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SNS映えの中でそのスポットの管理者や自治体は意識を高く持ってほしいという話

こんばんは、フリーランスフォトグラファーのまちゃるです。

少し前でしたが、知人のカメラマンから能登方面のある人気スポットの立ち入りが制限されているとの情報を聞きました。

以前、ブログでも掲載した能登町ののと鉄道廃線跡がそれです。

だいたい5年前ほどから鉄道マニアやカメラマンの間で知られるようになり、最近では週末を中心に見物客が訪れる人気スポットとなっていたようです。

現在の状況は聞いたところによると、廃列車の手前数十メートルからは立ち入りが禁止されているそうです。以前は電車の中にまで入ることができたようなので、実質の立入禁止措置になってしまいました。

立入禁止の正式な理由は聞いていませんが、おそらく近隣の路上駐車の増加や列車周りでの撮影マナーの悪化が原因と思われます。


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上の写真は昨年5月ごろに町役場の許可を得て撮影したもの。

僕は2018年ごろに最初に訪れて以来、何度も足を運んできました。

おそらく見物客のほんの一部がマナーが悪かったために、立入が制限される事態になったことに怒り半分・寂しさ半分という思いです。


そしてそれと同時に残念と言うか、考え直していただきたいのが「管理者の方や自治体の人気スポット(これからなるであろう場所も含め)への意識」です。

顛末を少しお話すると、僕は最初に地元のカメラマンさんのSNSの投稿を見てこの廃線跡に訪れました。
基本的には立ち入りは自由にできるとのことでしたが、現地に行ってみると廃線跡への降り口に簡単なロープが貼ってありました。

そこでこのスポットがある能登町の役場の方に確認の電話をしたところ、

①ロープは地元の方が独断で置いたようで、特に立ち入りは禁止していない②線路内の立ち入りならびに撮影は自由に行って構わない
③インターネットなどへの投稿も自由

との確認が取れました。

それまでにも何人か撮影をしていた方がいたようですが、「役場に丁寧に問い合わせをしてきたのはあなたが初めてです」と言われました。

ただ全国的にも、こういった廃線跡は隠れた人気があり、廃列車まで残っていることから、一度知られれば一気に人気スポットとなると思い、役場の方には「おそらくすぐにインターネットで知られるようになって、多くの人が来るようになるので、対策はしておいた方がいいですよ」とお伝えしました。

役場の方は「こんな田舎ですし、そこまでじゃないんですかね」と軽く笑っていらっしゃいました。


その後、予想したとおり訪れる人の数は一気に増えたようで週末などは列車内部の見物待ちが数組いるような状況となっていきました。

当然、撮影の順番待ちをめぐってのトラブルや路上駐車のトラブルも出始めてしまったと聞いていました。

僕はたびたび町役場の方には撮影許可を取るついでに、何らかの対策をした方がいいと意見を伝えさせていただきましたが、その後特に何かがされたような形跡はなく、今回の立ち入り制限となったようです。


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話は少し変わり、現在見ごろを迎えている白山市の美川インター近くの河津桜並木です。

http://kazuyami77.com/archives/2743

こちらもブログで紹介していますが、満開のこの時期は農道に車が溢れかえるほどの人気スポットとなっています。こちらもここ5・6年で一気に知られるようになってきました。

当初は地元の方たちや口コミで情報を知った一部のカメラマンだけが訪れるスポットでしたが、今は誰もが知る場所となりました。

当然、毎年毎年交通マナーが悪くなり、トラブルも起きています。
以前は並木のある側に車を停めている人も多く、花の写真を撮りたいカメラマンとドライバーの間で揉め事がよく起きていました。

今年は並木側への駐車を禁止する看板が設置され、臨時駐車場として近くの葬儀場が開放されています。
しかし写真にある通り、路上駐車が当たり前に行われ、多い時には数十台の車が並びます。

その結果、通り抜けようとする車と車の接触、車と人との接触も起きています。

見物客は高齢者も多いため、なるべく歩きたくないという事情もあるのは理解できますが、僕が見に行った数十分の間にも車同士の軽い接触やあわや人に車がぶつかりかけるというトラブルが発生していました。

こちらも実は、最初に通い始めたころから市役所や警察署には改善を求める意見を伝えてきました(シーズンだけ車両通行禁止にする、警備員を置く)

しかし一応「さくらまつり」と銘打っているものの、特に誰かが監督・交通整理をしている様子もなく、今年も危険な状況は改善されていません。


これまで2つの例を見てきましたが、このように有名スポットが突然、立ち入り禁止になる事例、撮影禁止になる事例、危険な状況になる事例はこのほかにも数多くあります。

全国各地のみなさんも耳にしているのではないでしょうか?

この背景には「情報拡散のスピードに管理者や自治体の認識が追い付いていない」という問題があると思います。
対策が追い付いていないというよりは、その対策が必要だという認識にまで至っていないというのが現状でしょう。

特に地方はその傾向が顕著です。そもそもSNSなどのツールへの理解も広がっていないので、それらが持つ情報拡散の凄まじいスピードが理解されるわけもありません。

その結果、あれよあれよとこれまで何と言うことがなかったスポットに一気に人が集まり、交通トラブルや見物客同士のトラブルが発生する。気づいた時には時すでに遅く、立ち入り禁止くらいしか取れる対策がない。


これからの管理者、特に多くのスポットを管理する自治体は意識改革が必要だと思います。
早い段階からそのスポットの管理方法を決め、素早く周知徹底していくことで未然に防げることも増えていきます。

これからの観光産業を盛り上げていくために、ぜひ自治体などには意識を高く持っていただくことを期待します。

サポートしていただいたものは情報収集や撮影に使わせていただき、役立つ情報としてみなさんに発信できればと思います☆