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脳・神経・飲酒

抑制神経細胞というものがあります。
大脳皮質などが過剰興奮しないよう、抑える働きをしています。
大脳皮質は、思考や感情を司っている場所です。
この仕組みを見ると、思考や感情を脳単独でコントロールするのは難しいため、神経によって思考や感情の暴走を防いでいるように見えます。

全身麻酔をかけるときに、その深度で状態が異なります。
浅ければ、少し眠っているけど瞼が動くし、痛みは感じます。
深いと、何をしても起きません。
その中間ぐらいに「発揚期」と呼ばれる状態があります。
この時期は、変に暴れたり叫んだり、脳がやや興奮状態になっています。
抑制神経細胞は麻酔により抑制されているのです。
脳のタガが外れているような状態、と考えてみると良いでしょう。

アルコールには、麻酔と同様に抑制系を抑制する、という働きがあります。
「発揚期」と同様、脳の抑えが効かなくなっているという状態です。
これが、飲酒をしているとき感じる解放感の正体です。
もともとの体の仕組みでは、抑制系神経は「理性を保つためのもの」です。
飲酒によって気持ちが大きくなり、普段と異なる言動をするのはなぜか?
それは、普段よりも理性的ではないからに他なりません。
そして、飲酒はその状態を自ら作っている。
言い換えると、意図的に理性的ではない人格に成り下がっている。
これがお酒を飲むことの正体です。

「それでもまだ、お酒を飲みたいと思いますか?」

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