№5269:フィットネスクラブに「顧客のファン化」という意識はあるのか?
こんにちは。遠藤です。
※過去分(4740回分)はこちらにあります。
さて、昨日は「フィットネスクラブは使い放題の会員種別をやめるべき」と記しました。
で、その理由が2つあるとして、1つ目の「赤字になるから」を挙げました。
今日は2つ目の理由です。
それは「顧客がファン化されないから」です。
個人的には「ファン」という言葉はあまり好きではないのですが、「ファン=自ら望んで商品やサービスを継続的に購入してくださるお客さん」と定義した上で「ファン」という言葉を使います。
ちなみに「ファン」という言葉が好きじゃないのは、一部のカリスマや芸能人等に見られるように「双方向性がないから」です。
ここでいう「ファン化」というのは「コミュニティ化」という意味です。
が、「コミュニティ化」というと伝わりづらい気がするので、ひとまず「ファン化」としています。
で、この「ファン」ですが、私は「商品やサービスに多くのお金を払ってくださる人」だと考えています。
こう言うと「ファン=お金持ち」とか「ファン=高額所得者」と思うかもしれませんが違います。
少なくともフィットネスクラブのような「サービス業」では違います。
「サービス業」というのは「受けるサービスの充実度」によって料金が規定されるべきものです。
したがって「ファン」というのは「クラブからたくさんのサービスを受けることを望み、その対価を喜んで支払ってくれる人」のことです。
が、昨日も記したように多くのフィットネスクラブの料金制度はそうなっていません。
「1ヶ月に20回利用する人」と「1ヶ月に1回しか利用しない人」の価格が同じという状態になっています。
「それはメンバーが選択していることだ」と思う人がいるかもしれませんが、私が言っているのは「そういう矛盾が起こる制度を許容している」ということです。
私たちが展開しているスモールジムはスクール制を採用しているので、絶対にそういうことは起きません。
当然、そういう信念で制度設計をしています。
「顧客のファン化」という考え方をすると「より多くのサービスを受ける方の料金が高くなる」という方向性になります。
が、例えば「平日会員」などはこの考え方と完全に逆をいっています。
これではファン化されません。
「ファン化」されないとどうなるかと言えば「常連化」します。
「ファン化」と「常連化」は全然違います。
その違いをわかりやすく説明すると「常連」は(例えば)「新コロ禍対策で休館します」と言ったときに「『月会費を返金しろ!』と言ってくるメンバー」です。
一方の「ファン」は「新コロ禍対策で休館します」と言ったときに「クラブやスタッフのことを心配してくださるメンバー」です。
ほぼすべての人が「ファン」と一緒に仕事がしたいでしょう。
が、このようなことを言っていたり、実践しようとしている経営者にはほとんどお目にかからない。
皆さん「入会増やせ」「退会減らせ」「会員数増やせ」「利益出せ」です。
だから「フィットネスクラブの仕事は楽しくない」のです。
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