仕事が上手な方へ。

「とっても長い道路を受けもつことがよくあるんだ。
おっそろしく長くて、これじゃとてもやりきれない、
こう思ってしまう。」

彼はしばらく口をつぐんで、


じっと前のほうを見ていますが、やがてまた続けます。


児童文学書で、ひじょうに勉強になることがありました。『モモ』という本に出てくる、”べっぽじいさん”というひとです。彼は何もかもがゆっくりのおじいちゃんです。
街の道路掃除のお仕事をしています。

「そこでせかせかと働きだす。
どんどんスピードを上げていく。」

「ときどき目をあげて見るんだが、
いつ見ても残りの道路はちっともへっていない。」

「だからもっと凄い勢いで働きまくる。」

「そしてしまいには息が切れて、動けなくなってしまう」

「しんぱいでたまらないのだ。こういうやり方はいかんのだ」

ここでしばらく考え込みます。

「一度に道路ぜんぶのことを考えてはいかん、わかるかな?

「次の一歩のことをだけを、考えるのだ。」

「次のひと息のことだけ、次のひと掃きのことだけ。」
「いつもただ次のことだけ考えるのだ」

またひと休みして、考え込み
それからまた休む

「そうすると楽しくなってくる。これが大事なんだな」
「楽しければ、仕事がうまくはかどる。」
「こういうふうにやらにゃあだめなんだ。」


そして話に長い休みをとってから、

「ひょっと気がついたときには、一歩一歩すすんできた道が
全部おわっとる。そのときには、どうやってやったのか自分ではわからん。」

画像1

「これが大事なんだ。」

☆                                       ☆                                            ☆

『モモ』という本は、400ページあるのですが、自分の日常に響くことしか書いてありません。

ときには気づいていなかったことで心が痛くなるほどです。

人の話を聴くことをうまくなりたい方は特にお勧めします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?