日本は遠くなりにけり(待機編)

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日本は遠くなりにけり(英国出国編)
日本は遠くなりにけり(日本入国編)

待機期間中のポイントまとめ

説明された滞在中の注意点は以下のとおり。
●基本的に自分の部屋から出てはいけない。
●渡された体温計で毎朝検温。専用ウェブに記録する
●食事は1日3回、部屋に届けられる
●喫煙は自室のみで(喫煙・禁煙の部屋の希望をきかれる)
●家族からの差し入れやネット通販の配達も可能だが、受け取りの際に職員立会いのもとで内容の確認をする
●ランドリーは使用可能だが、利用時間が限られており、事前連絡が必要
●滞在中のアルコールの摂取は不可
●無料Wifiあり
●3日目の朝に検査があり、ここで陰性なら退所
●退所の際には、ホテルから成田空港または羽田空港行きの無料バスあり
●宿泊代、食事代は日本政府もちで、個々の支払いは不要

食事について

食事は朝昼晩の3回、弁当とお茶の入った袋がドアノブにかけられるか、ドア脇に置かれた椅子の座面に置かれるスタイル。まず、「これから食事を配ります」という旨の館内放送があり、続いて「配膳が終わったので、ドアを開けて受け取ってください」という館内放送が入る。後者の放送が入るまで、決してドアを開けてはいけない。食事を部屋に入れるときにもマスクを着用するように、と注意書きに書かれていた。食べ終わったら、お弁当が入っていた袋にゴミを戻して、ドアの外の床に置く。

朝食は、入所時に渡される「滞在のしおり」に朝食は7時半と書いてあるが、初日はかなり混乱を生じていたのか、9時半ごろ「配食完了&要ピックアップ」の館内放送後にドアの外を見てもなにもなし。10時過ぎにガサゴソ音がしたので、ドアの外を見るとドアノブにお弁当がかかっていたので、引き上げて食べ始めたら、再び配食完了の館内放送。食べ終わって言われたとおりにドアの外にゴミを出そうとしたら、なんとドアノブには、また新たなお弁当が……もったいないけれど、さすがに2食は食べられない。あとで気づいたのだけれど、朝から検査と退所手続きのある日は、どうも朝食が遅れたり、混乱したりする傾向があるようだ。

食事の内容は、毎回違うスタンダードなお弁当と紙パックの「おーいお茶」がふたつ。2日目にあたる元旦の朝食には、黒豆や筑前煮などお節っぽいおかずの入ったお弁当が。心遣いがありがたかった。

最終日の朝に冷たい具なしカレーが出たのがきつかった以外は、どのお弁当もおいしかった。ただし、やはり野菜とフルーツ不足になるので、ドライフルーツなどを出国前に用意しておいたほうがいいかも。

それと、冷たい紙パックのお茶は出るのだが、冬ということもあり、私はこのお茶にはほとんど手をつけず、部屋の電気ケトルでお湯を沸かして、もっぱら温かい飲み物を飲んでいた。家からビスケットと、ほうじ茶とそば茶のティーバッグを持ってきていたのが、本当に幸いだった。

ここに滞在する側もそうだけれど、お世話をする側もお正月返上でお疲れ様なことです。

健康ウェブチャットについて

「毎朝8時頃に検温して専用ウェブチャットに入力すること」との指示に従い検温、入力しようとしたが、なぜかウェブチャットが機能しない。仕方なく「滞在のしおり」にあるとおり、内線番号に電話をして体温を伝える(が、ちゃんと記録されなかったのか、午後3時に問い合わせがあった)。

2日目、3日目は普通に機能していたので、オンラインで入力。確認の電話はかかってこなかった。

空港行きバスについて

2日目の夕食と一緒に、翌日の検査と退所の流れに関する説明、空港行きバスの要不要のアンケートが配布された。バスは羽田行き・成田行きとも15時と18時の2便。再検査などで検査が長引いた場合に備えて翌日朝10時の便も用意されているらしい。このアンケートは夜9時までにドアの外に出しておくしくみだった。

最終日の流れ

最終3日目は、朝7時ごろに検査キットがドアの前に配布され、各自自室で唾液を容器にとり、7時半にスタッフが回収にくるのを待つ。回収の際にはパスポートの提示を求められるので、手元に出しておくほうがベター。検査結果と退所の時間については、それぞれ内線電話で伝えられるとのこと。

時間通りに昼食が配布され、その後13:30頃になって、ようやく内線電話。検査結果が陰性だったので15:00のバスで退所できるが、連絡があるまでパッキングして部屋で待機するよう言われる……が、15:15になっても連絡がない。やや焦って内線で問い合わせたら、退所の手続きのために下に行くよう言われる。

3日前に入所の手続きをしたそのカウンターで、健康チェックに向けて、連絡の取れる電話番号などの確認があり、ようやくここで誓約書のコピーを提出する。LINEアプリをひもづけられる日本の携帯番号をここに来るまでしつこく何度も聞かれるが、それがない場合には、①携帯でなくてもいいので、連絡のつく日本国内の番号、②それもない場合はメールアドレス、のいずれかがあればいいとのこと。

15:00発の予定だったバスがホテルをあとにしたのは、なんと16:00。成田経由で羽田に向かうので、家族が羽田に迎えに来るなどのアレンジをしている場合は、かなりずれこむ可能性があることを心づもりしておいたほうがいいかも。この日、羽田に到着したのは17:00頃だった。

次のときには注意したいこと

3日間の待機期間に関しては、館内放送と現場、内線での問い合わせ応答の三者の連携がうまくいっていないことから戸惑うことがしばしば。待機している側は、自室から出られないことになっているので、館内放送と内線による問い合わせを頼りにするしかない。だが、内線の問い合わせて得た情報と、館内放送と、実際に配布される時間や内容がバラバラで、それだけはややフラストレーションだった。羽田空港で、着陸からバスに乗るまでの「なにを待っているのかわからないけど待たされる」時間も含め、疑問を持たずに「無」に徹するのが、一番ラクな過ごし方だと思う。

前述と少しかぶるけど、次にこのシチュエーションになったら、絶対に持ってきたほうがいいと思うものは……
●ティーバッグやインスタントスープ
●ビスケットなどお菓子
●ドライフルーツ(野菜&フルーツ不足になるので)
●少量のふりかけや梅干し
●本やタブレットなど暇つぶしできるもの

とはいえ、こういう体験は一度でいいかな、と思うけど。


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