあってもなかなか手に入れることができず、それが手に入れられるだけで幸せでした。でも、今の子供たちは程度の差はあるものの、欲しいものは大概手に入れています。そう、彼らにとって「もの」があることは特別なことではなく「当たり前」のことなのです。

「もの」だけでは満足できない

この「当たり前」の状態から、新しい何か「幸福」を感じるためには、新しい「経験・体験」が必要です。その「経験・体験」の機会を作り出すことが、今求めらています。「もの」が売れない時代と言われている今、「もの」の送り手に求められているのは、「もの」を通じた「こと」の提案です。消費者は、もう「もの」だけでは満足しないのです。昔は我々消費者が、手に入れた「もの」をどう使おうか自身で考え、工夫して楽しみを見つけていましたが、今の消費者は「もの」と「こと」のパッケージを求めています。スティーブ・ジョブスがMacintoshを世に出した時に言っていた「ユーザー体験に責任を持つ」ことが、今では必須条件となっているのです。

「ものづくり」はもう限界?

では、前回のコラムで語った「ものづくり」はもう意味を成さないのでしょうか? 「ものづくり」を通じて「ひとづくり」をする。これが、これまでのやりかたでした。しかし、「ひとづくり」の現場にも時代の変化がやって来ています。「徒弟制度」もそのひとつです。職人の世界では「師匠の背中を見て学ぶ」「手を動かして身につける」といった「もの」を介した育成システムが主流でしたが、今は「こと」を介した育成システムに生まれ変わる必要があります。「こと」、すなわち経験の場を作り出し、与えることで「ひと」の成長を促し、実体験を通じて学びを深める、そんな形に変わる必要があります。ここでポイントとなるのは「納得感」です。人は納得しないと行動しません。「こと」を通じて「納得感」を生むことが、人に次の「行動」を促し、その先の「成長」へとつながっていきます。

「ものづくり」と「ことづくり」は同じ?

ここまで読んで「ん?」と思った方も多いと思います。「もの」も「こと」も言ってること同じじゃね? そうです。やろうとしていることは同じです。「視点=アプローチ」が変わっただけです。つまり、「手段」が変わったのですね。「手段」が変わるとその変わった所に目がいってしまい、「今までと違う!」と拒絶したくなります。でも、「やろうとしていること=ゴール」つまり「目的」が共有されれば、変化も受け入れられます。昔は当たり前だったことが今はおかしい。昔おかしいと思っていたことが今は当たり前、そうして時代は変化しながら進んできましたが、実はその「目的」は同じだったりします。その時代時代にあったスタイルで取り組めば、言葉は悪いですが「やらせる」方も「やらされる」方も変化を受け入れやすいのではないでしょうか? 

Goal Orientedが閉塞感のある今を救う

「ひとづくり」は「ものづくり」の目的である「再現性」を作り出すことの延長線上にある、と前回お話ししました。では「ことづくり」ではどうでしょう? 「師匠の背中を見て学ぶ」機会を提供し、「手を動かして身につける」場を与える。結局「もの」から見るか「こと」から見るかの違いで、やりたいことは高い再現性を生む「技」を習得すること、それを通じて「ひとづくり」をすることです。この「ゴール」をしっかり共有しておけば、「もの」にこだわらなくても「こと」を通じて目的が達成できますし、「こと」からなら「もの」が固定されていないので、対象はなんでも良く、この「こと」を通じて新たな「もの」が生まれる可能性も秘めています。「ゴール」がぶれなければ、むしろ「手段」が変わったことで新しい可能性が生まれる「機会」もまた生まれます。

まとめ

「ものづくり」による「ひとづくり」の時代から、「ことづくり」による「ひとづくり」への変化が求められる時代になりました。人は変化を嫌いますが、「ゴール」が変わらなければ、「変化」は新しい可能性を生み出す「チャンス」にすることができます。「こと」の時代になることで、これまで固定されていた「もの」が自由に変化できる時代になったともいえます。そう考えると、なんだか未来がとっても明るく希望に満ち溢れているようにみえてきませんか? あ、みえないですか(笑)

今回も最後までお読み頂きありがとうございました。
次回のテーマは「言わなくても分かるでしょ」です。
次回もお楽しみに!

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