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医療情報の発信 答えのない世界を彷徨い続ける

11月に京都で開催された「皮膚科医の病気をめぐる冒険 −医療を超えたクロストークで辿り着いた新しい自分−」の出版イベントに参加してきました

書籍の感想はまた別記事でアップする予定

トークイベントに中に感じた脳内をめぐる思いや考えをまとめたくて、noteに書き綴ろうと思う。

ちなみにキーワードを書き出した、メモ帳を見ながら書き綴っているので、着地点は不明。なんなら脱線する可能性の方が高い。

ただ読み進めてもらえれば出てくるが、このトークイベント、妊活・不妊分野を取り巻く構造と被る部分が非常に多い。だからあえてこちらのnoteで書こうと思う。

答えはみつかるのか

トークショーのテーマは「標準医療と代替医療」

大塚先生と市川先生の絶妙な掛け合いでトークショーは進んでいく。なんなら時間が足りないぐらいだ。1日でも聞いていられる。そんな絶妙なトークが繰り広げられていた。

そしてトークショーを聞きながら、私の頭の中はフル回転だった。なるほど!と深くうなずく箇所もあれば、私だったらこういう切り口でいくかも?と思ったり…

いつしか私の脳内は勝手にクロストークに参戦している状態だった

というのも、トークテーマがまさに私が大塚先生や市川先生の投稿を追っかける原点となった話題だったからだ。

あえてこの話をこちらのnoteで書こうと思ったのは、妊活・不妊分野でも「標準医療と代替医療」は永遠のテーマだからだ。

そもそも私が大塚先生や市川先生を知ったのは、医療情報の発信に悩んでいた時期だった。

伝えたい人に情報が伝わらないだけではなく、発信した情報で揚げ足を取られ炎上騒動に巻き込まれたこともある。それもTwitterではなくブログ記事で。

相手の執着もなかなかものだが、正論をぶつければぶつけるほど、物事はこじれていき分断を招く。トークイベントでも出ていたが「対立構造」をうまないというのは、発信の基本なのだと思う。

とはいえ、相手に喧嘩をふっかけるわけではなくても知らず知らずのうちに「対立構造」が生まれてしまうことがある。

あなたの投稿に向かって発信したわけではない!という内容で、相手に嚙みつかれたことも数知れない。

元来、白黒をはっきりさせたいタイプなので、おかしな情報、おかしな知識を見かけるとついつい「あれはおかしいよ。気を付けてね」と注意喚起したくなってしまうのだ。

今でこそ、フェムテックブームもあって医師からも怪しげな情報に対して、注意喚起を見かけるようになったが、コロナ前は妊活・不妊分野と言えば、怪しげな内容でも言ったもの勝ち、プロモーション勝ちのまさに無法地帯だった。(まぁそれは今も変わらないが…)

そんな時に知ったのが「やさしい医療の世界」であり、大塚先生と市川先生だった

医師たちがわかりやすく、やさしい世界線で医療を語る。これが妊活・不妊治療分野で出来れば…今の無法地帯が変わるのではないか?そんな期待を込めて、情報を追いかけ始めた。

そう答えが欲しかったのだ。怪しげな情報が渦巻く妊活・不妊治療分野の無法地帯を変える方法が知りたかった

対立構造はやっぱり生まれる

しかし残念ながら世の中、そう簡単にはことは進まなかった。やさしい世界線で医療を語ろうとする人がいる反面、強い口調で語る人もやはりいる。

そしてその強い口調には反発が生まれ、SNS上では度々炎上が起こっていた。女性のヘルスケア分野も…残念ながらそんな状況だった。

不妊治療の保険適用の際には、「医療者vs当事者」という対立構造が生まれてしまったように、私自身は感じていた。

結局「間」を取り持てる人が誰もいなかったのだ。お互いがお互いの主張をぶつけ合う。

コロナ禍以降はさらにその構造が顕著になってしまった。もちろん人の命がかかっている。怪しげな情報には口調がきつくなってしまうのは仕方ない面もあるとは思っている。

それでもお互いがののしり合い、罵倒し合う…どれだけ正しいことを言っていても、なんとも言えない気持ちになってしまう。

そしていつしかタイムラインが罵倒やののしり合いで埋め尽くされるようになり、私自身もフォローをはずしたり、ミュートした医師アカウントも実は少なくない。

やっぱり答えはみつからない


医師たちがわかりやすく、やさしい世界線で医療を語る。これが妊活・不妊治療分野で出来れば…今の無法地帯が変わるのではないか?そんな期待を込めて、情報を追いかけ始めた。

あれから5年。結局答えはみつかっていない。妊活・不妊治療分野は相変わらず無法地帯であり、SNS上では怪しげな情報が右往左往している。

ひとつ変わった事と言えば、適切な情報を発信する医療者が増えたということだ。おかしな情報にはおかしいと声を上げる人も増えた。

ただ、そのおかしな情報は減ることもないし、怪しげな情報を信じて時間とお金を費やしてしまっている人が一定数いるのが現状だ。

そもそも「正しい情報と知識を伝えたい」と思う事が私自身の「エゴ」なのかもしれない…そんな風に思う事もある。
しかし怪しげな情報を信じて時間やお金を費やしてしまった人の後悔の顔や声を思い出すと、やはりこの無法地帯をなんとかしたいという思いが沸き上がる。

誰かを巻き込めば、何か見える世界が変わるかもしれない…という淡い期待を抱いたこともあったが、結局のところ私が出来ることは、「発信」し続けることだけなのかもしれない。

ただひとつ、このトークショーに参加して気が付いたことがある。それは、世の中が全体的に「考えることなくひとつの解を求めようとしている」ということだ。

答えを探し求める前に、まずはディスカッションすることが大事なのかもしれない。そしてディスカッションの中から自分なりの「解」を見つけていくことが必要なのかもしれないなと思う。

結局のところ、「答えなんてそう簡単には見つからない」が「答え」なのかもしれない。

ちなみに2024年は妊活・不妊治療分野でこの答えのないクロストークをしてみようと考えている。
自分なりの「答え」を見つけるキッカケづくりのひとつとして…


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