アイリッシュ・ワイルドローズ

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私の畑の前の持ち主さんは、アイルランド人の女性でした。
同じ菜園のなかで、ふた区画を持っていたそうなのですが
ご主人が亡くなったのをきっかけにひと区画にダウンサイズ。
そのおかげで、長年空き区画を待っていた私に、お鉢が回ってきました。

畑には、アイルランドの川べりでよく見かける、
でもほかではあまり見ない黄色いアヤメや
アイルランドの夫の親戚の家にもたくさんある
どーんと立派なワイルドローズがあります。

畑を引き継いだ当時の私は、食べられない植物には
一切興味がなかったので「場所ばっかり食って、ちょっと邪魔」
くらいに思って、あんまり世話もしなかったのですが、
それでも毎年、律儀にこの季節には美しい香りを放ち、
そして花のあとには真っ赤なローズヒップが実を結びます。

昨年は、このローズヒップといただきもののリンゴで、
パンに塗ったり、肉料理に合わせたりするジェリーを
つくってみたら、これがまぁ、あまりに美味!

はじめてちゃんと冬の間に剪定して、
お世話をするようになりました。

今年もこの季節がやってきて、鮮やかな色とかぐわしい香りが。
NOMAの発酵食品に関する本に、バラの花びらでつくる
コンブチャ(日本で言うところの紅茶キノコ)のレシピがあったので、
ぜひやってみようと、バラの花びらを集めてみました。
花びらを入れた袋から漂ってくる香りといったら。

キッチンの作業台の上に置かれたガラスビンのなかには、
あざやかな赤いバラの花びらの抽出液に、
ぷかーんと浮かぶ、コンブチャのSCOBY。
漂う香りに惹かれて、ついつい何度も鼻を近づけてしまいます。

できあがるまで2週間くらい、でしょうか。
いまからとっても楽しみにしています。



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