自己満足なユーザーヒアリングはやめよう。ヒアリングで問題を解決するためのポイント
こんにちは。
上場人材エージェントサービスでマーケティングの責任者をしているかずたかです。
このNoteでは、私の経験も踏まえて、主に人材業界のマーケティングに携わる方向けの情報を発信しています。
今回は、サービスやプロダクトの改善に欠かせない「ユーザーヒアリング」のについて取り上げます。
マーケティングチームにありがちな自己満足のユーザーヒアリング
マーケティングチームにいると、「ユーザーヒアリングで顧客理解を深めよう」と突如としてヒアリングの企画が立ち上がる事があります。
もちろん、ユーザーヒアリングは非常に重要で、本来は継続的に実施すべきものです。
しかし、(特に)事業会社の多くではユーザーヒアリングの文化が根付いていない場合が多いのも現実です。
そのため、ヒアリングの文化がないチームが突発的にヒアリングを実施すると、大抵の場合、ユーザーとの雑談で終わり、何も得られない「自己満足なユーザーヒアリング」になってしまいます。
では、なぜ自己満足的なユーザーインタビューになってしまうのでしょうか?
ユーザーインタビューが自己満足に終わる理由
ユーザーインタビューが自己満足に終わる原因として、以下の3点が考えられます。
マーケターとしてのスキルが低い
ビジネス力が低く、目的設定が明確になっていない
顧客対応の経験が少なく、ヒアリング力が低い
1. マーケターとしてのスキルが低い
特に事業会社のマーケティング組織では、社内の抜擢や異動によって人材が集められることが多く、そもそもマーケティングの基礎スキルが不足している場合があります。
その結果、マーケティング活動においてユーザーヒアリングがどういった意味があるのかという点の解像度が低い状態でヒアリングに臨んでしまうことがあるのです。
私も過去に複数の企業でこのような状況を経験しました。
特に若手のメンバーや、マーケティングの実務経験がない人たちが多い組織に多く見られる現象です。
2. ビジネス力が低く、目的設定が明確になっていない
ビジネス力が低いと、自己満足なヒアリングになりがちです。
ここで言う「ビジネス力」とは、目的を明確にし、その目的を達成するための道筋を描く力のことです。
ビジネス力が低いと、「何を成し遂げるか」(結果)ではなく、「何をやっているか」(プロセス)に重点を置く傾向があります。
そのため、ヒアリングをしているだけで満足してしまい、自己満足に陥ってしまうのです。
要は、そのヒアリングが何のために行われているのかが明確でないまま進めてしまっているのです。
3. 顧客対応の経験が少なく、ヒアリング力が低い
最後に、ヒアリング力の問題があります。
実際にユーザーヒアリングを行ってみると、その難しさに気づくことがあります。
限られた時間の中で、自分が知りたい情報をいかに引き出すか、さらに誘導的な質問を避けながら聞き出すのは簡単ではありません。
私は幸運にも、リクルートで法人営業を3年ほど経験し、その後も、マーケティング周りのディレクター的な立場で顧客対応を一通りしてきたため、ヒアリングの心得がないわけではありません。
しかし、事業会社のマーケターの中には、何かのきっかけで抜擢され、顧客対応の経験がないままマーケティング業務に携わっている人も多くいます。
そういった方々の場合、ヒアリングスキルが足らず、自己満足的なヒアリングになりやすいのです。
ユーザーヒアリングの目的は仮説検証
ここからは、具体的なユーザーヒアリングについて話を進めます。
ユーザーヒアリングは様々な目的で行われますが、基本的には仮説検証のために行うべきものです。
理想的なユーザーヒアリングの流れは以下の通りです。
問題発生
現状把握
仮説の設定
仮説検証(ヒアリングはここ🙆♂️)
施策実施
問題が発生した際、まず現状を把握します。
そして、問題解決に向けた仮説を立て、その仮説が正しいかどうかをヒアリングで検証し、最終的に施策として実行します。
しかし、自己満足的なヒアリングでは以下のような流れになってしまいます。
問題発生
現状把握(ヒアリングをここでやってしまう🙅)
よくわからない
終了
問題が発生した際、仮説もないまま解決策を求めてヒアリングを行っても、何も得られません。
多くの場合、ユーザー自身も言語化できていないインサイトに答えがあるため、ただ「ユーザーの声を聞いた」というだけで終わってしまい、「自己満足的なユーザーヒアリング」になってしまいます。
ユーザーヒアリングを成功させるためには、仮説検証をゴールに設定することが重要です。
ヒアリング人数は5名で十分
最後に、ポイントを一つお伝えします。
仮説検証を目的としたユーザーヒアリングであれば、5名程度のヒアリングで十分です。
実際にヒアリングを行うと、
ターゲット設定と相手を間違えていなければ、3人程度で「やっぱりそうか」もしくは「思っていたのと違ったな」という感触が得られます。
その後、さらに2人にヒアリングを行い、感じた感触を確認するというイメージです。
無計画に10人、20人とヒアリングを行っても得られる情報はほとんど変わりません。
まずは5名を目標にインタビューを設計しましょう。
まとめ
ユーザーヒアリングは、マーケティング活動やサービス改善において欠かせない手法です。
しかし、そもそもの目的や考え方を間違えてしまうと自己満足で終わってしまい、十分な成果を得ることができません。
効果的なユーザーヒアリングを行うためには、以下のポイントを押さえておくことが重要です。
明確な目的を設定する
仮説をもってユーザーインタビューに臨む
仮説検証が目的なら5名程度で十分
ユーザーヒアリングを効果的に活用し、サービスやプロダクトの改善に繋げることができます。
自己満足で終わらない、価値あるヒアリングを実施し、マーケティングの成果を最大化しましょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?